ヒットがみえるエンタメマーケット情報サイト

  • ORICON BiZ onlineのご案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

ニュース一覧 > NEWS

(2009/11/17)

映画『ゼロの焦点』を核に「松本清張文学」がエンタメ市場を席巻

 生誕100周年を迎えた松本清張原作の映画『ゼロの焦点』(配給:東宝)が11月14日より公開された。10月の山崎豊子に続いて、11月は松本清張がエンタメ市場を席巻しそうだ。その理由とは?

■豪華3女優の競演、主題歌は中島みゆき

 日本のミステリー小説史上に燦然たる足跡を残した巨人、松本清張が1909年に誕生してから今年で100年を迎える。激動する時代・社会を冷徹な目で見据え、常にドラマの題材として取り入れることで“社会派推理小説”の道を拓いた松本清張は今も熱烈な支持を集めている。

 そうした変わらぬ人気を背景にして、92年に死去した後も、数々の傑作小説がテレビドラマ、あるいは劇場用映画として繰り返し映像化されてきたが、今年、100周年を記念して、再び松本清張の骨太な世界が盛り上がる気運をみせている。

 まず劇場用映画では、不朽の名作といわれる『ゼロの焦点』が広末涼子、中谷美紀、木村多江という顔ぶれで新たに生み出された。まだ戦争の影響が残る昭和30年代前半を背景に、結婚式から7日後、金沢に向かって姿を消した夫を、新妻が消息を尋ねてまわるなか、次々と関係者が殺されていく展開。その影には戦後の悲しい秘密が隠されていたという、松本清張ならではのストーリーとなっている。

 監督は『グーグーだって猫である』の犬童一心。ジャンルを問わない演出力で知れられているが、ここでは広末の一途さ、中谷の華やかさ、木村の健気さと、3女優のキャラクター・イメージを存分に活かしながら、サスペンスを利かせたメロドラマチックな語り口を貫く。何より昭和の風景を求めて韓国にまでロケを敢行。時代をくっきりと再現し、かつて野村芳太郎が描いた“松竹松本清張作品”にオマージュを捧げながら、スケールの大きな女性のミステリーを構築している。

 華やかな3女優の競演と、主題歌をヒットメーカーの中島みゆきが担当するなど話題性には事欠かない。原作は61年に一度映画化され、83年と85年にはドラマ化もされているが、豪華さにおいて新作が群を抜いている。著者自身が代表作と自認するほどの傑作、中高年層の認知度も高いとあって、配給する東宝では息の長いヒットを期待している。

■“松竹松本清張作品”を特集上映

 この新作に呼応するように、松竹では100周年記念として、東京・銀座の東劇にて特集上映を11月14日から12月4日まで実施する。野村芳太郎の58年作『張り込み』から、大ヒットした『砂の器』、83年作『天城越え』まで、全14作品を上映。文字通り、懐かしい昭和を代表する作品群が揃っている。

 またDVDでも100周年を記念して、来年1月末日までの期間限定で61年版『ゼロの焦点』を含む18タイトルを2800円(税込)で販売。この他、テレビ朝日では07年にビートたけしを主役に迎えて大絶賛された『点と線』を新たに編集し直して、11月8日に放送した。

 さらに、公開前からすでに原作文庫本がオリコン文庫ランキングにおいて右肩上がりの推移を続けていたが、公開直前から売上部数も一気に上昇。劇場と書店をともに賑わせた『沈まぬ太陽』=山崎豊子ワールドと同じような“相乗効果”によっても、『ゼロの焦点』=松本清張文学の盛り上がりが期待されるところだ。


『ゼロの焦点』
公開:11月14日 配給:東宝
(c)2009「ゼロの焦点」製作委員会

Go to Page Top

Go to Page Top