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(2017/05/01)

『ラ・ラ・ランド』ヒットから見る、サントラの重要性 ポップで踊れる楽曲が浸透

『ラ・ラ・ランド(オリジナル・サウンドトラック)』(2月24日発売/ユニバーサル ミュージック)
(左から)GAGA宣伝部部長の依田苗子氏、ユニバーサル ミュージックユニバーサル インターナショナルマーケティング部主任小林祐一氏


 『第89回アカデミー賞』で最多6部門を受賞したミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。興行収入(2月24日から4月2日までの38日間で興収37億3600万円)のみならず、サウンドトラックも好調なセールスを記録している。2月17日に発売して以来、11週にわたりTOP100位入りし、累積7万9781枚(17年4/24付)を売り上げ最高3位を獲得している。こうした映画ヒットの背景には、あえて主題歌をメインにしない独自の音楽プロモーションが功を奏したようだ。

■“ララポーズ”がSNSで話題 若年層へのアプローチも成功

 2月24日に公開され、現在も動員数を伸ばしている映画『ラ・ラ・ランド』。興行収入のみならずサウンドトラックも累積7万9781枚(17年4/24付)を売り上げ、最高3位と好調なセールスを記録。『第89回アカデミー賞』授賞式でも主題歌賞を受賞するなど公開前から映画とともに注目されていた同作の楽曲は、すべてオリジナル曲であることから新鮮さとポップさが売りとなり、話題性とともに幅広く訴求した。

 また、あえて日本では主題歌ではなく別の楽曲をプロモーションとして使用した。その理由についてユニバーサル ミュージックの小林祐一氏は、「主題歌は『シティ・オブ・スターズ』ですが、日本のマーケットで効果的なのは冒頭のシーンで流れる『アナザー・デイ・オブ・サン』だと思いました。明るくキャッチーなメロディの同曲を劇場やCMに使用したのは映画宣伝の英断だったと思います」と語る。同映画宣伝を務めるGAGAの依田苗子氏も「『アナザー・デイ・オブ・サン』にした理由の1つとして、海外ドラマ『glee』が若い世代に人気があったことが挙げられます。『glee』のようなポップなイメージを打ち出したほうが効果的だという狙いもありました」と楽曲へのこだわりを明かした。

 TBS系『逃げるは恥だが役に立つ』のブームでもわかるように、ポップで踊れる楽曲を上手く活用し、若い世代を取り込むといった施策も多い。今作では、ダンスと音楽というヒットの要素を最大限に活かした若い世代へのアプローチが見事に成功している。また、近年はSNSを活用したプロモーションが必要不可欠であり、依田氏も“若い世代に向けたSNSの展開”に力を入れた。「主演の2人が向き合って踊っている“ララポーズ”を真似し、宣伝スタッフがいろんな場所で写真を撮って公式Twitterに公開しました。最初はネタにされる程度でしたが、続けていくうちに著名な方々も“ララポーズ”を真似し、SNSで写真を公開してくださるようになりました。また、作品の感想を書いてくださった方々を可視化できるように公式サイトでタグボードの展開も行いました。その効果もあって若い世代にアピールできたのではないかと思います」

■ラジオでのパワープレイや高音質劇場での公開が、幅広い世代を劇場集客へと繋げた要因に

 さらに依田氏は、「ラジオでいち早く楽曲を耳にすることでまずサントラに興味を持って、そこから映画にも興味が湧いて劇場に来る方もいたそうです」とラジオ番組で「アナザー・デイ・オブ・サン」がパワープレイされたことも、結果的に幅広い世代を劇場へ呼び込む効果を見せたという。そうした音楽ファンたちを劇場に何度も足を運ばせた要因の1つとして、IMAXやドルビーアトモスでの劇場公開も挙げられる。「音楽のクオリティ性を求めるお客様が非常に多く、リピーターの方にはいろいろなバージョンを試していただいたようです」(依田氏)

 また、アニメなどのミュージカル映画でも日本語吹き替え版も制作することで好調な興収を記録している。「『ラ・ラ・ランド』の吹き替え版はないですが、当社配給の『シカゴ』や『オペラ座の怪人』、他社配給の『レ・ミゼラブル』も字幕版のみで興行は成功を収めていたので、不安はなかったです。吹き替え版に慣れている若い世代には、良い意味でミュージカル映画を初体験していただけると思っていました」(依田氏)

 音楽が大きな宣伝効果となり、結果的にサウンドトラックまでヒットに繋がった今作。今後オリジナルのミュージカル映画がどんな施策でヒットを狙ってくるのか、注目していきたい。

(文:奥村百恵)

(コンフィデンス 17年4月24日号掲載)


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