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(2009/04/03)

吉本ブランドを積極活用してPR、グループ初の女性演歌歌手が
デビュー

 19歳の女性演歌歌手、水木ケイがよしもとアール・アンド・シーからデビューを果たす。初となる女性演歌歌手の売り出しをすすめる吉本グループは、どのような施策や展開を考えているのだろうか。

水木ケイ

水木ケイ

ターゲットはどちらもシニア層、新喜劇と演歌の持つ“親和性”

 吉本興業のグループ会社であるよしもとアール・アンド・シーが、設立以来初となる女性演歌歌手を手掛ける。4月22日にシングル「海椿」でデビューする水木ケイ。幼少の頃から祖父母の前で美空ひばりや藤山一郎を歌い聞かせてきたという浪花生まれの19歳だ。デビュー曲は、演歌ファンも納得の作詞・喜多條忠、作曲・水森英夫という最強の布陣。ともに水木の歌唱力・表現力に惚れ込み、王道のメロディに一度聞いたら忘れられない「好きよ 好きよ 好きよ」のリフレインという直球の演歌を仕上げた。

ジャケット

「海椿」
水木ケイ
(YRCN-90063)
1200円(税込)
4月22日発売

 吉本×演歌という取り合わせについてよしもとクリエイティブ・エージェンシー 取締役 制作センター長の坂内光夫氏(以下同)は、「今までなかったのが不思議なくらい」と勝算を確信している。

 「吉本には演歌ファンにリーチするメディアが数多くあります。 中でも大きいのが、なんばグランド花月をはじめとする8つの劇場。また演歌は楽器やPAなどなくても、カラオケや生歌で伝えられるのが強みですから、地方営業でも場所を選ばずPR活動ができます。地方の余興は年間数百本ありますから全国ツアーもできるわけです」

 吉本新喜劇でおなじみのなんばグランド花月には、年間80万人以上の観客が訪れ、その多くが演歌リスナーでもあるシニア層であるという。 「人情と笑いを融合させた新喜劇と演歌には親和性がある」と坂内氏は語る。「もうひとつのメリットは、大阪の朝〜昼帯に多い吉本のベテラン芸人が出演する地上波テレビやラジオ番組で露出できること。この視聴層も演歌リスナーと重なります。ベテラン芸人もまた、吉本グループのアーティスト、しかも演歌なら積極的に流してくれます。何といっても、この水木のキャラがとにかく明るくてベテラン芸人に孫のように可愛がられるタイプなんですよ」

 4月からは大阪の人気テレビ番組にレギュラー出演が決定。新人演歌歌手にとってはなかなか難しいテレビ出演も“吉本ブランド”でクリアし、明るい浪花っ子キャラクターを全面に出すことで「初めて営業に行った先でも“ケイちゃんテレビで見たで〜”と親しんでもらえる存在」を目指している。

あえて本格演歌を投入、大阪から全国進出を目指す

 これまで演歌を手掛けていなかったレコード会社が新規参入するメリットはどこにあるのだろうか。この疑問に、坂内氏は「吉本だからこそ可能性がある」と明言した。

 「オリコンランキングを見る限り、演歌のパッケージのシェアは全体の1%にも満たない。しかし演歌には、ランキングに反映されないビジネスが確立されているのではと考えたんです。ひとつは実演ですね。吉本の場合、プロダクションとメーカーが共存してますから、実演が成り立てば充分ビジネスになるんです」

 さらに演歌のパッケージが、実演の場やカラオケ教室といったランキングには反映されないところで数多く消費されているという事実も見逃せない。こうした演歌の“セオリー”は踏襲しつつ、吉本ならではのアドバンテージもフルに活用してアピールしていく。

 「演歌リスナーというのは非常に耳が肥えているんです。だからこそ、最初から“吉本がやるんだから、色モノなんでしょ”と言われないだけの本格演歌で勝負を賭けた。水木本人にもそれだけの実力がありますし、吉本が得意とする芸人を絡めたりといった変化球は、この後いつでも投げられますからね」

 デビューから当面は演歌のシェアの高い大阪を徹底的に攻め、その次に全国を目指すというのも吉本流。「お笑いはもちろん、演歌でも不景気を吹き飛ばします!」との意気込みも充分、業界を活性化させてくれることに期待したい。

取材・文/児玉澄子

(ORICON BiZ3月30日号より抜粋)

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