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(2017/02/06)

『男水!』仕掛け人に聞く、立体的プロジェクトの狙い

『男水!』プロデューサーの渡部智明氏(日本テレビ放送網 編成局総合コンテンツ部 プロデューサー)
2.5次元舞台で活躍する人気俳優が多数出演中、『男水!』のワンシーン


 2.5次元舞台化やHuluでのオリジナルストーリー独占配信、出演するイケメン俳優たちによるキャラソンリリースなど、立体的なプロジェクトが進んでいる『男水!』。仕掛け人・渡部智明プロデューサーにその狙いを聞いた。

■1年以上前からドラマ出演オファー、念願の地上波初進出

 『テニスの王子様』、『弱虫ペダル』、『刀剣乱舞』など話題の2.5次元舞台に足を運ぶ20 代女性が絶えない。そんな勢いに注目したのが、日本テレビの深夜帯で放送中の『男水!』である。2.5次元舞台で活躍する俳優たちをメインキャストに起用したドラマはこれが初。実はこれまで地上波進出の機会を作ることが難しかったというのだ。『曇天に笑う』や『金色のコルダ』といったアニメを2.5次元で舞台化した経験もある日本テレビ・渡部智明プロデューサーはその理由をこう説明する。

 「彼らは舞台とドラマの撮影スケジュールが噛み合わないジレンマを抱えていました。人気のある役者はドラマの出演オファーが来るタイミングには既に舞台出演が決まってしまっていたのです。その現状を知り、舞台が決まる1年以上前から、松田凌くんや安西慎太郎くんなど4〜5人に声をかけ、ドラマ撮影に必要なスケジュールを空けてもらいました。企画が正式に通る前だったのでこれは賭けでもありました」(渡部氏/以下同)

 実現した背景には、舞台でキャリアを積む彼らの演技力やファン層の厚さに期待が集まったこと。こうした新しい試みに挑戦することに、社内で理解を得たことの意味は大きい。

 「毎クール同じような役者がキャスティングされ、組み合わせの違いばかり。新人の発掘はNHKの朝ドラに集中してしまっている。今はネットから売れることが多くなり、テレビはすべて後追いという状況です。かつてのテレビの役割を失ったままでいいのかという思いがありました。のちに日テレに恩返ししてくれればいいのです」

 番宣のため出演した『PON!』ではO.A後に早くも反響があった。今回のプロジェクトをきっかけに人気が主婦層にまで広がる可能性は十分だ。

■Huluでスピンオフ配信、エンディングはキャラソン

 渡部氏が所属する編成局総合コンテンツ部は、放送だけでなく、配信やゲーム化、舞台化、映画化などマルチ展開で収益をあげることのできる企画を立ち上げることをミッションとしている。なかでも、展開しやすいドラマとアニメの企画は今最も重要視されているという。それゆえ、当初から舞台化を見据え、白泉社『花とゆめ』のオンライン連載から木内たつや原作の今作を探し出した。競泳に向き合う男子がスポーツに熱中する、恋愛要素ゼロのいわゆる“スポコン”ものに仕上げることで、2.5次元舞台でも人気の作品になると踏んだ。

 ドラマと舞台の両輪でプロジェクトが進み、O.A中に早くも舞台のチケット先行抽選申し込み券を封入したBlu-ray&DVDの発売を控える。本編に入りきらない原作の要素は「Hulu」でオリジナルストーリーとして配信。水着やジャージなどの衣装はスポーツメーカー・ミズノからの全面協力を得た。また演劇や音楽のポスターを手がけるジーンアンドフレッド社によるキービジュアルもこだわりの1つと、今どきのドラマの盛り上げ方を最大限に活用しているが、これだけに留まらない。キャスト10人が歌うエンディングテーマなどキャラソン4曲が入ったアルバムの発売やコラボカフェも予定されている。

 「アニメでは通常行われている展開ですが、ドラマではこれまでにありません。深夜ドラマにはこうしたモデルが求められていくはずです」

 そもそも競泳ドラマ自体、これまであるようでなかった。1日最長12時間にも及んだ水中シーンは、GoProカメラなども使った攻めたアングルが見どころだ。舞台ではプロジェクションマッピングで水を表現するアイデアなどが出ている。新しい要素満載の作品だ。

(文/長谷川朋子)

(コンフィデンス 17年2月6日号掲載)


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