ヒットがみえるエンタメマーケット情報サイト

  • ORICON BiZ onlineのご案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

特集記事一覧 > テレビドラマ

(2012/08/20)

【インタビュー】『主に泣いてます』プロデューサー こだわり抜いた絶妙なキャスティング


『主に泣いてます』CX系 毎週土曜23:10〜


大木綾子氏 フジテレビジョン 編成制作局ドラマ制作センター
1996年、フジテレビに入社後、ドラマ制作センターに配属。手がけた主な作品は、『救命病棟24時』(第4シーズン、09年)演出、『ライアーゲーム』(07年)演出、『カエルの王女さま』(12年)プロデューサーなど。

 講談社『モーニング』で連載中の東村アキコによる漫画『主に泣いてます』が実写ドラマ化された。原作の持ち味である“シュールなギャグ”が満載で、絶妙なキャスティングもイメージ通りだ。「スタッフ一同、原作ファンががっかりしない」ことを指針にしたという大木綾子プロデューサー。アクの強い作品とも言えるが、「もう一方での盛り上がりがムーブメントになれば」と熱く語る。

 今期の連続ドラマでもひときわ強烈な印象を放っているのが、CXで放送中の『主に泣いてます』(以下『主泣き』)だ。美しすぎるがゆえに不幸な人生しか送れない主人公をめぐる騒動を、シュールなギャグ満載で描く下町人情コメディ。原作コミックの細かいネタまでも忠実に再現したギャグ演出に加え、映像ならではのテンポ感も小気味いい。

 大木綾子プロデューサーをはじめスタッフにも原作ファンが多く、「自分たちがガッカリしないドラマ化」を指針にしたというだけあって、作品への愛と現場の一体感が画面からビシビシと伝わってくる。

 キャスティングも然り。愛すべき変人ぞろいのキャラクターにハマる俳優をこだわり抜いて配役していき、まさに原作から抜け出したような絶妙なキャストが揃った。主人公の絶世の美女・泉を演じる菜々緒は本作がドラマ初出演。目もくらむような美貌を隠すための数々のコスプレも見どころで、初登場シーンでは“子泣きじじい”に扮した。当初、ドラマ出演の経験がないことや、いきなりの主演抜擢ということもあり、このキャスティングを懸念する声もあったという。

「でも、世の中の新しいもの、スゴイもの、面白いものにビビッドに反応する世代には絶大な影響力があることを示せばいいと考え、『ティーンの憧れる美脚No.1』『気取らない発言がSNSで人気』など、菜々緒って今、すごく魅力ある存在なんだ! 時代に新たな価値を見いだせる存在なんだ! と私自身が菜々緒に惚れた理由を熱く語り、勝ち取ったキャスティングです(笑)」(大木氏)


■アクの強い作品だけに熱烈な視聴者が存在
 メインキャストでなんと言っても出色なのは、泉をタニマチ的に支える中学生・つねを演じる草刈麻有だ。凛とした佇まいに生意気な下町言葉、一見冷めているようで人一倍の人情家。本作を見れば誰もが「あの子は誰?」と気になってしまう、圧倒的な存在感を放っている。

 これまで、ティーン誌モデルと映画を中心に活動し、連ドラ経験がないわけではないが、メインで、しかもCXドラマは本作が初。このキャスティングも、彼女に惚れ込んだ大木プロデューサーの粘り勝ちとなった。

 脇を固める俳優やゲストには、舞台畑の実力派が多く配された。いずれも濃いキャラになり切って演じており、ワンシーンの登場だけでも強烈なインパクトを残している。ヒロインの相手役こそ中丸雄一(KAT-TUN)が演じてはいるものの、ドラマ開始時点で前出の菜々緒をはじめ、ドラマでの実績を持っている俳優は少ない。そういう意味ではチャレンジングな配役であったと言える。

「人は必ずハマったものに飽きる。食べ物にしても音楽にしても。だったら、ドラマから新たな人材を大胆に発掘することも大事なのではないかと思いました。数字のことを考えると、どうしても似たようなキャスティングになりがちです。それでも、その人の魅力を発揮できるぴったりの役ならいいんです。でも、現実には、なぜこの子が? ということも少なくない。なぜ、そうなったのか、賢明な視聴者はすぐ見抜きますよね」

 アクの強い作品だけに、好き嫌いははっきり分かれるだろう。オリンピックにより、放映日時も大幅に狂うなどハードルは多いが、ネットの反響から、熱烈な視聴者が存在していることは証明できる。

「テレビドラマというビジネスモデルからしたら、幅広く多くの人に観られる作品が正解なのかもしれません。でも、漫然と流れて忘れられていく作品は作りたくないんです。一方では拒絶されても、一方の熱い盛り上がりがムーブメントになっていく。そんな作品が理想ですね」

 行動の多様化でリアルタイム視聴が計りにくい時代。映画化やパッケージ売上で、思わぬ熱狂を生むドラマも近年は増えた。つまりコンテンツとしての真価は、本放送の後にこそ表れるのかもしれない。本作の今後の動きも追い続けたいところだ。


■関連記事
> 7月期ドラマ期待度ランキング上位15作一覧(12年7月4日)
> 生徒役33名すべてが逸材 『GTO』を俳優人生のジャンプ台に(12年7月23日)



つづきはこちら

Go to Page Top

Go to Page Top