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(2012/01/14)

「音源の使用許可」で爆発的に拡がった「江南スタイル」


「江南スタイル」が世界中でヒットしたPSY

 12年にインターネットを通じて世界的な規模で火がついたアーティストといえば、韓国のPSYだろう。本国では既に名の知れたアーティストだったが、ユーモラスなダンスを見せる「江南スタイル」のミュージックビデオ(MV)が、YouTubeでの7月の公開からわずか2ヶ月で1億再生を突破。12年内に10億再生を超え、米ビルボードHOT100でも最高2位にランクインした。このメガヒットについて、グーグルのYouTubeミュージック・パートナーシップ日本・韓国代表である平井ジョン氏は語る。

「PSYが所属するYG ENTERTAINMENTが、当社のコンテンツ管理プログラム及びコンテンツIDを利用してMVを公開し、まずアジアで火がつきました。それを受けて次にメイキングビデオを公開し、ビデオに登場する女性のボーカルバージョンも公開、とやっていくうちに、パロディビデオが世界各地で作られ、アップされるようになりました。それがまたTwitterやFacebookなどでも話題になり、瞬く間に全世界に広がったという流れでしたね」

 YouTubeのコンテンツ管理プログラムでは、パートナー企業(権利者)が自社の動画を予めシステムにアップすると、動画のIDファイル(フィンガープリント)が生成され、該当するコンテンツがYouTubeにアップロードされていないかを自動的に検知する。権利者以外からのアップが検知された場合、パートナー企業は、(1)削除する「ブロック」、(2)そのまま公開して利用状況を調査する「トラッキング」、(3)公開し、かつ広告を表示させることで収益につなげる「マネタイズ」の3つの選択肢の中から対応を選ぶことができるが、この3つの選択肢それぞれも、(1)動画そのものの公開を許可する「ビデオID」、(2)動画は許可しないが、音源の使用は許可する「ミュージックID」、(3)音源使用も許可しないが、詩とメロディーの使用は許可する「メロディーID」の3段階が設定可能だ。

 PSYのケースでは、音源の使用を許可し、マネタイズするかたちをとったことで、ユーザーが自由にパロディビデオを制作。これが全世界にそれぞれの名を知らしめる結果につながったわけだが、こういった手法による成功例は、カナダ出身のシンガー・ソングライターのカーリー・レイ・ジェプセンにも見られ、今後、世界中で増えそうだ。


■動画サイトでの新曲公開、クラウドファンディングも

 YouTubeとソーシャルメディアとを有機的に連動させる手法では、この他、ブラーが行った企画も話題となった。12年7月2日(現地時間)にロンドン市内の建物屋上から、ロンドン五輪閉会式のために書き下ろした新曲「アンダー・ザ・ウェストウェイ」及び「ザ・ピューリタン」を生演奏し、YouTubeを通じて初公開したというもので、1曲目と2曲目の間に、メンバー4人が公式Twitterを通じ、ファンからの質問に直接答える時間も設けられていた。同2曲はこの生演奏直後に配信での販売が開始され、8月にリリースされた結成21周年記念ボックス『BLUR 21 BOX』にも収録されている。

 また、日本国内では昨年12月に2ndアルバム『アンオーソドックス・ジュークボックス』をリリースしたブルーノ・マーズは、新曲をグーグルの動画チャットシステム“Google+ Hangout”を通じて動画配信する試みを行い、話題となった。

 一方、ソーシャルメディアということでは、欧米の場合、音楽の世界でも、いわゆるクラウドファンディングが浸透しつつあり、アーティスト自身がネットを通じてファンから出資を募るケースが増えている。Pledge Music、Kickstarterなどに代表されるファンディングプラットフォームから、日本国内ではソニーミュージックからリリースされたベン・フォールズ・ファイヴの再結成アルバム『サウンド・オブ・ザ・ライフ・オブ・マインド』なども生まれている。

「韓国在住のカナダ人2人がYouTubeで最新のK-POPを定期的に紹介する番組『Eat Your Kimchi』が大人気です。言わば、素人が勝手に始めたものなのですが、内容が濃く、人気を集め始めたことで、紹介される方のK-POPの権利者側はコンテンツの使用を許可しています。やりかた次第で、アーティストやコンテンツホルダー側とユーザーとの距離はもっと近くなると思いますよ」(グーグル・平井氏)

 世界各地でネットを活用した新たなプロモーションの試みが続々と生まれており、その手法も様々だ。13年はどのような成功例が提示されるのだろうか。


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