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特集記事一覧 > テレビドラマ

(2012/07/16)

『水戸黄門』枠に登場した勧善懲悪ヒーロー『浪花少年探偵団』
「いつの時代も変わらない題材を今の時代の空気を反映しながら描く」


『浪花少年探偵団』
TBS 系 7月2日より 毎週月曜 20時〜放送中
出演:
多部未華子、小池徹平、山本耕史、木村文乃、前田航基(まえだまえだ)、濱田龍臣、前田旺志郎(まえだまえだ)、八木優希、二宮星、高橋晃、斉藤由貴、温水洋一、段田安則、小日向文世、松坂慶子



テレパック 制作2 部部長 プロデューサー
黒沢淳氏
Profile/くろさわ じゅん
1963 年生まれ。86 年にテレパックに入社。97 年にTBS の昼ドラマ枠“花王愛の劇場”『さしすせそ!?』で初プロデュース。近作では『キルトの家』(NHK、12年1月)、『モリのアサガオ』(TX 系、10 年10月)、『八日目の蝉』(NHK、10 年3月)などがある。

 奇しくも人気作家・東野圭吾原作が2 タイトル登場した7 月期ドラマ。TBS が選択したのは東野の初期の作品『浪花少年探偵団』。東野自身が少年時代を過ごした大阪を舞台にした、思い入れも深い作品でもある。かつて同枠で放映していた『水戸黄門』にも通じる勧善懲悪ヒーローが活躍する本格ミステリー。黒沢淳プロデューサーは「国民的なヒーローになりうる主人公」と期待を寄せる。


■本格ミステリーのなかに、コミュニティーの理想形を描く
 古くは『水戸黄門』、『大岡越前』に『江戸を斬る』など、王道の時代劇作品を送り出してきたTBS 系列の月曜日20 時のドラマ枠。08 年にパナソニックドラマシアターと改称されたこの枠で、ベストセラー作家・東野圭吾の初期の小説を原作にした『浪花少年探偵団』がスタートした。

進境著しい多部未華子が初めて小学校教師に扮し、大阪の下町を舞台に生徒たちと難事件に挑むミステリー。笑いとペーソス、昭和の香りが漂い、トリックも充実。幅広い世代が楽しめる内容となっている。

「東野圭吾さんの原作に惹かれて、5年ほど前から連続ドラマとして映像化したいと考えていました。人間ドラマの要素と本格ミステリーの醍醐味を併せ持つ、明るく楽しい内容です。一昨年の暮れ、月曜20 時の枠の募集があったときに、ぴったりだと考えて応募したわけです」(テレパック制作2 部部長 プロデューサー黒沢淳氏/以下同)

 黒沢氏は、ドラマ制作にあたり、登場人物のキャラクターを練りこむことを旨としている。同ドラマでも、ドラマ『Dr. コトー診療所』や映画『ハナミズキ』で知られる吉田紀子氏を脚本の軸に据え、ドラマ『ごくせん』の江頭美智留氏が参加して、綿密に全登場人物の人物造形を深めていったという。両氏に加えて、博学多才を武器にした新人・沼津そうる氏が参加し、シナリオ化が進められた。

「東野さんからもトリックを中心にアドバイスをいただきました。現代の大阪を舞台で、あえて昭和的な空気感を大切にしたいという思いが私の中にありました。隣近所のつきあいが密で、悪いことをしている子を見れば他人の子でも叱るような、コミュニティーの理想形を描きたかったのです。今の時代にこうした世界観を訴えることで、月曜20 時枠を古くから見ていただいている視聴者の方にも、新たな若い層にも支持がいただけると自負しています」


■今こそ正義の味方をきっちりと謳いあげたい
 黒沢氏は、ヒロインは多部未華子を起用することしか念頭になかった。

「好奇心旺盛で、積極的なこのヒロインは演技力が求められる、実は難しいキャラクターです。多部さんは憑依型というか、小手先の演技ではなくて役に成りきってしまう素晴らしい女優だと分かっていましたから、迷いはありませんでした。大竹しのぶ、深津絵里のラインに続く、魂で演技をするタイプですね。“攻め”のヒロインを多部さんが演じることを核にして、優しく“受ける”小池徹平さんをはじめ、キャスティングはバランスを考えて、決めました」

 このヒロインを送り出すにあたって、黒沢氏には強い思いがあった。

「現代は正義の味方が不在の時代といわれますが、このヒロインは悪いものは悪いとはっきり言う。曲がったことは許さない。いわば国民的なヒーローになりうる資質の持ち主です。日本人の誰もがこうした姿勢に立ってほしいとの願いもあります」

 黒沢氏が手がけるドラマは常に制作した時代の空気、社会的なテーマを織り込むことを意識している。

「中学の頃に、山田太一さんの『岸辺のアルバム』で衝撃を受け、それから山田さんの作品群、さらに倉本聰さん、向田邦子さんのドラマを真剣に見るようになって、テレビドラマが人間の生き方を変えることもあると気づきました。先日、尊敬する山田さんと『キルトの家』で初めてプロデューサーとして仕事をしましたが、感激もひとしおでしたね」

 いつの時代も変わらない題材を今の時代の空気を反映しながら描く。このドラマもその範疇に入ると黒沢氏は言い切る。ターゲットは全世代、ドラマからお茶の間の会話が生まれたら最高だと結ぶ。ミステリー版『ごくせん』の趣もあり、主人公の事件解決のたびに放つ決めセリフ「うちは大路のしのぶやで!」はどこか『水戸黄門』にも通じる痛快さもある。シリーズ化も充分ありそうだ。
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