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(2011/01/31)

次世代エンタメで実現「スマート・デジタルライフ」

 1月6日から9日まで、米国ラスベガスで開催された「2011 International CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」は、今後のAVのトレンドを指し示す場である。今年の展示企業は2700社、来場者は14万人以上と史上最大となった。AV評論家・麻倉怜士氏によると、今年のCESではテレビと付き合うスタイルが激変するトレンドが読めたという。

左/「Sony Internet TV」、右/LG 電子スマートテレビ構想
左/40インチの「Sony Internet TV」、右/LG 電子スマートテレビ構想


■身を乗り出してテレビと対峙、話題を集めたスマートテレビ

 これまでのテレビは、気軽に見るパッシブ(受け身)のエンターテイメントであった。それは「リーンバック」ともいう。ソファに腰掛けてゆったりテレビを見るというイメージだ。しかし、テレビがインターネットにつながり、あらゆる情報が届くようになり、趣味や仕事に積極的に活用しようという動きが急に出てきた。

 新しいテレビは「リーンフォワード」。つまり、パソコンのように身を乗り出し、画面と対峙するのである。これまでもネットテレビというものはあったが、それは映画などのコンテンツがIP経由で来るというもので、基本はリーンバック。リーンフォワード型テレビとしては、Google TVプラットフォームを採用した初のテレビ「Sony Internet TV」が昨年10月に発売されている。検索が売り物で、好きな映画を引くと、ネットだけでなく、ケーブルテレビなどのコンベンショナルメディアからも、結果が表示される。

 CESでは「スマートテレビ」という名称で、韓国のサムスン電子、LG電子、日本のパナソニックがリーンフォワードスタイルのテレビの提案に熱心だった。その概念は、@従来のパッシブメディアの放送はもちろん受信。加えてブロードバンドに常時接続、A映像・音楽配信サイトからストリーミングでオンデマンドにてコンテンツを受信、再生、Bゲームや便利ソフトウエアなどのアプリケーションをダウンロードして、実行できる、CSNSの通信機能がある、Dリモコンは、タッチスクリーンが基本。汎用のアンドロイドのスマートフォン、iPhoneや特定のリモコンが用意される。いずれもタブレット系端末??が特徴だ。

 パナソニックは自社のスマートテレビ用に「ビエラコネクト」というIPサービスを展開、そのコントローラーとして、「ビエラタブレット」端末を作った。パナソニックの提案が画期的なのは「画面を汚さない」こと。ある番組を見ていて、新たにIPのストリーミングを見ようとすると、テレビの全画面が選択モード画に変わるのではなく、手許のタブレットの画面上で選び、テレビに向けてタブレットの画面をフリックして、それをテレビに「転送」、するとテレビ画面が、そのコンテンツに変わる??という操作感覚は、とても直感的で分かりやすい。ネット接続によって、テレビはインフォメーションのハブとしてさらに重要な存在となる。テレビを新しい時代にふさわしいネットワーク端末(=スマートテレビ)にして、よりパワーアップさせようとするテレビメーカー各社の動きが印象的だった。

左/「ビエラタブレット」/「ソニー3Dグラストロン」
左/「ビエラタブレット」の画面。「テレビをより面白くするスマートテレビとは何かという発想が、偉い」と麻倉氏、
右/ソニーの3D ヘッドマウント型ディスプレイ「ソニー3Dグラストロン」


■視聴者と3Dテレビを取り持つインターフェイスに大きな変化

 CESでは裸眼3Dも大きくクローズアップされた。東芝は64、56型の大型グラスレス3Dテレビの発売を予告。すでに20型の小型裸眼3Dテレビは、昨年12月に発売になったが、「3Dはやはり大きな画面で」という声に応え、40型以上のサイズで裸眼3Dを展開するという。画質はこれからだか、メガネなしに3Dが楽しめるメリットは大きい。ソニーは東芝の動きに刺激され、56、46型の液晶、24.5型の有機FLの三機種の裸眼3Dテレビの開発を発表。液晶シャッターメガネでフルHDの3Dテレビを展開するソニーにとって裸眼3Dは“敵”なのだが、技術開発の進展を見て欲しいと積極展示。天下のソニーがやるなら、3Dテレビはいつか裸眼3Dになるという予感も強く受けた。

 3D視聴環境が大きく変わる予感はメガネ式でもあった。映画館の3D方式でデファクト・スタンダードになっているリアルDがサムスン電子と共同で、偏光メガネによる3Dテレビ方式を発表。液晶テレビ内部に偏光を作り出す仕組みを内蔵し、それを軽い偏光メガネで見る。これまでの液晶シャッターメガネ方式に比べ、メガネが軽い、安い、表示が明るい、視野角が広い、ちらつきがない…などのメリットがある。しかし、一方で液晶シャッターメガネ組では、パナソニック、サムスン電子がメガネ自体を軽くする開発に取りかかっており、いかに快適に3Dを視聴してもらうか、ユーザーに向いた競争が今後展開される。

 3D関係で、もっとも感動したのは、ソニーの“3Dグラストロン”。2枚の有機ELパネルを使ったヘッドマウントディスプレイ試作機だ。掛けてみると、確かに「500人規模のシアターの後ろの席で気持ち良くスクリーンを眺めるような3D大画面」が感じられた。そもそも3Dテレビは、1つの画面に右目用と左目用の2つの映像を表示させるところに絶対的な無理がある。しかし、3Dグラストロンは2つの目で見る映像を2 つの有機EL パネルに表示するため、構造上クロストーク(左右画像の混じり)やちらつきといったノイズがまったく発生しないのである。映像は新しい視聴体験を求めている。それはコンテツ、サービス、ディスプレイ端末の三社が密接な関連性を持ち、具体化される??そんなトレンドが明確に読めた今年のCESであった。

(文/麻倉怜士)

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