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(2010/04/30)

業界が「ガールズ・ムービー」に期待する理由

 映画界では「映画がヒットするか否かは、女性層にアピールするかどうかにかかっている」というのがセオリーとなっている。たとえSFやアクション映画であっても、女性の琴線に触れる要素を探し出し、アピールすることがヒットに結びつくというわけだ。映画興行の多くの部分が女性層に支えられていることに起因しているからだが、そうした発想の延長線上に、若手の女性キャストを揃え、主に同年代の同性ユーザーの共感に訴える“ガールズ・ムービー”がある。

 古くはセンセーションを巻き起こした『スウィングガールズ』(04年)や『リンダ リンダ リンダ』(05年)といった音楽ものや、『バックダンサーズ!』(06年)などのダンスムービーのように、共に力を合わせてゴールを目指す展開のストーリーが多かったが、最近では『赤い糸』(08年)や『天使の恋』(09年)、あるいは『カケラ』(10年4月)のようなケータイ小説やコミックの映画化、『スリーカウント』(09年)をはじめとするスポーツ路線、さらには『櫻の園』(08年)のように新たなイメージでリメイクされた作品まで、作品数も増えると同時に、描かれる内容も多岐にわたり、バラエティに富んできている。


■最新トレンドは“和テイスト”

 そうしたガールズ・ムービー台頭のなかで、今年目につくのが“和テイスト”のトレンド。4月24日より公開中の『武士道シックスティーン』はその好例といえる。剣道エリートの女子高生(成海璃子)と、剣道を楽しむお気楽少女(北乃きい)の反発と絆を描いた成長ドラマだ。

 出版界で熱い注目を集めている誉田哲也による同名小説の映画化であり、等身大の主人公たちの共感度も高く、成海に北乃という旬の若手女優を起用したことでも話題。『ホームレス中学生』の古厩智之が剣道の魅力を映像に存分に焼き付け、ガールズ・ムービーでありながら、男女問わず幅広い世代の共感を呼ぶところが大きな魅力となっている。

 この作品に続いて『書道ガールズ!!−わたしたちの甲子園−』が5月15日に登場。日本テレビの『ズームイン!!SUPER』で全国放送されたイベント「書道パフォーマンス甲子園」に材をとり、ドラマ化した作品で、不況にあえぐ街の活気を取り戻そうとイベントを企画し、実現にこぎつける女子高校生たちの軌跡が瑞々しく綴られている。洋楽やJ-POPの曲に乗せて大きな紙の上に字を書き上げ、そのパフォーマンスや“書”に対する想いを競い合うイベントが感動的で、この題材を見出したこと自体が作品の成功を約束したようなものだ。

 主演は成海璃子、桜庭ななみ、山下リオ、高畑充希、小島藤子といったフレッシュな顔ぶれ。昨年公開の『山形スクリーム』に『武士道シックスティーン』、そしてこの作品で成海は、さながら“和テイスト”スターともいうべき活躍を見せている。監督は『マリと子犬の物語』で実話を感動的に再現した猪股隆一が務め、書の魅力と少女たちの溌剌とした息吹が横溢し、爽やかで躍動感に満ちた仕上がりとなっている。

 洋画にも『クルーレス』(95年)や『ヴァージン・スーサイズ』(00年)、『ミーン・ガールズ』(05年)といったティーンの少女たちを主人公にした青春ガールズ・ムービーのヒット作があるが、前述の2作品のような日本映画ならではの題材やテイストの作品が、主人公と同世代の女性にどのように受けとめられるのか。新たな観客層を掘り起こし、さらにはジャンルの確立となりうるのか。業界は期待を込めて興行成績に注目している。

『武士道シックスティーン』
『武士道シックスティーン』
公開:4月24日
配給:ゴー・シネマ
(c)2010 映画「武士道シックスティーン」製作委員会

『書道ガールズ!!−わたしたちの甲子園−』
公開:5月15日
配給:ワーナー・ブラザース
(c) NTV

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