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(2009/12/04)

アニメ・ヒット増幅のカギは劇場公開にあり!

 映像マーケット全体が決して順風満帆とは言えないなかで、今年もさまざまなヒット作品を輩出したアニメ界。そんな09年のアニメ・シーンを大いに盛り上げたトレンドや注目すべきムーブメントを踏まえつつ、2010年のヒット動向を検証した。


■女性がヒットを牽引した『けいおん!』『戦国BASARA』

 いまやアニメも女性の動向がヒットの鍵。09年も女性ファンの動いた作品が話題を集めた。アニメ文化を産業の視点で捉えた記事に定評のあるライターの日詰明嘉氏は次のように語る。

 「なかでも『けいおん!』のヒット現象は象徴的でしたね。主に10代後半〜30代の男性向けと思われていましたが、意外に10代の女性にも訴求しました。この作品の中心スタッフの多くは20代の女性。彼女たちの描くリアリティのある女子高生像が、同世代の共感を集めたのでしょう」

 同じく女性が牽引したアニメ界の新風の例として、アニメ専門チャンネル「アニマックス」編成制作部の佐藤功氏は『戦国BASARA』のヒットを挙げる。

 「ここ数年、歴女たちを中心に盛り上がっていた“戦国モノ”“歴史モノ”というジャンルが『戦国BASARA』をきっかけにアニメでもブレイクした感があります」

 これら2作の特筆すべき点は、パッケージをはじめ関連商品が軒並みヒットしたこと。

 「パッケージの話題で言えば『化物語』は品薄になるほどヒットしました。このシリーズは特典のオーディオコメンタリーがユニークで、登場キャラが作品を観ながらコメントするというメタフィクション構造になっています。しかも台本は原作の西尾維新さんの書き下ろし。西尾さんは会話劇が巧みでファンもそこを楽しみにしている。作品の売りと本質を見事に捉えた特典だったと思います」(日詰氏)

 テレビアニメのパッケージ売上が苦戦を強いられるなか、仕掛け次第で光明が見えることを証明した例と言えるだろう。


■パッケージ売上&新規ファンを拡大させる「劇場の大画面」

 また、09年は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を筆頭に劇場版アニメのヒットがシーンを盛り上げた。佐藤氏はこれらを人気作の“続編”と位置づけ、「テレビアニメでも続編やシリーズものが隆盛で、『ドラゴンボール改』のような旧作をアレンジメントした作品も登場するなど、このトレンドはしばらく続く気がします」と語る。来年も1月に『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』、2月に『涼宮ハルヒの消失』など、人気テレビアニメの新エピソードの劇場版が相次いで公開される予定だ。

 こうした劇場興行によるシリーズ展開について日詰氏は、パッケージ・ヒットへと繋げる「大きな画面でのプレビュー」との見方を示す。

 「劇場での盛り上がり→パッケージ商品の大ヒットという一連のブームを作ったのは『空の境界』。公開館の少なさと劇場でしか観られないイベント性にファンが競って足を運び、口コミでその魅力を広げました。来年は全6部作が順次劇場公開されるロボット・アニメ『ブレイク ブレイド』に注目したいですね」(日詰氏)

 『サマーウォーズ』のヒットがユーザーの裾野を広げたように、より大きなスケールで人々に訴求する劇場興行にはライト層の取り込みも期待されるところだが、新たなファンの掘り起こしという点で、佐藤氏はテレビ局発の意欲的な試みにも関心を寄せている。

 「定番といえる日本文学の古典作品を人気漫画家によるキャラクターデザインでアニメ化した日本テレビの“青い文学シリーズ”が、その企画性で新たな視聴層を生み出しています。日本文学など“文芸もの”ジャンルの今後の動向も注目ですね」(佐藤氏)

 なお、“青い文学シリーズ”第1弾となる太宰治原作の『人間失格』も、12月にスクリーンに登場する。

 こうしたアニメファンの裾野を広げるさまざまな取り組みが来年も活発に行われ、シーンを活性化させることを大いに期待したい。

09年のアニメ・シーンを賑わしたヒット作

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