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(2009/12/24)

リアルドラマが女性層に訴求する理由

■キャリア俳優の活躍の場も広げるリアルドラマ人気

 不景気真っ只中の日本にあって、「疲れた」現代人は、うわついたものよりも「リアル」で「良質な」内容のドラマを求める。その結果、最近では、『ハゲタカ』『クライマーズ・ハイ』『誰も守ってくれない』『闇の子供たち』『沈まぬ太陽』…といった、しっかりと作り込まれた大人向けの社会派ドラマが注目を集め、ヒットにつながった。

 もともと、こういったドラマは、中高年の男性層を中心に、ある一定のコアファンを獲得していたジャンルだ。しかし、最近の視聴者は、社会派ドラマと聞いて、従来の「葛藤」「確執」「重厚」といったイメージだけでなく、「信頼」「絆」「人情」といった“ヒューマン”な要素をも想起するようになっている。つまり、自身の日常とリンクする、何かしらの「リアルさ」を感じさせる作品も「社会派」ドラマと認識するようになったのだ。それにより、20代〜30代の女性層の関心も集めるようになった。

 また、「共感できる、しっかりとした作品が見たい」という視聴者のニーズの高まりは、結果として、経験豊富なキャリアのある俳優の活躍の場も広げている。過去5年のTVドラマに出演した40代男性俳優の人数をみても、昨年が5人だったのに対し、今年は11人と倍以上に増えている。出演する俳優の顔ぶれが広がったことにより、扱うテーマも多様化し、視聴者層を拡大しているのだ。

リアルドラマ表1

   

リアルドラマ表2

■女性層が共感するのは自身の生活にリンクする「リアルさ」

 そういった状況を背景に、TSUTAYAでは今秋、社会派ドラマを集めた「リアルドラマコーナー」を一部店舗にて店頭展開した。対象作品は、『ハゲタカ』『パンドラ』『白い巨塔』『監査法人』などの連続ドラマや、『クライマーズ・ハイ』『誰も守ってくれない』『闇の子供たち』といった映画作品など15〜20作品。期間中のレンタル回転率は通常の約2倍になった。

「TVで放送中の山崎豊子作品『不毛地帯』の影響もあり、最近では『白い巨塔』も再び人気があるようです。客層はやや男性のほうが多いですが、非常に多くの女性の方にもレンタルして頂きました。30代前後の男性と、20代〜30代の女性が多かったようです」(SHIBUYA TSUTAYA 担当者)

 40代男性俳優のキャスティングが目立つ、WOWOW独自制作の「連続ドラマW」枠で放映された医療サスペンス『パンドラ』や自動車会社のリコール隠し事件をモチーフにした『空飛ぶタイヤ』の販売元のソニー・ピクチャーズ エンタテインメントに、上記作品のレンタル利用者層を訊ねると、「重厚な社会派ドラマは、やはり30代中盤男性の比率が高いですね。『パンドラ』の男女比は7:3で、『空飛ぶタイヤ』の8:2よりもやや高めです。医療サスペンスである『パンドラ』のほうが女性の共感を得られたようですが、『空飛ぶタイヤ』も発売されたばかりなので、今後に期待したいです」(マーケティング部・久保田啓文氏)

 社会派ドラマといっても、その範疇は広い。最近では、扱うテーマにも広がりが見える。前述したように、女性層は自身の生活にリンクするテーマにより「共感」し「リアルさ」を感じる傾向が、男性層よりも強い。今後、このマーケットで女性層を取り込んでいくには、その点を考慮した展開が必要であろう。

 未曾有の不況にはまだ出口が見えない。ストレス社会のなかで、人々は共感を求めている。その欲求を満たしてくれるのが、リアルドラマなのかもしれない。そこに描かれた人々の姿に観る者の勇気を奮い立たせるのだ。

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