ヒットがみえるエンタメマーケット情報サイト

  • ORICON BiZ onlineのご案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

ニュース一覧 > CLOSE UP

(2010/09/22)

新しい読者層を獲得した『母―オモニ―』、姜尚中の人気は続く

 姜尚中の『母−オモニ−』が発売以来好調な売れ行きを見せている。ランキングを見ると今年6月に発売して翌週の6/21付では38位。その後も順調に売り上げを伸ばし、最新の9/13付ランキングでは39位にランクインし、累積売上部数11.3万部を売り上げた。

 本作は姜の初めての自伝的小説。姜が育った実家の熊本を舞台に、母の姿を通して在日の人たちの暮らしを残すために書かれた作品だ。執筆のきっかけは、5年前に他界した母のことを残したかったからということと、全線開通する九州新幹線の開通により、姜の実家がアスファルトとコンクリートになってしまうという理由からだという(『あらたにす』7/6より)。戦後の熊本の集落で、差別に耐えながらもしたたかに生き抜いた母親の姿を描いており、思わず涙してしまう内容だ。

 紀伊國屋パブラインの客層を見ると、半数以上が女性だ。舞台である熊本の紀伊國屋書店・熊本光の森店では、約100冊ほどをワゴンで展開している。こちらの客層も「圧倒的に女性客がほとんど」(同店店長・若狭浩二氏)という。

 姜が小説を書いたのは本作がはじめて。これまで『在日』(04年3月)や『悩む力』(08年5月)、『リーダーは半歩前を歩け −金大中というヒント−』(09年9月)など、政治学、社会学の本を書いてきたため、姜の読者層は男性サラリーマンが中心だった。

 しかし本作で初めて、小説という形で在日の暮らしを綴ったことで、女性読者にも分かりやすく伝わり、その結果女性の読者も獲得できたようだ。ブログの書き込みで女性読者の感想を見ると、「今までの作品より分かりやすい」「感動した」などとコメントされている。

 姜はテレビの討論番組やNHK教育テレビ『日曜美術館』の司会を務めていることもあり、すでに女性ファンは多かった。本作でそんな女性ファンを読者として獲得できたことから、今後もさらなる活躍の場が広がりそうだ。

『母−オモニ−』売上推移(9/13付)

『母−オモニ−』客層

『母−オモニ−』
姜尚中・著『母−オモニ−』

Go to Page Top

Go to Page Top