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(2011/02/21)

aikoが長年トップで活躍する理由は「“かわいい”イメージの継続」

 aikoが、自身初のベストアルバム『まとめT』『まとめU』を2月23日にリリースする。長きにわたり女性アーティストのトップランクに君臨し続ける彼女のファンは、彼女に何を求めているのか。ユーザーが彼女へ抱くイメージから、どのようなファンに支えられているのかを探った。


■第一線で活躍を続けるaikoを支えるファン層

 ヒット曲満載のaikoのベストアルバム『まとめT』『まとめU』が、2月23日に同時発売される。キャリアの中で初のベストである本作は、12年半の歩みが凝縮された充実した内容に仕上がっている。

 98年7月に1stシングル「あした」でデビュー。ブレイクタイミングは初めてTOP10にランクインした3rdシングル「花火」(99年8月発売)だ。同曲を含むアルバム『桜の木の下』(00年3月発売)は、現在までに140万枚以上を売り上げる大ヒット作品となった。驚くべきは、『桜の木の下』以降、現在までシングル・アルバムすべての作品がTOP10内にランクインしていることだ。長期間第一線で活躍を続けるaikoが高い支持を集め続ける理由を考えていきたい。

 図1は、オリコン・コミュニケーションズ(以下、OC)の「好きなアーティスト調査」(10年5月)において、「aikoが最も好き」と回答した人の年齢分布だ。それによると、日本の人口全体の比率に比べ、10代〜20代女性と30代男性の割合が高いことがわかる。つまり、この2つがaikoファンの中でも特に支持の高い層だと推測できる。前述の『桜の木の下』でミリオンを達成したのは2000年。現在30代のファンはaiko(今年35歳)と同世代であり、その層に支持されていることはイメージしやすいが、一方でもうひとつのボリュームゾーンである10代や20代の層は当時幼児〜高校生と、一見、共通点が少ないように見える。これらの層に通じるものはあるのだろうか。


■ユーザー調査で見えた共通点

 図2と図3は、OC独自の「価値観ライフスタイル分析」に基づき、10代〜20代女性と30代男性のaikoファンについて、生活価値観・ライフスタイルや音楽に対する意識の特性をまとめたものだ。

 それによると、10代〜20代女性の傾向は、「上下関係を重視する」「世の中に役立つことを出来る限りしていきたい」「日本の文化や生活スタイルを大事にしたい」と考えている人が多いのが特徴に挙げられ、思慮深く日本人的な感性を重んじるユーザー像が浮かび上がる。一方、30代男性は、「流行の予測は当たっていることが多い」「欲しいものがあっても、つい流行しているものを優先して買ってしまう」とトレンドに敏感な反面、「自分の考えや発言、ふるまいにはプライドを持っている」「選挙など政治には自分ができる精一杯の参加をしようと思っている」「人から指示を受けるよりも、自分から行動するほうだ」という、自己をしっかりと持って行動し、社会の一員としての意識も高いという一面を併せ持つ。

 この2つの層に共通する価値観とは、「感謝すること」「人を喜ばせること」「知識・教養を高めること」であり、極めて道徳的、モラルの高い人々であることがわかる。

 この2つの層の音楽に対する接し方はどうだろうか。OCが開発した、音楽モチベーションによる市場把握調査「Music Compass」(※注)によると、「ドリーマー」「ガンバル」のクラスタに分布される。「ドリーマー」とは、アーティストをキャラクター全体として愛している層、「ガンバル」は音楽をトレンドとして考えており、情報収集に余念がない層だ。

 つまりファンの多くは、道徳的でモラルが高いという価値観を持ち、音楽への接し方は、楽曲やキャラクターも含め彼女自身を丸ごと愛す層、また高い人気を維持し続けているところを評価しているとも言える。


■ユーザーがaikoへ抱くイメージは?

 では、そんな彼らがaikoにどのようなイメージを抱いているか。図4は、「価値観ライフスタイル分析」で「aikoが最も好き」と回答している人たちによる、性・世代別のaikoのイメージワード分布を示したものだ。中心点に近い7つのワード「かわいい」「親しみやすい」「人間味のある」「センスがよい」「実力がある」「ワクワクする」「かざらない」は、性・世代に関係なくaikoファンが抱くaikoのイメージ。また性・世代別にくくっているのは、その層に特有のイメージになっている。

 このイメージMAPでは、10代〜20代女性はaikoを「前向きな」「夢がある」「自由な」などのイメージで表現し、彼女に「自然体なイメージ」を抱いている。そして30代男性は、「誠実な」「爽やかな」というイメージワードを挙げ、「大和なでしこ的なイメージ」を想起していると考えられる。

 言い換えれば、10代〜20代女性の思い描くaiko像とは、自身が年齢を重ねて彼女と同世代になった頃にこうなっていたいという憧れ、一番なりたいと思う象徴=フラッグアーティストとしての存在だ。一方で、30代男性は同世代のaikoを理想の恋愛ができる彼女、いつも一緒にいたいと思う心のよりどころ的存在として見ているのだろう。

 図4のaikoのイメージMAPと、図2・図3でファンが思い描くaikoのアーティストイメージ、どちらも「かわいい」というキーワードがトップに上がっていることがわかる。女性目線では「なりたい女性」、男性目線では「理想の恋人」と違いはあれど、同性、異性から見て受け入れられやすい「aiko=かわいい」というイメージを、デビュー当時からキャリアを重ねた今までキープし続けていることが、ファンが彼女を支持し続ける重要なファクターなのではないだろうか。デビュー当時からファッションをはじめ、キャラクター、アートワークにいたるまですべてに「aiko=かわいい」というイメージが浮かぶ。

 アーティストとして大きく成長しつつも、この確立されたイメージがゆるがないことで、ファンは彼女のすべてを安心して受け入れ、応援することができる。様々な時代に生まれた楽曲が並ぶベストアルバムが、これだけ統一感を持った内容に仕上がっていることこそが何よりの裏付けである。同じイメージをぶれずに提供し続け、なおかつマンネリな活動にならずにファンを飽きさせない。このさじ加減の絶妙さこそ、aikoがトップアーティストとして長年活躍できる理由に違いない。

※「Music Compass」とは…
多様化する生活者の志向に伴い、拡大する音楽の楽しみ方。そんな音楽を生活者がどのように捉えているかを分析する、オリコン・コミュニケーションズの独自指標。音楽へのモチベーションとなるFACTOR(意識)を調査し、「エモーション」「ドリーマー」「クリエイト」「ヒトゴト」「ガンバル」「我が道」の6つの傾向を割り出す。

aiko

『まとめT』
『まとめT』
(PCCA-01535)
2800円(税込)
2月23日発売

 

『まとめU』
『まとめU』
(PCCA-03515)
2800円(税込)
2月23日発売


図1:aikoファン性別世代別分布

図2:10〜20代の女性aikoファンの特徴

図3:30代の男性aikoファンの特性

図4:年代別ファン層のaikoのイメージMAP

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