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(2011/04/22)

「作品力」と「販促力」で異例のアート系写真集ヒット『未来ちゃん』

 4/11付の写真集ランキングではAKB48をはじめ人気芸能人の作品が並ぶなか、6位に「未来」という聞き慣れない名前が……。

 写真家・川島小鳥の作品集『未来ちゃん』が、話題になっている。本作は、ひとりの女の子の春夏秋冬を追ったもの。口の周りを汚しながら食べ物をほおばり、鼻水を垂らしながら大泣きし、穴の向こうからおどけた表情を見せ――むき出しの生命感が、見る者を釘付けにする。ちなみに、“未来”とはモデルの女の子の名前ではない。もともとは、昨年春に行われた写真家・松岡一哲との二人展に向けて撮りためた写真だという。開催時に1冊にまとめて自費出版したところ、500部が即完売。その後も継続して撮影された中から1枚が昨年12月に『BRUTUS』の表紙を飾ったことも大きな話題となり、川島は第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞した。自費出版作にさらに1年をかけて撮影した写真を加え、3月末に発売されたのが本作だ。

 版元のナナクロ社・坂下実千子氏は経緯について、「本作は半年以上前から書店にアナウンスをしていました。これまでの話題性もあり、『待っていた』と言ってくださる書店も多かったですね」と語る。

 ブックデザインを手がけたのは、独特のセンスで知られる祖父江慎。「写真をそのまま重ねたようなつくりにし、1枚1枚を大きく見せたい」という意図から、表紙も本紙もすべて同じ紙にし、ゴデックス装という特殊な造本に。紙の端が折れ曲がらないように角を丸くしたり、ページが大きく開きながらも破れないための特別な製本を施すなどの工夫も多く、“アート系写真集”としての存在感も抜群。「表参道のセレクトショップや、大阪のインテリアショップなどにも置いてもらっています」(同氏)というのもうなずける。

 読者は男女半々だが、『BRUTUS』に反応した20代女性が中心。「かわいいだけの写真ではないのに、笑顔になるし元気をもらえる」「生きるまま、ありのままの姿に胸が熱くなる」など、“愛おしくもパワーをもらえる作品”として、読者の心をとらえている。

『未来ちゃん』売上推移

『未来ちゃん』
『未来ちゃん』
川島小鳥・著 
2100円(税込)
ナナロク社・刊

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