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(2010/03/19)

映像ビジネスの未来を予感させる同時多面的ウィンドウ展開

 3月12日に発売されたOVA『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』のブルーレイディスク(BD)第1巻が、アニメBD作品における歴代最高初動売上を更新するセールスを記録した。パッケージリリースに合わせて、劇場上映や配信を含む多面的なウィンドウ展開を試み、大きな注目を集めた同作品だが、その狙いについて、サンライズの宮河恭夫常務取締役に聞いた。

●歴代アニメBD初動売上TOP3

順位 初動売上(万枚) タイトル
1 5.6 機動戦士ガンダムUC 1
2 5.4 サマーウォーズ
3 4.9 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(EVANGELION:1.11)

──パッケージ販売と劇場上映、そして映像配信を同時多面的に進行させる「クロスオーバーコンテンツ」展開を行った意図を教えてください。

宮河 大きな画面で観たい人は劇場に足を運んでいただき、家の中や移動中に気軽に観たい人はネット配信を利用していただく。そして何度も繰り返して楽しみたい人はパッケージを購入していただく。ユーザーの目線に立って考えれば、コンテンツをお届けする私たちは、それらの機会を同時に提供しなければいけないと常々考えていました。できあがったコンテンツを、さまざまなウィンドウという手段によって、観たい時に観たいかたちでユーザーに提供する。しかも世界中のファンにお届けしたいと。


──劇場上映とパッケージ販売の同時展開による相乗効果は生まれましたか。

宮河 3月12日のパッケージリリースに先駆けて、イベント上映入場者のみを対象にBD第1巻を先行販売しましたが、来場者の約25〜30%が購入しています。ECサイトなどで予約購入すれば、手に入るのは数週間後になってしまうとはいえ、より安い価格で購入できるにもかかわらず、これだけ多くのユーザーに定価販売の劇場で購入していただけたことはすごく嬉しいですね。今回のプロジェクトでこだわったのは、BDを購入できるのはイベント上映の来場者に限ったこと。映画館までわざわざ足を運んでいただいた方だけが買えるというプレミアム感を演出する狙いからです。音楽ライヴにおけるコンサートグッズと一緒ですね。ただ単に、パッケージ販売と同時に劇場でも上映しますではなく、全国5都市8館・2週間限定での「プレミアレビュー」と題して上映したのは、イベント性という付加価値を訴求したかったからです。


──有料配信の狙いは何ですか。

宮河 劇場に足を運べない方々をはじめ、ひとりでも多くのユーザーに気軽に視聴できる機会を提供したいというのがまずひとつ。PlayStation Network(PSN)を配信のウィンドウとして選んだのは、なるべくテレビの画面を通してHD画質で観てもらいたかったからです。しかもPSNだとワールドワイドに展開ができる。8年前、『ガンダムSEED』をテレビ放送の6時間後に配信した際には周囲から反対の声も上がりましたが、結果はウィンドウを増やして多くの人に観てもらえたことでDVDの大ヒットに繋がった。今回もトレーラーだけでなく、冒頭7分の本編映像を無料配信したことに意味があったと思います。映像をバラまけばいいわけではないけれども、まずはひとりでも多くのユーザーに観ていただくことが重要。もちろん、コンテンツ自体にパワーがあることが大前提ですが。


──今後の展望は?

宮河 コンテンツとネット、そしてライヴ/イベントの3つが軸になるでしょう。バンダイナムコグループでは、4月から発足する新会社の「バンダイナムコ・ライヴクリエイティブ」でこれらを有機的に繋ぐビジネスを展開していきます。特にライヴエンターテインメントは、コンテンツとユーザーを結びつける有望なウィンドウになるはずです。その点で、昨年話題を集めたお台場の「1/1ガンダム立像」は累計415万人が場を共有するという大規模なライヴであり、成功例と言えるでしょう。いずれにしても、展開する各ウィンドウに相応しいプレミアム感を提供することが大事だと思います。


≪「クロスオーバーコンテンツ」展開≫

福井晴敏による小説を全6巻(全6話)で映像化するOVAシリーズ『機動戦士ガンダムUC』。3月12日からのパッケージリリースに先駆けて、2月20日より全国5都市において2週間限定で第1話のイベント上映を実施。劇場内では来場者を対象に、BD第1巻を先行販売した。また上映開始日よりPlayStation Networkを通した映像配信も開始。配信形態はダウンロード型レンタル方式(購入後30日間は機器に保有可能、再生後または転送後は72時間視聴可能)で、価格はHD画質が1000円、SD画質が700円(いずれも税込)

BD『機動戦士ガンダムUC 1』
BD『機動戦士ガンダムUC 1』

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