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(2017/04/10)

多様化する映画の楽しみ方、5年目迎える「シネオケ」の現在地

今春、世界で初めて劇場公開中の映画で「シネオケ」公演が実施される ※上演作品は『美女と野獣』 Presentation made under license from Disney Concerts, a division of ABC Inc. (c) 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.


 キョードー東京が展開する、映画×オーケストラ演奏による新たな映画体験「シネオケ」も今年で5年目を迎える。近年はコト消費へのシフトとともに、映画鑑賞のスタイルも多様化を極めているが、シネオケの今、そして今後の可能性について、立ち上げから関わる同社の川池聡子氏に聞いた。

■人が作る、その場でしか味わえないライブ感がシネオケの魅力

 世界各国で人気のシネマオーケストラコンサート。日本では12年9月、キョードー東京が映画『ウェスト・サイド物語』公演を大々的に開催することで本格上陸。同社が「シネオケ」と銘打ち(13年7月〜)率先して多数の興行を実施することで、今や日本でも馴染みのあるエンタテインメントとなった。その形態はさまざまで、映画全編を上映しながら演奏を重ねるものや、映画のモンタージュ映像とともに作中の名曲を奏でるものなど、映像と音楽の比重により形態は変わってくる。また海外では、上映途中に映画キャストをゲスト出演させるなど、よりライブ的な演出もあるそうだ。

 「さらに、シネオケ独自の音楽演出も加えられています。例えば、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公演では、劇中にはない音楽を、映画音楽を担当したアラン・シルヴェストリが、シネオケ用に20分ほど音楽を追加制作しました。また公演での休憩時間明けに、同シリーズの別の人気曲を挟んだりして、この映画が好きな方に、その場でしか味わえない楽しみを提供しています。しかも、それを“人(演奏者)が作っている”というライブ感が、3Dや4DX、爆音上映などの体験型映画鑑賞とは大きく違う、シネオケならではの魅力だと思います」(キョードー東京 第2 事業本部・マーケティング事業本部 本部長 川池聡子氏、以下同)

■映画と音楽の力、そして上映タイミングの見極めがポイント

 ならば、さまざまな名作を楽しみたいと思ってしまうが、人気作だからといって興行的な成功が約束されないのがシネオケの難しいところ。ビジネスとして成立させるためには、「ワールドマーケットで考えて、映画と音楽の力、人気度、そしてタイミングを見極めることがとても重要」なのだと川池氏は語る。

 「作品によって客層や会場の様子も異なります。例えば、『スター・ウォーズシリーズ』公演と『ウェスト・サイド物語』公演は、どちらもほぼ完売でしたが、『スター〜』はコスプレをしたお客さんでフェスのように盛り上がり、片や『ウェスト〜』は60年代にリアルタイムで映画を観て、普段はあまりコンサートに馴染みのないような方がたくさん来場しました。ただ、その映画を好きになった方々が、同じ空間で、ライブで映画を楽しむという一体感がある点では共通しています」(川池氏)

 ちなみに、生演奏により臨場感が倍増するという点で、『サイコ』公演は内容的には非常に素晴らしいものだったというが、ホラー映画のため動員は苦戦。「どの作品を、どのタイミングで、どの層に届けるか」という選定力が、シネオケ文化成熟の大きな鍵を握っているようだ。

 現在、世界的にもプログラムが増えているというシネマオーケストラ。さまざまな可能性が顔を覗かせているが、今後大切なことについて川池氏は、「とにかく継続していくこと、そして新しい演出で話題性の高いプレゼンテーションをしていくこと」だと語る。

 同社は新たな挑戦として、4月29日、30日の2日間に東京、5月1日に大阪で、世界で初めて劇場公開中の映画でのシネオケ公演を実施する。上演作品は、実写化も話題のディズニー映画『美女と野獣』(4月21日公開)。従来とは異なる名画以外でのシネオケは、「プレミアム上映会」という新しい位置付けをアピールすることで、チケットの売れ行きも好調だ。このようにシネオケの形態が広がることで、映画と音楽から得られる新しい体験と感動もまた、さらに広がっていくことだろう。

(文:布施雄一郎)

(コンフィデンス 17年4月10日号掲載)

キョードー東京の主な「シネオケ」上演作品

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