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(2012/01/14)

NHK教育番組『デザインあ』  “全てのモノ”は人への想いで成り立っていることを教えたい


『デザインあ』NHK E テレ 土曜日 7:00 〜 7:15(15 分)
※5分版 土曜日 午後6:20 〜 6:25 午後11:40 〜 11:45



【主なコーナー】(写真は「解散!」より)
●デザインの観察
1つのアイテムをじっくり観察するコーナー。どんな形や素材か? どんな技術が込められているか? 秘められた創意工夫を読み取ります

●解散!
身の周りにあるモノが、どんなパーツや構造でできているのか、実際に細かく分解してみるコマ撮りアニメです。

●デザインの人
日本を代表するデザイナーが代表作品を紹介しながら、子供達に「デザイン力」を身につけるヒントを伝えます。

11年4月よりNHK Eテレで土曜日の朝7時に放送している子供向け番組『デザインあ』が12年度のグッドデザイン大賞を受賞した。コーネリアスなど、著名なクリエイターも制作者として関わる番組で、大人からも注目されている。しかし、制作陣の視線はあくまで子供に向いている。番組の狙いや意図をスタッフに聞く。

NHK の教育番組『デザインあ』は、“当たり前”として存在する身の周りのモノを徹底的に観察する“デザイン的な視点”を通して、子供達にモノやコトの成り立ち、社会の仕組みを教えながら、考える力を育もうとしている。佐藤卓(総合指導)、中村勇吾(映像監修)、コーネリアス(音楽)が手がける映像と音による斬新かつ洗練された表現手法は、国内外から高く評価され、2012 年には、グッドデザイン大賞をはじめ、ワールドメディアフェスティバル(ドイツ・ハンブルク)などを受賞した。

■デザインを知ることが児童教育につながる

『デザインあ』のメインターゲットは幼稚園から小学校低学年だが、“デザインと子供”という新しい視点はどこから生まれたのか。

「デザインは単なる色や形だけの話ではなく、モノの見方や考え方という概念なんだという考え方が、まず番組のベースにあります」(NHK エデュケーショナルこども幼児部専任部長・大谷聡氏)

「デザインとは誰かの幸せのために何かをすること。コップの形ひとつをとっても、“こうだったらいいな”という先人の優しさや工夫が込められています。だから子供達のよく知っているモノを観察することで、全てのモノは、人への想いで成り立っていることを教えたい」(NHK エデュケーショナルこども幼児部主任プロデューサー・佐藤正和氏)

全てのデザインは人と人・モノとの関係をよりよくするための形作りとして存在している。故にデザインを知ることが児童教育に繋がるのだ。

■子供達がたくましく生きていける術を身につけさせたい

『デザインあ』では、ひとつのモノを、最小の構成単位まで分解して見せるコーナー「解散!」に象徴されるように、見たことのない濃密な映像表現が多々あるが、そこに心地よくシンクロする音の力も効いている。佐藤氏は「番組全編で音が交響曲のように流れているので、子供達が感覚的に音楽のように繰り返し見ることができる」と映像と音による“映像マッサージ”の効果を述べた。

では、繰り返しモノを見ることで、子供達に期待する作用は何だろう。大谷氏は言う。「見て、感じて、考えることで興味や発想が広がり、モノの見方が豊かになっていきます。思考パターンが固まる前の子供達に、その面白さに気付いてほしい」

佐藤氏が教育コンテンツのあるべき姿と子供達への想いを続ける。

「番組を見た子供達が、自ら考えてアクションを起こすとか、何らかの変化をもたらす状況にしむけられない限り、教育としては未達成です。『デザインあ』の目的は、大人が明確なビジョンを出せない先行き不透明な将来でも、子供達がたくましく生きていける術を身につけさせてあげること。だから術のひとつとして見る目、感じる心を育めればと。デザインマインドを持つことで、優しい世の中になるんじゃないでしょうか」

“優しさ”に還元されるデザイン的感性を養うことで、子供達が歩む人生の見晴らしはよくなっていく。そんなデザインの力を『デザインあ』は、大人にも再認識させてくれる。今後はライフデザイン、コミュニティデザインなど、目に見えない領域も子供達に伝えていきたいという。

なお、『デザインあ』は海外展開も視野に入れている。説き伏せられない年齢層に向けたが故の“言葉を省いた”構成や、無国籍風アニメーションによる独創的なデザインコミュニケーション力は、言葉の壁を越え、きっと広く伝わることだろう。

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