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(2009/03/30)

“オトナ”世代をパッケージ回帰へ、40歳以上の市場開拓施策スタート

 SHM-CDを日本ビクターと共同開発、『2Buy 1Get』キャンペーン実施など、パッケージ需要を喚起する施策を展開してきたUM社が3月から開始した『オトナ音楽〜Age Free Music〜』キャンペーン。

 日本レコード協会によると、08年度のCDパッケージの売上金額は3000億円を割り込み、2912億円(前年比89%)。一方、音楽DVDの売上は前年比114%と伸びてはいるものの、音楽パッケージの合計は3618億円(前年比92%)と、全盛期の売上に比べると半減となった。

 パッケージ市場が危機的状況のなか、秋川雅史「千の風になって」、すぎもとまさと「吾亦紅」、秋元順子「愛のままで…」など、J-POPや演歌・歌謡曲にも属さない楽曲のロングセールスが目立つのも事実。これらに共通するのは、支持層が40歳以上であるということだ。そして今、この世代をターゲットに、新たな波が起きようとしている。

 ここ数年、『VOCALIST』シリーズが大ヒットしたを始め、中森明菜、稲垣潤一、洋楽ではカーペンターズやABBA、そしてコンピレーションの売上も好調なUM社は、その販売実績をもとに40歳〜64歳をターゲットとした『オトナの音楽〜Age Free Music〜』キャンペーンを打ち出した。同キャンペーンを推進するUM社 常務兼執行役員の喜本孝氏は、「一般には浸透しにくい“エルダー層”や“アダルト層”といった括りではなく、40歳から団塊の世代までを“オトナ世代”と呼び、そこへ投じる音楽を“Age Free Music”として大きく展開していきます」と意気込む。

オトナ世代のパッケージ購入を喚起するキャンペーンを展開

 今の40歳〜64歳の音楽的趣向は、欧米音楽に影響を受け、LP/CDといったパッケージを購入してきた原体験を持つ。今回、その“オトナ世代”にフォーカスした背景を『Age Free Music』の名付け親である富澤一誠氏は次のように語る。

 「現在のCDの売上低迷は、少子高齢化がひとつの原因と考え、それを僕は“漁場が変わった”と捉えています。昔は“若者たち=魚がたくさんいるところ”に、“各レコード会社=釣り人”が集まっていた。昔からレコード会社がターゲットとしていたのは10代〜20代でした。今、そこに釣り糸を垂らしても食いつかないのは、当時の若者たちが30代、40代と年齢を重ねて場所を移したから。つまり“新しい漁場=オトナ世代に移った”ということです。これは、40歳〜64歳までの日本人の人口が約4276万人いる、という数字が証明しています」

 このオトナ世代のパッケージ購入意欲を喚起すべく、UM社は3月より『Age Free Music』対象商品購入者に抽選で豪華賞品が当たるキャンペーンを実施中だ。

 「男性リスナーは同世代のアーティストの活躍に共感を覚え、女性リスナーは同性アーティストの生き方に憧れを抱く傾向にあります。そのため、40歳以上のリスナーと同世代のアーティストを基本に、順次展開していく予定です」(喜本氏)

 そして、「オトナ世代が入りやすいCDショップ作り」も、このキャンペーンの一環としている。現在の50〜60代が10〜20代のころは、試聴機やフリーペーパーなどがまだなかった時代。店員が音楽に精通し、アーティストの情報や、音楽のバックグラウンドまで、あらゆる知識を丁寧に提供していた。そんな店舗自体の原点回帰を目指した従業員育成にも着目している。今後、UM社はCDショップとも綿密な情報交換をしながら、『オトナの音楽〜Age Free Music〜』の普及を目指す。

大人の音楽

名付け親・富澤一誠氏に聞く“Age Free Music”とは?

 「“成熟した大人の歌”という新たなジャンルを掲げるにあたり、エルダー、アダルト、シニアという言葉では抵抗を感じる人も多いんです。以前、本誌の僕のコラムで“Age Free Music”と“Mature Music(マチュア・ミュージック)”という2つの言葉を打ち出したときに“Age Free Music”の方が好評で(笑)。“年齢もジャンルも関係ない。いいものはいい!”という気持ちを込めて、この“Age Free Music”を旗揚げしました」

(取材・文/井桁 学)

(ORICON BiZ3月23日号より抜粋)

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