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(2014/05/19)

ドラマ『BORDER』好調 「セリフ少なく情報多く」の仕掛け


テレビ朝日『BORDER』は毎週木曜21:00スタート。死者が見える刑事を演じる小栗旬は、少ないセリフの難しい役どころを見事に演じている

 金城一紀が原案・脚本を務めた『BORDER』。死者が見える刑事が、様々な事件を解決する新感覚のドラマだ。金城氏は「今までにないドラマづくりを目指した」と語っており、演出やロケ地、登場人物の設定まで細部に工夫が施されている。新しいドラマ制作にベテランと中堅が一丸となっており、プロデューサーの山田兼司氏も手ごたえを感じているという。


■金城一紀が挑戦する今までにない世界観の物語

 頭部に銃撃を受けたことをきっかけに、死者と会話する能力を持った刑事が、難事件を解決に導く異色のドラマ『BORDER』。原案と脚本を手がけた金城一紀氏は、直木賞を受賞した小説家であり、原案・脚本を担当したドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』は映画化もされ大ヒットを記録した。

 1話完結の物語で、各話ごとにアクション、コメディー、サスペンスなど、バリエーション豊かなストーリーが構築されており、至る所に伏線が張り巡らされている。「自分が書くのだから、普通の刑事ものにするつもりはなかった。今までのドラマにはない世界観の作品を作りたい」と語る金城氏は、持ち込みの段階で、本作のための詳細なプロットを十数話分も書き上げており、スタッフを驚かせたという。

「金城さんから頂いたシナリオは、細部まで完璧に仕上がっていました。登場人物の身体的特徴や経歴、事件現場の特徴などもしっかり書かれていたので、映像が頭に浮かぶのです。ロケが多く、映像化が難しい部分もありましたが、それも含めての“金城作品”。ですからスタッフは、ベテランと中堅をバランスよく配置しつつ、ルーティンではなく今までにないかたちでドラマ制作を楽しめるタイプを集めました」(テレビ朝日 編成制作局 制作2部/山田兼司氏)

 クランクイン前から全員で世界観を共有し、目指すべき方向に向かって一丸となって取り組めているという。「あらゆるパターンが出尽くした感のある刑事ドラマの世界で、新たな切り口の作品を、自信を持ってお見せしています」と、山田氏は手ごたえを語る。


■セリフを少なく情報量は多く、何度も観たくなる仕掛け

 主演を務める小栗旬は、「この作品を自分の新たな代表作にすべく、走り続けたい」と意欲的だ。実は本作は、金城氏が小栗のために書き下ろし、テレビ朝日に企画を持ち込んだという。その背景について、金城氏は次のように語る。

「僕はテレビ業界の人間ではないので、ドラマを書くとしたら何かモチベーションがなければ意味がないと思っています。物語を作ってから俳優を当てはめていくというよりも、誰かのためになる作品を作りたいと考えるのです。ですから今回は、小栗さんを引き立たせるための物語ということで、一本筋の刑事ドラマの要素のほかに、死者が見えるという能力者の視点を加えることにしたのです」(金城氏)

 本作には、強烈な個性を発揮する登場人物や、映像の隅々に施されたディテールなど、大筋の物語のほかにも視聴者を楽しませる要素が随所に盛り込まれているところも見どころだ。脇を固めるのは、上司役が遠藤憲一、正体不明の情報屋役が古田新太、裏社会の便利屋役が滝藤賢一、ハッカーのコンビ「サイモン&ガーファンクル」役が野間口徹と浜野謙太と、個性的な面々が揃っている。21時台の枠としては比較的キャスト数が少ない印象だが、「物語で勝負をかけて、視聴者を引き込みたい」(山田氏)という。

「ながら観なんか絶対にさせたくないし、一瞬たりとも目の離せない作品にしたいんです。小栗さんは深みを感じさせる演技ができる俳優ですから、寡黙な役柄にしてセリフを少なめにしました。そうして説明セリフをなくすことで、視聴者に没頭してもらいたい」(金城氏)

 一度観ただけでは伝わりづらい細部の仕掛けは、公式サイトでも情報提供を行っている。各話ごとのディティールやセリフまわしの意味を金城氏にインタビューするコーナーや、ハッカーコンビによる特別コーナーのページを設けるなどして、関心を持った視聴者を取り込んで、ファンを増やす狙いだ。このほかにも、コミックや文庫を展開する「BORDERプロジェクト」も話題を集めており、ドラマを中心としたさまざまなメディアミックスも含めて、今後の盛り上がりが期待できそうだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 14年5月19日号掲載)


『BORDER』キャストの満足度は、放送を重ねるたびに上昇している(ORIGINAL CONFIDENCE 14年5月26日号掲載)

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