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4月度書籍市場は前年比9.1%減 レシピ本や子ども社会学習本が人気

(2020/05/12)




 4月度の書籍市場の総売上額は668.7億円となり、前年同期と比較すると9.1%の減少となった。今年に入って1月から3月までは連続で前年事績を上回ってきたが、ここへきて、大きく落ち込みを見せた。

 区分別に見ると、「コミック」は193.9億円(同2.8%増)と前年を上回った。『鬼滅の刃』全巻が好調に動いたことや、『ONE PIECE』『進撃の巨人』といった人気シリーズの新刊が市場をけん引した。
その一方で、「BOOK」「文庫」は低調だった。「BOOK」は417.5億円(同12.2%減)と2桁台の落ち込みを見せた。任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」の攻略本や、2020年本屋大賞受賞作の『流浪の月』(凪良 ゆう・著/東京創元社)が好調だったが、前年4月の上位TOP100と比較すると、ヒット作の減少が響いているようだ。


 
「文庫」は57.3億円(同20.0%減)とさらに下げ幅を広げた。前年は直木賞と本屋大賞をダブル受賞した小説『蜜蜂と遠雷』(恩田陸・著/幻冬舎)が好セールスを記録したが、今年は同規模のヒットが生まれなかったことや、1作あたりの売上数の減少が大幅ダウンの要因となっている。

【BOOK】長引く自粛でレシピ本、子ども学習本、新入研修関連本が人気

 3月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う公立小中高の臨時休校措置が取られたことで、家庭での自主学習が余儀なくされ、小学生向けの学習ドリルの売上が急増した。売上数は若干減少したものの、4月もその傾向は続いている。前年同月では月間売上TOP100内にドリルは1冊も入っていなかったのに対し、『すみっコぐらし学習ドリル 小学1年のたしざん ひきざん』(主婦と生活社)を筆頭に11冊がランクインしている。

 また、4月は新入学・入社の季節ということもあり、ドリル以外では、子どもの社会学習本も好調だ。ベストセラーの『こども六法』(弘文堂)をはじめ、『小学生なら知っておきたい教養366』(小学館)、『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(学研プラス)、『お金の使い方と計算がわかる おかねのれんしゅうちょう』(学研プラス)などがよく動いている。



 新入社員向けということでは、仕事への向き合い方を説いたベストセラー『入社1年目の教科書』(ダイヤモンド社)もランクイン。2011年に刊行された同書は、例年この時期になると売上が上昇しているが、今年は、コロナ禍で入社式や集合研修が中止され、在宅新入研修を行う企業も多いため、例年以上に需要が高まっているようだ。



※月間TOP100の売上数で比較

 3月は在宅推奨の流れで、外食の機会が減り、家庭で食事をとる頻度が増加したことで、レシピ本の需要も急上昇した。4月もその傾向は続いており、3月は月間TOP100内にレシピ本が5作ランクインしたが、4月は7作に増加。人気シリーズ「syunkonカフェごはん」 や、メディア露出で売上急上昇の『世界一美味しい手抜きごはん 最速!やる気のいらない100レシピ』など、簡単、手軽で短時間に作れるレシピが、長引く自粛で献立に悩む生活者に好評だ。

【文庫】世界的なベストセラーとなっている『ペスト』、『感染症の世界史』に注目集まる



 文庫は、疫病や感染症を題材にした旧作が引き続き注目を集めている。4月度の月間1位は、フランス人作家アルベール・カミュの小説『ペスト』(新潮社)。3月度では月間10位だったが、その後も右肩上がりに売れ続けている。1947年に発表された同著は、日本のみならずイタリア、フランス、英国などでも読まれており、今再び、世界的なベストセラーとなっている。このほか、3月度月間44位だった『首都感染』(高嶋哲夫・著/講談社)は、4月度は9位に。人類が感染症と戦ってきた歴史を振り返った『感染症の世界史』(石弘之・著/KADOKAWA)が30位にランクインしている。


【コミック】「鬼滅の刃」関連20作が上位を独占

 コミックは、吾峠呼世晴『鬼滅の刃』が依然として高い人気を誇っている。月間では、新刊19巻の3位を筆頭に21位までを同シリーズが独占。公式ファンブックも含めると、シリーズ関連20作がTOP100内にランクイン。また、「BOOK」でも同コミックのノベライズ『鬼滅の刃 片羽の蝶』、『〜 しあわせの花』が好調で、月間TOP10内にランクインしており、依然として高い人気を継続中だ。

▼▼3月度の書籍市場は前年比で微増 コロナ拡大で脚光を浴びた作品もく▲▲

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