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(2010/06/30)

『THIS IS IT』の潮流から生まれた新チャレンジ
劇場に新風を起こす音楽ドキュメント施策

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
公開:6月19日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 マイケル・ジャクソンの一周忌を控え、『THIS IS IT』が再上映され、さらに新たな映像作品も命日に合わせて公開される。マイケルが築いた、この「劇場+音楽ドキュメント」という組み合わせは、次々と新たな試みを生み出した。あれから一年。音楽×劇場の今を追った。


■マイケルの潮流が音楽と劇場を近付けた

 累計興行収入52億円に到達し、2009年の洋画シーンの救世主となった『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』が、6月25日の命日を控え、新宿ピカデリーほか全国劇場でアンコール上映されている。“キング・オブ・ポップ”は急逝したことで、存在を若年層にまで広げたかたちとなったわけだが、一周忌からは、元マネージャーのマーク・シャフェルが10年にわたって撮り続けたプライベート映像を集めた『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップの素顔』も公開。『〜THIS IS IT』は“幻に終わったコンサートのリハーサル映像”という希少価値がヒットの要因となっただけに、『〜キング・オブ・ポップの素顔』の興行で、ジャクソンの真の人気が推し量れるといわれている。

 こうしたジャクソンの作品が牽引するかのように、さまざまなジャンルの音楽のカリスマたちをとらえた映像が注目を集めつつある。その筆頭に上がるのが『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』だ。

 ラテン音楽の伝説的演奏者・歌手をとらえた作品としては、これまでにも『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』や『THIS IS BOSSA NOVA ディス・イズ・ボサノヴァ』などが公開されて成功を収めていることもあり、多大な期待が寄せられている。アルゼンチンタンゴのファンは日本ではダンスと音楽の両方が見込める上に、映像に登場するのは1940年代から50年代に活躍し、黄金時代を築いた人たちばかり。さらに撮影後に、日本にもたびたび来日したカルロス・ラサリをはじめ、多くの演奏家が亡くなっていることからも、この映像は貴重である。

 プロデュースをしたのは『バベル』や『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー作曲賞に輝いたグスタボ・サンタオラージャ。作曲家・演奏者であり、レコード会社と出版社を所有するサンタオラージャは、タンゴ音楽の巨匠たちを一堂に介したアルバムを製作し、一夜限りのコンサートを開催した。その模様を映像で記録したのがこの作品。製作したアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」は06年のラテン・グラミー最優秀アルバム賞に輝いている。鑑賞後にアルバムが必ず欲しくなる映像で綴られるあたりがサンタオラージャのしたたかな戦略だ。

『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップの素顔』
『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップの素顔』
公開:6月25日
配給:スターサンズ
(c) Flamingo Features, All copyrights reserved
(c) Frank Micelotta/Getty Images


■クラシック音楽から3D版PVまで広がる可能性

 こうしたメイキング映像の延長線というべきなのが、コンサートそのものを映像化しようという試みだ。その代表が、ティ・ジョイがスタートさせる『シネ響/マエストロ・シックス』。サイモン・ラトル指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、現代を代表する指揮者、管弦楽団による公演の一部始終が完璧なかたちで映像に焼き付けられた6作品が全国のスクリーンを7月より飾る。

 高額なコンサート料金でライヴを敬遠していたクラシック音楽ファンに向けて、当日一般料金3000円でコンサートそのものを体験させるという発想で、6作品回数券の前売りも15000円で用意している。映画館、シネマコンプレックスの整った音響設備のなかで、演奏者の些細な動きも楽しめる。映画のみに留まってはいられないと考える劇場の新たなチャレンジとして、その成り行きが注目される。

 一方で、Dragon Ashが最新シングル『AMBITIOUS』のミュージックビデオを3Dでも制作。6月12日〜6月25日の2週間で、全国のワーナー・マイカル・シネマズ60劇場で『アリス・イン・ワンダーランド』3Dの上映前に放映するという動きも登場した。

 音楽を映像によって楽しむ提案は、映像志向、音楽志向互いを補完するかたちで新たな層の掘り起こしを狙うことも可能となる。これらは音楽業界、映画業界ともに渇望している、新たな層拡大のもっとも的確な戦略だろう。

『シネ響/マエストロ・シックス(6作品シリーズ)』
『シネ響/マエストロ・シックス(6作品シリーズ)』
公開:2010年7月〜(予定)
配給:ティ・ジョイ
サイモン・ラトル
(c) Euro Arts Music International

『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』
『アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち』
公開:6月26日
配給:スターサンズ
(c) 2008 Lita Stantic Producciones S.A. / Parmil S.A. / Video
filmes Producciones Arti´sticas Ltda.

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