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(2012/12/10)

ハリウッド式モニター試写も奏功〜ワーナーのローカル・プロダクション戦略


『るろうに剣心』(C)和月伸宏/集英社(C)2012「るろうに剣心」製作委員会 ※画像はBD豪華版


『アウトレイジ ビヨンド』公開:10月6日 配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野(C)2012「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会

 邦画好調の映画興行市場において、洋画メジャーメーカーもローカル・プロダクションとして、日本独自の作品製作・配給に注力している。なかでもワーナー・ブラザース映画は『るろうに剣心』のヒットのほか、アニメーションなども積極的に展開。堅調に成果を挙げる同社の戦略を追った。


■『るろうに剣心』が興収30億円に迫る大ヒット

 2011年の映画興行は日本映画の興行収入が洋画を押さえこんで全体の54.9%を記録。その勢いは今年に入って、さらに加速してきている。こうした状況もあり、ハリウッドのメジャー各社も数年前からローカル・プロダクションというかたちで日本映画の製作に乗り出している。中でも突出した成功を挙げているのがワーナー・ブラザース映画だ。

 今夏に公開された『るろうに剣心』が興行収入30億円に迫る大ヒットを飾り、続く北野武監督作品『アウトレイジ ビヨンド』も、11月11日の時点で14億円を突破している。

「5年を経てローカル・プロダクションが花開いた感じです。本社から“ジャパン・イズ・ディファレント”と言われながらも着実に道を拓いてきました。弊社が幹事社になって製作した『るろうに剣心』のような王道路線から、出資という形で関わる『アウトレイジ ビヨンド』のようなタイプ、加えて、興行力のあるアニメーションまで、幅広く挑戦してきたことが結実しました」(ワーナー・ブラザース映画 ローカル・プロダクション本部長 小岩井宏悦氏/以下同)

 今夏の成功は培ったノウハウの蓄積にあると同氏は分析している。「原作がシリーズ累計で5700万部を突破した『るろうに剣心』には、ある程度の確信はありました。公開時のプロモーションでは若者層を意識した“敷居を下げる”明快さを貫いたことが功を奏しました。さらに主題曲を担当したONE OK ROCKの海外人気も重なって、アジア各国からも期待以上に大きな反響がありました」


■ハリウッド方式にも柔軟に対応

 ローカル・プロダクションの製作にあたっては、日本映画のヒットの公式を抑え、かつ、アメリカ側からの要望に応えることも求められる。

「ハリウッドにはグリーンライト・システムという企画を精査する方式が定着しています。その方法に沿って企画を通すわけです。まず原作や脚本、監督、主演などのクリエイティブ要素、ビジネス・スキームとして、製作委員会の座組や収支決算を裏付けるようなリスト、そして“コンパラティブ・タイトル”という類似作品を挙げて、可能性を多方面から検討するわけです」

 ワーナー・ブラザース映画が他のメジャー各社を凌駕して、ローカル・プロダクションで成功した理由は、フジテレビ映画事業局から転進した、小岩井氏のような邦画のプロを起用したことに尽きる。氏がアメリカ本社に日本の映画興行の状況を的確に伝えつつ、アメリカのやり方も適宜取り入れていくという、そのバランス感覚もヒットの背景にあるようだ。

「アメリカの方式で“リクルーテッド・オーディエンス・スクリーニング”と呼ぶモニター試写があります。完成前に多くの一般の人に見てもらい、感想に沿って作品内容に調整を加えていきます。この方式だと効果的に作品のクオリティが上がりますね」

 今後の公開予定作品は正月第2弾にアニメーションの『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』、来年GWに三池崇史監督のサスペンス『藁の楯 わらのたて』、そして9月にはクリント・イーストウッドの名作映画の日本版リメイク『許されざる者』が待機しており、来年も日本映画界に新たな旋風を起こしていきそうだ。

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