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(2012/08/06)

【インタビュー】教育現場へ果敢に問題提起 ドラマ『黒の女教師』プロデューサー


TBS系『黒の女教師』毎週金曜22時から放送中


伊與田英徳氏(TBSテレビ制作局ドラマ制作部プロデューサー)
1998年の入局後、『コワイ童話/みにくいアヒルの子』(99年)の演出を経て、00年『真夏のメリークリスマス』で初プロデュース。近作は『南極大陸』(11年)、『最高の人生の終り方 〜エンディングプランナー〜』(12年)のほか、映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』も手がけた。

 前クールでは久しぶりの大人のラブストーリーを描いた『もう一度君に、プロポーズ』を放送したTBS系金曜ドラマ枠だが、今クールでは打って変わり社会問題にも深く切り込むダークヒロインが登場した。舞台は教育現場。法を犯すこともいとわず生徒の抱える問題と向き合う主人公像には、おそらく賛否両論あるだろう。伊與田英徳プロデューサーは「それも覚悟のうえ」と語る。

 指導力に秀でた普通の教師が、生徒たちを取り巻く教育的難問に対して、放課後には毒を持って制する“黒の”存在に変貌する。名作『必殺』シリーズの現代教育版といった趣の作品が、TBSの金曜ドラマ枠に登場した『黒の女教師』。毎年、開催されている“TBS連ドラ・シナリオ大賞”の入賞作品で、榮倉奈々が初の教師役、ダークヒロインに挑戦したことも話題となっている。共演にも市川実日子、小林聡美という個性派が揃い、ジャニーズJr.の松村北斗、千葉雄大、大野いとなど、生徒役も次代のスターが選りすぐられている。

「たまたま、私が“TBS連ドラ・シナリオ大賞”の選考委員の一人で、山下友弘さんのこの作品に強く惹かれたのがきっかけです。作品は社会的なメッセージを持ちながらエンタテインメントとして際立っていました。そこから山下さんと2年近くをかけて練り込んでいきました」(TBSテレビ 制作局 ドラマ制作部 伊與田英徳氏/以下同)

 伊與田氏は『最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜』や『桜蘭高校ホスト部』、『新参者』など、数々のヒットドラマを生みだしてきたプロデューサー。今回の製作にあたっては、山下友弘氏を軸に大林利江子氏、池田奈津子氏という“TBS連ドラ・シナリオ大賞”で注目された若手脚本家を結集。これに吉澤智子氏を加えた新進気鋭のチームで新たなドラマ世界を目指した。

「山下さんにはセリフと企画力の強さがあり、3人の女性たちが連続ドラマの所作やディテールを補強している感じです。悪に悪で対抗するダークヒロイン。それも教育現場が舞台。賛否両論、様々なご意見をいただくことは覚悟しています。それでも現在の教育現場に漂う閉塞感に対して、ドラマのかたちである種の問題提起ができればと考えています」  そのため、実際の現場へも綿密に取材を重ね、問題を抽出するなど準備には万全を期した。


■化学反応を狙ったスタッフ・キャストの編成
「脚本や方向性をガチガチに固めてしまうと、予想を超える化学反応が起きにくいのです。今回は4人の脚本家に斬新な発想力を求め、ドラマをまとめる演出も若手を起用して化学変化を狙っています。またヒロインの榮倉さんも初めて笑顔の少ない役で懸命に新たな面を開拓しています。スタッフ・キャストが一丸となりました。もちろん、リスクはありますが、私は多くのドラマを経験しているので、どうリードすればいいのかは心得ているつもりです」

 榮倉の魅力である笑顔を封印させるのは、プロデューサーとしてチャレンジし甲斐のある賭けとも語る。好感度の高い小林、市川にダークな役を与えたのも同様だ。俳優たちに覚悟をもって臨んでもらいたかったと伊與田氏は続ける。

「テレビドラマに関わっている限り、常に時代に斬り込み、その空気、風潮をしっかり捉えていなければいけないと思います。それが私の目標です。往年の『東京ラブストーリー』が、今見ても面白いのは背景から時代が立ち上ってくるからです」

 伊與田氏は学生時代からドラマや映画を好み、映像に道を求めた。

「就職した当時は、映画よりもテレビ界の方が輝いて見えました。名古屋の制作会社を経て、当社に入社したのですが、当初は演出家を志していました。今もその気持ちは残っていますが、ドラマのプロデューサーも演出家的な感覚が求められ、さらに全体を束ねていかねばならない。仕事の醍醐味ははるかにあります」

 『あしたのジョー』や『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』など、劇場用映画のプロデュースも手がける。伊與田氏にとって映画とテレビドラマは、プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違いくらいしかないという。時代を斬る『黒の女教師』がヒットし、劇場版ができたら嬉しいと結ぶ。日本の映像をリードする一人であることは間違いないだろう。

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