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(2012/08/06)

オリンピックとドラマ視聴率の関係性


2004年夏クールドラマの番組視聴率推移(上位5番組)
 ロンドンオリンピックが開幕し、熱い戦いが繰り広げられている。そのロンドンとの時差はマイナス8時間(夏時間)。競技中継は日本時間の夕方から深夜にかけて放送される。このオリンピック中継によって、通常の番組は、そしてドラマはどのような影響を受けるのだろうか。過去の大会時の視聴率を検証しながら、その関係性を探る。

 オリンピックの影響は軽微だったアテネ大会時のドラマ視聴率前回の北京大会(2008年)は時差が1時間であったため、今回のロンドン大会と時差が近い04年のアテネ大会(時差−6時間/夏時間)を参考として見てみよう。

 アテネ大会では、現地の夜間が日本の深夜〜早朝にあたるため、日本人選手が活躍した競泳種目などの決勝は、深夜に放送されることも多かった。地上波では、開会式前の8月11日のサッカー予選から閉幕翌日(30日)の総集編まで、ハイライトや総集編を含めて約380時間の放送があり、期間中に全く見なかった世帯は1%程度。1世帯あたりの視聴時間は平均約40時間、毎日約2時間は見ていた計算になる。

 04年の主な作品をみると、8月20日(金)に放映された『世界の中心で、愛をさけぶ』は、視聴率31.1%を記録した柔道の中継(表参照)と重なったが、影響を受けることなく、前週より逆にやや高い視聴率となった。19日(木)『渡る世間は鬼ばかり』、29日(日)『逃亡者』も裏に中継があったが、あまり変化は見られなかった。24日(火)『ウォーターボーイズ2』はオリンピック中継の影響で、1時間遅れの放送となったが、視聴率は逆に前週よりもアップした。

 また、この年は、韓国ドラマブームの火付け役となった『冬のソナタ』の放映が、4月からNHK総合でスタートしており、大会期間中の21日(土)に最終回を迎えた。裏にフジテレビの『オリンピック前半戦ハイライト』(視聴率17.2%)が放送されていたにもかかわらず、視聴率は20.6%を記録。ちなみに、「『冬ソナ』最終回」視聴世帯のうち、約3分の1は直前までフジテレビの『前半戦ハイライト』を見ており、ほかには、日本テレビの『24時間テレビ』やTBS『ブロードキャスター』などを見ていた。また、テレビを消していたのに、わざわざ『冬ソナ』を見るためにテレビをつけた世帯も見られ、ドラマの行方が多くの人々の関心を集めていたことが分かる。

 このように、アテネ大会時に放映された人気ドラマは、中継の影響をあまり受けることなく、しっかり見られていた。しかし、前回の北京大会では、プライムタイム(19時〜23時)の放送がアテネの1.5倍と多く、アテネよりもドラマとぶつかることが多かった。しかも、日本が金メダルを獲得したソフトボール決勝(30.6%)や、野球の日本対キューバ戦(27.0%)などの注目度の高い競技の中継もドラマの放送時間帯に多く放送され、影響を受けたドラマも多々見受けられた。


2004年アテネオリンピック中継 視聴率TOP3
■時差はアテネとほぼ同じでも視聴環境が大きく変化
 今大会では、アテネ同様、日本時間の夕方から早朝にかけての生中継が多く、人気競技の決勝は22時以降に放送されるものも多いため、過去の事例から考えれば、大きな影響は受けないものと考えられる。しかし、アテネ時と大きく異なる点がある。それは、視聴環境の変化である。

 例えば、インターネットでの動画配信。民放局では前回の北京大会からインターネット配信を開始したが、今回はさらに配信時間が多いと言われている。また、NHKではテレビ中継されない競技についても動画配信する。今回は、完全デジタル化後、初めてのオリンピックであり、高画質高音質に加えて、データ放送で競技や選手の情報を確認することもできる。アテネ大会の際は、オリンピックにさほど影響を受けることなく、好きなドラマもちゃんと見られていたが、果たして今回はどうか。後の検証が必要となってくるだろう。(寄稿:中奥美紀 ビデオリサーチ ソリューション推進局テレビ事業推進部専門職部長)


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