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(2012/11/26)

【トレンド検証】新世代に訴求するロックレジェンド PRのカギは“現役感”


10月16日にPR来日したレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ


期待度(発売前)における 各アルバム発売3週前の興味関心度

 11月7日のエアロスミスの新譜発売を皮切りに、ザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンと、ロックシーンの御大のリリースが相次ぐ。この時期に集中した3作品はすべて好セールスが期待できるラインアップとなっている。そのPRのカギは、レジェンド然としたアプローチではない、“現役ロッカー”としてのこだわりにあるようだ。


■大人だけのものではなかった“往年のロック”

 本誌期待度調査におけるそれぞれの発売3週前のデータによると、エアロスミス、ザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンそれぞれの新譜についての10代、20代の「興味・関心度」が他の世代に比べて高かったのが印象的だ。また、CX系ドラマ『PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜』の主題歌にストーンズの「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」が起用されたことも見逃せない。来日公演が簡単には実現しないストーンズやツェッペリンだが、ストーンズは初の公式ドキュメンタリー映画『クロスファイアー・ハリケーン』、ツェッペリンはリリースされる『祭典の日(奇跡のライヴ)』を期間限定で映画館上映するなど、存在感をアピール。今シーズンは、予想以上に若い世代の新規ファン獲得が見込める状況となっている。

 11月7日に発売されたエアロスミスの『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』が初動3.4万枚を売り上げ、11/12付アルバムランキングで6位に初登場。デビュー当時を彷彿とさせる若々しいアップテンポ曲から、映画アルマゲドンでヒットした「ミス・ア・シング」のようなロック・バラードまで、彼らの全キャリアを統括したような作品となっている。ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルの中西優一氏は「どの時代にもヒット曲が必ずあって、来日するたびに新たな世代のファンが増えていく」と、エアロスミスの人気について説明する。“今なお現役”という点をアピールすることが何よりも重要だという。『週刊朝日』表紙・巻頭では、同誌史上初となる海外アーティスト撮り下ろしで、エアロスミスが飾った。このような展開によって旧来のファン以外にまで魅力=“現役ぶり”を伝えることに成功した。

 結成50周年を世界的に展開するザ・ローリング・ストーンズは、14日に『GRRR! 〜グレイテスト・ヒッツ1962-2012』をリリース(初動1.4万枚11/26付初登場12位)。6形態すべてに2曲の新曲が収録され、今回のベスト盤リリースの肝が“新曲”であることをアピール。この場合も“現役感”をセールスポイントの一つとしている。ユニバーサルインターナショナル編成制作本部チーフ・マーケティング・マネージャー塩川直樹氏は「結成50周年というキャリアにもかかわらず新曲をリリースするという現役ぶりがストーンズの魅力。ロックの教科書ともいうべきベスト盤の側面を若い世代にPRしつつ、現役感をアピールすることで広範囲なセールスにつなげたい」と話す。

 そして21日には、07年にロンドンで行われたレッド・ツェッペリン再結成ライブをパッケージ化した(CD+DVD)『祭典の日(奇跡のライヴ)』が発売された。日本のパッケージ市場での根強い人気を重視し、ジミー・ペイジは10月16日にPR来日もした。

 これまでに見られたような、よくある再結成ライブとは一線を画す迫力があった、とはワーナーミュージック・ジャパンストラテジック本部次長小澤直人氏。「一日限りの再結成ライブで、選曲からリハに至るまで本人たちの気合の入れようが違い、ステージの様子は70年代当時の迫力に満ち溢れています」。奇しくもここでも“現役”という言葉が使われた。

 大物アーティストが周年記念でリリースする際、かつては“レジェンド然”とした展開になりがちだったが、今回は違う。語り継がれる伝説ではないまさにNOT LEGEND。“現役”として、音楽市場に存在感を示そうとしていることが伝わってくる。

 10月からフジテレビが深夜枠で『3ヶ月連続ロック企画』として、月イチで“ロック”に特化した番組を放送。10月にはストーンズの『ギミー・シェルター』などのロックムービーを、11月には、ロックを語りつくす番組(新旧邦洋のアーティストが出演)を放送。THE BAWDIESやRIZEらのメンバーが往年のロックを語る場面などは、若い視聴者にも色褪せない“ロックの魅力”を伝え、“ 今なお現役”の認識を改めて伝えている。


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