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(2010/07/30)

芥川賞・直木賞決定。両作の今後の伸びは!?

 第143回芥川賞・直木賞が発表され、ともに初ノミネート作の受賞となった。

 芥川賞受賞作は、赤染晶子『乙女の密告』(『新潮』6月号掲載・未刊行作品)。京都の大学で『アンネの日記』を教材にドイツ語を学ぶ女学生たち。ある日、教授と女学生の間に黒い噂が流れる――選考委員の小川洋子は「アイデンティティという文学的な問題に着目し、『アンネの日記』という題材を活かしきった」とコメント。さらに、「選考時に計3回行われた投票では、唯一選考委員から半数を超える支持を集めた作品」とも評した。

 赤染は京都在住。京都市内の書店では受賞後、赤染の著書として唯一単行本化されている『うつら・うつら』に予約が殺到し、在庫がなくなったという。

 一方、直木賞受賞作は、中島京子『小さいおうち』だ。女中奉公の記憶――昭和の家庭風景と、奥様の切ない恋の秘密――をノートに綴るタキ。やがて物語は、意外なかたちで現代に繋がってゆく。受賞前から「筆力に感動」「描き方が丹念で、物語に奥行きがある」など読者からの評判は上々。タイトルと表紙のデザインもかわいらしく、女性層に訴求する装丁となっている。

 両賞の受賞は当然、書籍売上にダイレクトに影響する。下表を見てみると(08年4月以降のもの)、芥川賞の場合は受賞後に単行本化に至るケースが多く、読者の購買意欲をあおるため、初回推定売上部数は総じて多めだ。「現役商社マン」として話題となった磯崎憲一郎の『終の住処』(09年上半期受賞)は、初週で約1.2万部を売上げ、20位にランクイン。推定で13.5万部の累積売上を記録した。『小さいおうち』は、集計期間の関係もあり7/26付のBOOK部門で103位だが、次週以降で大きく伸長するのは間違いない。なお、『乙女の密告』は7月26日に新潮社より単行本が発売される予定だ。

08年以降の、芥川賞・直木賞 受賞作品一覧

『小さいおうち』
『小さいおうち』
中島京子・著
1660円(税込)
文藝春秋・刊

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