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(2009/12/28)

「演出」力で勝負! リアルショップの逆襲

■苦境に立たされるリアルショップ

 折からのパッケージ離れに加えて、08年後半からの急激な景気後退も追い討ちをかけて、CDパッケージを取り巻く環境、とりわけCDショップはいっそう厳しさを増している。日本レコード協会が実施した音楽メディアユーザー実態調査(08年度)においても、「CD購入の際によく利用するお店は何か」という質問に対して、「CD・レコード店」と答えたモニターは57.9%。05年度の同調査では69.3%。3年間で11.4%減と大幅に減少する結果となっている。同じ傾向は書店業界にも現れており、閉店する店舗が相次いでいる。アルメディアの調査によれば日本の書店数は減少し続け、09年10月現在で1万5482店。05年と比較して、13.2%の減少となった。

 その一方で、ECサイトの成長は続いている。前出の音楽メディアユーザー実態調査(08年度)によれば、「CD購入の際によく利用するお店は何か」という質問に対して、「ECサイト(モバイルは除く)」と回答したモニターの割合は18.3%。05年度の調査では9.5%、04年度の調査では6.0%だったことを考えると、ここ3年で、「音楽をECサイトで購買する」という習慣が一気に定着したといえるだろう。

CDの主な購入先

全国の書店数

■求められる“ECにはない価値提案”

 ECサイトの優位性は、「豊富な品揃え」「サイトへのアクセスのしやすさ」「目的の商品の探索のしやすさ」といったところだ。また、リアルショップに比べて、在庫リスクが低いこともあって、その優位性を価格に反映させているサイトもある。それらの優位性に対してリアルショップはどのような“反撃”をすべきであろうか?

 09年後半より、リアルショップがその「あるべき姿」を実験的に追求する試みを相次いでスタートさせている。例えばTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブでは、「コンシェルジュ=世話係」をネーミングした新たなサービスや店舗展開を次々に開始。CDやDVD、書籍などのエンタメ商品を通じてユーザーに「心の充足」や「自己実現」といった付加価値を提供する取り組みの強化に乗り出し、“生活提案”というワンランク上のサービスを追求している。

 また書店では、明治2年創業の老舗・丸善が東京・丸の内本店に「松丸本舗」と題した書店内書店をオープン。「書店とはどうあるべきか」という原点に立ち返り、“知の巨人”として知られる編集者・著述家の松岡正剛氏との共同プロデュースによって立ち上げた同店は、「本好き/本屋好き」の心をとらえ、新たな顧客の誘致に成功しているという。

 両事例からみえてくるのは、リアルならではの「空間を活かした演出力」と、「リコメンドを含めたメディア力」を全面に出すこと。ものを「探す」喜びはなにもネットだけで得られるものではない。リアルショップならではの「探索」と「出会い」の楽しみを演出し、ユーザーにいかに提供できるかが今後の肝となろう。

TSUTAYA Lifestyle
09年12月、東京・赤坂の東京ミッドタウン内にリニューアルオープンした「TSUTAYA Lifestyle CONCIERGE」のコンセプトは“オトナのためのTSUTAYA”。「ギフトとしてのエンタメ」など、ライフスタイルに彩りを添えるための様々な提案をリアルショップのかたちで具現化している

松丸本舗
“知の巨人”松岡正剛氏とのコラボレーションから生まれた書店内書店である「松丸本舗」。まるで他人の書斎に迷い込んだかのような錯覚を抱かせる店内の雰囲気が、本好きの購入意欲を掻き立てる演出となっている

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