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音楽ファンは課金したい! 自粛で見えてきたエンタメファンのニーズ

(2020/04/08)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、生活者の行動に自粛が求められる状況が続いている。オリコンが運営するアンケート会員組織オリコン・モニターリサーチでは、生活者の「新型コロナウイルス」に関するエンターテインメント・レジャー行動と自粛意識・ストレス意識に関して、週1回のペースでモニター会員に調査を実施している。1回目調査(調査対象期間:2月26日〜3月3日)では、上記に加えて「もっとこんなサービス/情報がほしい」「代わりにこんなイベント・取り組みをやってほしい」など、生活者の意見や要望についても聞いた。

中止にするなら有料「ライブ配信」に−主催者を支援したいファンの本音

 1回目調査の回答者1491名のうち半数からの回答を得た。「要望あり」の回答者の約8割は「エンターテインメント」に関する意見や要望で、残りは新型コロナウイルスの感染拡大に関する政府機関やメディアの「情報発信」に対するものであった。ここでは、「エンターテインメント」に関する意見や要望から、生活者のニーズを探っていく。

 エンターテインメントに関する回答のうち、インターネット・SNS関連のコンテンツの充実に関する要望が半数を占めた。そのなかで突出して多かったのは「ライブ配信サービスの充実」(34.7%)を求めるものだった。すでに多くのライブ配信が実施されているが、1回目調査の対象時期は2月26日〜3月3日だったこともあり、急きょさまざまなライブやイベント、スポーツの試合が取りやめになった時期であった。そのため、無観客のイベント・コンサート・試合をインターネットでライブ配信してほしいという声が大きかったのも頷ける。回答者の声を一部紹介する。



「ライブの中止ではなく延期、またはライブ配信に切り換えてほしい」(20代女性/岐阜県)、「森山未來さんとNUMBER GIRLのコラボのように、こういうとき(無観客)だからこそできる表現をしてほしい」(30代女性/福岡県)、「音楽ライブのPPVを是非やってほしい。打首獄門同好会がライブの無料配信をしていたが、こんな時こそ日本にサービスを広めるいい機会」(40代男性/山梨県)、「ライブが中止なら無観客ライブを有料で構わないから配信して欲しい」(50代女性/東京都)、「コンサートやイベントの生配信」(60代男性/長野県)

 ファンはライブ・イベント・公演の延期・中止が、主催者側の大きな負担となることを理解している。そのため、参加予定のコンサートやイベント、公演等は延期にしてもらいたいところだが、それが叶わないのであれば、中止ではなく、せめて無観客の公演でもいいから観たいというのが本音だろう。「ライブ配信などしてもらうと楽しいが、アーティスト側にも生活があるので、収入につながらないと申し訳ない」(50代男性/神奈川県)という声に代表されるように、無料ではなく有料でのライブ配信の開催は、ファンにとって気持ちよく課金できる最適のサービスの1つなのかもしれない。

 また、ライブは開催されなかったとしても、記念にグッズは購入したいという声も散見された。「劇場には行けなくても、せめてオンラインでグッズ販売をしてほしい」(30代女性/千葉県)というように、課金したいコンテンツは、ライブ配信ばかりではないことがわかる。



新たなオンラインコンテンツやユニークなサービスに期待

 次に回答が多かったのが「ライブ・イベント開催有無の早期判断」(5.6%)。「難しい判断を迫られているのはわかるが、イベントの中止はなるべく早い決定をお願いしたい」(20代女性/神奈川県)、「開催予定○日前までに開催の有無を発表するという一定のルールを共通で作って欲しい。交通機関からホテルまで予約しているだけに不安」(40代女性/兵庫県)、「公演中止・延期などの情報がまとめられているサイトがあると助かる」(40代男性/東京都)のように、開催有無の早期判断と同時に、情報の一元化を欲する声も目立った。

このほか、「トーク配信などオンラインコンテンツの増加」(5.0%)を求める声も多かった。「嵐が急きょ配信してくれたトークライブがとても楽しく、新型コロナ関連で仕事に対してあったストレスもかなり軽減された」(50代女性/埼玉県)、「SNSを使ったアーティストとファンの交流」(40代女性/兵庫県)、「LINEライブやインスタライブをやって欲しい」(40代女性/福島県)など、ライブに限らず、好きなアーティストや芸能人の声が聞きたいという要望は高い。

 このほか、「ジムで行うエクササイズの配信をして欲しい」(30代女性/北海道)、「ネット上で参加できるイベントがあれば感染の心配もなく助かる」(30代女性/兵庫県)など、コンサートや公演、試合のライブ配信に限らず、自分も参加して楽しめるコンテンツなど、新たなオンラインコンテンツやユニークなサービスにも期待が寄せられているようだ。

ファンの自発的な呼びかけで「安心」「手軽」に支援できるクラウドファンディングの二―ズ

 そのほか、TV番組に関する要望としては、「過去のドラマやバラエティ番組などの再放送」(3.2%)ほか、「音楽関連番組の放送」、「映画の放送」などが挙がっている。「音楽関連番組の放送」の視聴ニーズに対しては、3月17日に『緊急生放送!!FNS音楽特別番組・春は必ず来る』、30日からはTBSで新たに音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』がスタートしているだけに、今後の視聴動向を注視したい。

 また、前出の「ライブ配信」の有料化にもつながるが、何らかの形で「主催者・出演者等への支援」(4.0%)を行いたいという声も目立った。
「ライブが中止になったアーティストを別の形で応援できるような取り組み」(20代女性/愛知県)、「イベント会社の支援をしてほしい」(30代男性/福岡県)、「エンタメ用のコロナ感染対策募金とかあったら募金したい」(40代女性/長崎県)、「買ったチケット払い戻さないでアーティストを支える運動」(50代男性/千葉県)、「中止分のチケット代の払い戻しの代わりに、出演者の生活を守るための寄付を行えるシステムがあれば活用したい」(50代女性/千葉県)、

 インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行える仕組みとして、クラウドファンディングが挙げられるが、ファンの自発的な呼びかけによって「安心」かつ「手軽」に支援できるような、よりエンターテインメントにカスタマイズされたサービスの構築が必要なのではないだろうか。

<調査概要>
調査対象:オリコン・モニターリサーチ会員
サンプル数:配信は男女均等:回収は出現に準ずる
調査期間:直前週について聴取する
1回目:2020年3月4日〜3月6日(調査対象2月26日〜3月3日)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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