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(2009/03/03)

多メディアへの展開でファン層に拡がり
よりパーソナルな魅力に注目が集まる男性声優

声優としての演技力はもちろん、歌唱力、トークの面白さなど、様々な才能を持った男性声優が人気を拡大している。これまで女性声優を中心に見られた現象がここまで拡がりを見せている背景、今後の可能性について探る。

活躍の場を拡大している男性声優

 ラジオのパーソナリティ、歌手活動など、アニメや映画のアフレコにとどまらず活動の幅を拡げる男性声優の活躍が目立ってきている。音楽を例にとってみると、昨年1月発売の小野大輔「雨音」が最高位17位、12月発売の宮野真守のシングル「…君へ」が最高位18位を記録。09年に入ってからも2/4発売の鈴村健一「新しい音色」(最高位13位)がTOP20入りを果たす好調ぶりだ。

 女性声優に関しては90年代初頭より声優としての演技力だけでなくルックス、歌唱力、トークの上手さといった幅広い要素を兼ね備えた、いわゆる“アイドル声優”がシーンをにぎわし、作品のキャラクター人気としてではなく、声優個人が脚光を浴びるようになった。しかし、男性に関しては最近までそういった動きはあまりなかった。男性声優が人気を拡げてきた理由のひとつとして、インターネットの普及が挙げられると老舗の声優情報雑誌『声優グランプリ』(主婦の友社)副編集長・渡会定之氏は話す。
「声優さんが自分たちの素の部分を出していける場が増えた、というのがあります。例えばインターネットラジオが中心になると思うんですが、音泉さんやランティスさんなど、声優さんが出演するネットのラジオ番組が増えているんです。当社では、『ニコニコ動画』のアニメチャンネルでラジオの収録中の写真に音声など動きをつけて公開して人気となっています。そういうところで初めて声優さんの顔を知って、あのアニメのキャラクターの声をやってる人がネットでこういうことを話していて面白い! とか、そこで作品とはまた違った魅力を感じ、声優さん個人に対しても興味が沸くんです」

 また、主に男性向けのアニメ関連グッズや同人誌などを扱うショップが数多く立ち並ぶ東京・秋葉原が近年の再開発で注目されたことや、世界規模で日本のアニメ・コンテンツが注目されたことにより“オタク”という言葉が一般化。女性向けのアニメグッズを多く扱う東京・池袋の“乙女ロード”がメディアで取り上げられたことなども相まって、今まで表面化していなかったムーヴメントが表に出てきたというのも、最近の男性声優人気を後押ししている。
「声優さん個人に対するファンも、前々からいたんです。ただ、現象として表面に出てきたのはここ数年ですね。その前からネオロマンスシリーズやいわゆるBL系のCDは出ていたので、男性声優に対しての潜在的な人気はあったんです。そこにいわゆる“腐女子”という現象が出てきたため、コンテンツを発信する側もそこにマーケットを見込んで、ルックスや歌唱力など、多方面に展開できるキャスティングをしている部分があるんじゃないかと思います」

相乗効果により、さらなる人気の拡大に期待

 音楽ランキングでもここ数年、人気作のドラマCD、キャラクターソングが上位にランクインするケースが増えてきた。もともと個人としての人気もあったものの、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の福山潤、「ガンダム」シリーズでは神谷浩史、吉野裕行、鈴村健一、宮野真守、『涼宮ハルヒの憂鬱』からは杉田智和、昨年ヒットした『マクロスF(フロンティア)』からは中村悠一といった声優が出演を機にさらなるブレイクを果たしている。
「例えば、現在放送されている『黒執事』の執事・セバスチャン・ミカエリス役の小野大輔さんは本当にぴったりだと思います。オープニングを歌っているのがシドという非常に人気のあるバンドなのですが、シドが好きで番組を見た方が小野さんの演技を聞いてファンになることもあるようです」
『声優グランプリ』最新の09年3月号は小野大輔が表紙を飾っている。同誌で男性声優が単独で初めて表紙に登場したのは07年9月号の福山潤。それ以前は男性声優がひとりで表紙を飾ることはなかった。読者層も以前は男性メインだったのが、女性が増え、比率が逆転しつつあるという。
「ポイントとなった作品を挙げるとすると、昨年の夏に放送された『夏目友人帳』(現在続編が放送中)ですね。そこで主人公の夏目を演じている神谷浩史さんの人気に火がついたんです。ガンダムもあってもともと注目度が非常に高かったんですが、『夏目〜』で一気にはじけた感があります。当たり前ではありますが、しっかりとした演技力があればこそなんです。『夏目〜』でニャンコ先生というキャラクターの声をあてている井上和彦さんはキャリア30年以上の大ベテランなんですが、そういう方たちと一緒に堂々と主役をはっていける実力が神谷さんにはあります」

 男性声優を支持するファン層は女性が圧倒的ではあるが、なかには同性ファンを獲得する男性声優もいる。アニメ『君が望む永遠』をきっかけに結成された声優の谷山紀章、ギタリスト・飯塚昌明によるGRANRODEOは、男性ファンからの人気を伸ばしている注目のユニットだ。アグレッシヴなロックサウンドとパワフルなステージで人気を集め、先日の東京・Zepp Tokyoでの全国ツアーのファイナル公演は、客層は男性、女性の比率が半々だったという。声優・谷山だけではなく、ロックユニット・GRANRODEOとして着実にファンを獲得していることを裏付ける結果となった。

 GRANRODEOのように、今後、男性声優の活躍の場が拡がることにより、アニメから声優個人への興味という部分だけでなく、音楽活動やラジオDJ、舞台などから声優としての活動に興味を持つパターンが増えてくるだろう。様々なメディアへの露出による相乗効果でさらなるマーケットの拡大が期待できそうだ。

小野大輔 鈴村健一 GRANRODEO 宮野真守

(写真左から)

小野大輔
主な出演作は『黒執事』
『みなみけ おかえり』『空を見上げる少女の瞳に映る世界』など。昨年1月発売のシングル「雨音」が最高位17位を記録した。2月25日に『風花』を発売。

鈴村健一
主な出演作は『SOUL EATER』『銀魂』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』など。自身で作詞を手がけた2月4日発売のシングル「新しい音色」は最高位13位を記録した。

GRANRODEO
声優のKISHOW(谷山紀章)と、アニメ音楽を中心に楽曲提供などを行っているe-ZUKA(飯塚昌明)によるユニット。ロックユニットとして、女性のみならず男性からも支持を受ける。

宮野真守
主な出演作は『機動戦士ガンダム00』『SOUL EATER』など。2ndシングル「…君へ」が最高位18位を記録しており、3月11日には1stアルバム『BREAK』をリリースする。

(ORICON BiZ3月2日号より抜粋)

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