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(2010/07/08)

『ニコニコ動画』成功のカギは「動画+コミュニケーション」

 動画の再生画面上にユーザーが書き込んだコメントが次々とテロップのように流れるというユニークなシステムを売りに、06年末にスタートしたインターネット動画投稿サービス『ニコニコ動画』。そのニコニコ動画が、2010年度の第2四半期(2010年1〜3月期)で投稿型の動画関連サービスとしては異例の黒字化を達成した。

 

『ニコニコ動画』トップページ
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『ニコニコ動画』売上高推移

 世界的に見ても、動画関連サービスにおけるユーザー課金モデルでの収益化は珍しい。これを達成できたのは、『ニコニコ動画』を運営するニワンゴと親会社であるドワンゴが、携帯電話における着うたや着メロのサービスも展開しており、ユーザー課金のノウハウを持っていたことも関係している。

 同サービスをを運営するニワンゴ 代表取締役社長の杉本誠司氏は、黒字化の主な理由について、「プレミアム会員の増加」を第1にあげる。「『ニコニコ動画』の売上は、もちろんさまざまな広告メニューもありますが、『プレミアム会員』という月額525円のユーザー課金からの収入が7割を占めています」(杉本氏)

 プレミアム会員の数はサービス開始後すぐに10万人を超えたが、その後は右肩上がりを続けつつも伸び悩んでいた。そこで、同社は決済方法の選択肢を増やしたり(クレジットカード/Web用電子マネー/ケータイ課金)、プレミアム会員のメリットとなるサービスの拡充を続けるとともに、携帯電話へのサービス展開も少しずつ広げるなど、試行錯誤を繰り返していった(携帯電話版はキャリア課金)。

 ここ1年で最も伸びたコンテンツが、『ニコニコ生放送』だ。「実はこれは“オンラインイベント”なんです。動画を見て、コメントを書き込むことで、イベントに参加して臨場感を味わうという楽しみ方ですね。そして、その『ニコニコ生放送』でのメリットを提供できたことが、プレミアム会員増につながり、黒字化を達成できた最も大きな要因になっていると考えています」(杉本氏)

 プレミアム会員の数は10年5月14日に80万人を突破。6月12日に生放送された小惑星探査機「はやぶさ」帰還の特別番組は視聴数が22万人を超えるなど、『ニコニコ生放送』の認知度アップにしたがって、著名なアーティストや独自のコンテンツも集まるという好循環が生まれている。

『ニコニコ動画』のプレミアム会員数推移(10年4月末時点)

 「『ニコニコ生放送』では、ユーザーがコメントという形で番組に参加し、生放送をしているユーザーがそれに反応したり、アンケートを行ったりして、番組自体に影響を与えることができる。そういう『ニコニコ動画』が本来持っているインタラクティブ性を最も活かしたサービスになっていると思います」(杉本氏)

 現在、『ニコニコ動画』の会員数は一般会員、プレミアム会員を含めた全体で1700万人を超えている。ユーザーの価値観が多様化するなか、動画を視聴しながらゲームで遊ぶことができる『ニコニコ遊園地』や、静止画にコメントをつける『ニコニコ静画』などの新しい取り組みもスタートしている。

 「たくさんのインフラやメディアがあるなかで、インターネットだから、紙だから、「良い」「悪い」ではなく、時代に合わせたコミュニケーションが必要だと思うんです。そこで、常に新たな話題を提供したり、会話の場を作ったりと、ユーザーの生活時間にいかに入り込んでいけるかを追求して、バリエーションを増やしています」(杉本氏)

 7月6日には、ネットの枠を飛び出し、ネットとライヴの融合による新たな事業へのチャレンジも発表された。ユーザーが求めるものを理解し、常に新しいコミュニケーションを提案する『ニコニコ動画』が、エンタメ業界に新たな風を送り込む。

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