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(2017/02/06)

池波作品が初のTVアニメ化、『鬼平』に見る時代劇アニメの可能性

トムス・エンタテインメント、プロデューサーの長谷川良太氏
放送中のアニメ『鬼平』のワンシーン(C)オフィス池波/文藝春秋/「TVシリーズ鬼平」製作委員会


 累計発行部数2700万部を誇る大ベストセラー・池波正太郎の『鬼平犯科帳』が、シリーズ誕生50周年を迎える今年、『鬼平』のタイトルで、1月9日より初のテレビアニメをスタート。スタイリッシュなビジュアルの鬼平には、若い女性たちからの支持も高いという。また時代劇小説の新たなコンテンツ活用例として、今後の展開にも注目が集まっている。

■世界市場でも存在感を発揮していけるコンテンツ

 クリエイティブプロデューサーにアニメ界の重鎮・丸山正雄氏、監督&キャラクターデザインに実力派・宮繁之氏という、錚々たる顔ぶれのスタッフと、有名すぎる原作出版社と打ち合わせを重ねて制作から放送にこぎつけたのはトムス・エンタテインメントの若手プロデューサー・長谷川良太氏だ。

 「学生時代の研究テーマが歌舞伎だったので、池波作品にも親しんでいました。ですからアニメ化の企画があると聞いた時も、やがて自分が担当するとは思わず「凄いですね。楽しみです」などと他人事のように喜んでいたのですが…」(長谷川良太氏/以下同)

 プロジェクトは、具体化するにつれ次々に越えなければならないハードルが出現。地道にそれを攻略する日々が続いたという。

 「オンエアに至るまで足掛け4年かかりました。製作委員会への参加依頼がまずは大変な作業で、OKをもらうのに苦戦続き。アニメと『鬼平犯科帳』の間の距離感といいますか、ファン層が見えないというのが大きな理由でした。とはいえ、時代劇の最高峰ともいえる作品をアニメ化するのですから、クオリティを含め素晴らしいものにしなければならないのが大命題。お金もかかります。ひたすら地道に何度も何度もお話しさせていただいた」

 しかし、実際にオンエアが始まると、想像以上に好評で、大きな手応えを感じているという。

 「若い人たちにも響く本格時代劇アニメを作ろうという企画のもと進んだ作品だったので、スタイリッシュなキャラクターデザインが若い女性たちに響いてくれて大変ほっとしています。“鬼平が天然パーマ”というビジュアル設定を通すため企画書を徹夜で作りましたが、その甲斐がありました(笑)。映像化する作品は、若い人にも興味を持ってもらえそうなエピソードを、会議を重ねて決め込んでいきました」

■若者にとっての時代劇への新たな入口になれば

 4年の準備期間中にゆっくりと醸成された各関係者との良好な繋がりが、今になって良い効果を生んでいるともいう。  「音楽も、田中公平さん、川村竜さんという実力ある方々のおかげで、非常に洗練されたお洒落な大人の音楽という新しさを提示できています。エンディングの由紀さおりさんの歌には、以前からの鬼平ファン層も反応してくださっているようですね。まずは若者にとっての時代劇への新しい入口になればうれしいですし、世界市場でも存在感を発揮していけるコンテンツだという自負もあります。世に出ることがゴールではなく、新たな展開のスタートだという気持ちで取り組んでいます」

 アニメと時代劇の結合は、古いのに新しい、強力なコンテンツを開発できる可能性を提示している。

(文/及川望)

(コンフィデンス 17年2月6日号掲載)


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