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(2010/03/05)

「イラク戦争」映画、急増の背景

  20世紀後半に“世界の警察”を標榜したアメリカは多くの戦争に関与したこともあって、戦争を題材にした映画を量産してきた。ただ、ベトナム戦争がそうであったように、朝鮮戦争以降は必ずしも勝利に終わらなかったことから、参戦の是非を検証する作品を生み出すまでに、長い冷却期間を置くのが常だった。だが、メディアが多様化し、情報が瞬時に伝わる21世紀に入ると、冷却期間も縮まりつつある。ここにきて03年のイラク戦争を扱った作品が急増しているのがその証明だ。

 イラク戦争を描いた映画は、まず06年にアーウィン・ウィンクラーの『勇者たちの戦場』が登場し、07年にはポール・ハギスの『告発のとき』や、ブライアン・デ・パルマの『リダクテッド 真実の価値』などが発表されたが、時期的にあまりに生々しく、作品的にも告発色が強いためいずれもアメリカ国民からは必ずしも評価されなかった。


■映画賞レースを席巻した『ハート・ロッカー』

 ところが昨年末あたりから、少しずつ様相が変わってきた。何と言っても、今年のアカデミー賞で最多9部門のノミネートを誇る、キャスリン・ビグロー作品『ハート・ロッカー』の存在が大きい。イラクのバグダッドで活動する爆弾処理班の姿をハードボイルドに描いて批評家から絶賛され、映画賞レースを席巻したのだ。アメリカでの興行成績自体はいまひとつながら、アカデミー賞では『アバター』に匹敵する注目を集めており、受賞いかんでは興行収入も続伸するだろう。日本でも“化ける”可能性を大いに秘めている。

 さらに全米では、『ボーン・アルティメイタム』のポール・グリーングラスとマット・デイモンが手を組んだ『グリーン・ゾーン』が話題を集めている。こちらは大量破壊兵器を探す任務についた将校がアメリカの陰謀を知る展開で、グリーングラスが一気呵成のアクションに仕上げている。大量破壊兵器が実際には無かったことはすでに多くの報道で伝えられているが、それを承知していながらアメリカは戦争に突入したことを明らかにしている。エンターテインメントでそこまで踏み込んだグリーングラスとデイモンの勇気には脱帽だ。

 アメリカでは3月12日からの公開となるがどう評価されるだろうか。日本では約2ヶ月のプロモーション期間を設け、5月14日から全国ロードショーされる。

 この他、アフガニスタンで消息不明になった兵士と残された家族の確執を描いたジム・シェリダンの『マイ・ブラザー』が日本では5月に公開される予定。

 イラク戦争を題材にしたドキュメンタリー映像は、すでに上映会やテレビ放送などを通して紹介されているが、これらの映画がどのような反響を巻き起こし、果たして日本で興行的に受け入れられるか。まずは『ハート・ロッカー』のアカデミー受賞の有無、そして興行成績を見守りたい。

『ハート・ロッカー』
『ハート・ロッカー』
公開:3月6日
配給:ブロードメディア・スタジオ
(c) 2008 Hurt Locker,LLC. All Rights Reserved.

『グリーン・ゾーン』
『グリーン・ゾーン』
公開:5月14日
配給:東宝東和
(c) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

『マイ・ブラザー』
『マイ・ブラザー』
公開:5月
配給:ギャガ
(c) 2009 Brothers Productions,LLC All Rights Reserved

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