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(2016/12/05)

ドキュメンタリー国際企画イベント「Tokyo Docs」開催

ピッチングでは、デシジョン・メーカーからも積極的な意見・質問が聞かれた
「Tokyo Docs」受賞者の集合写真


 ドキュメンタリー番組の国際共同製作を推進するイベント「Tokyo Docs」が11月7日から10日の4日間で開催された。メインの公開企画ピッチングをはじめ、アジアと日本の制作者プロジェクトや、Netflixをはじめ、日本と欧米の動画配信サイトのプロデューサーが初参加したことも注目された。


■アジアから企画応募増加、ラオス、インドと国際共同製作プロジェクト

 2011年に立ち上がった「Tokyo Docs」が今年で6年目を迎えた。「ドキュメンタリーは国境を越えてメッセージを伝える最も有効な手段である」という主催者(東京TVフォーラム/全日本テレビ番組製作社連盟(ATP))の思いに賛同し、総務省の後援をはじめ、国際交流基金アジアセンターなどの助成も受けて実施され、国内外から今年も多くの関係者が参加した。

 全体で101本の企画が集まり、なかでもアジアからの企画応募の増加が目立った。天城靱彦Tokyo Docs実行委員長は「イベントの知名度が国内外で上がり、海外から招聘する方以外にもアジアから自費で参加したいと申し出てくれる方が今年は10名に上りました。交流の広がりを実感します」と説明する。13年からスタートしたアジアと日本の制作者プロジェクト「Colors of Asia」(カラーズ・オブ・アジア)の16年の企画『彼女たちの夢から未来への道を切り開く女性たち』成果発表会には日本のプロデューサーと組んだバングラデシュ、ラオス、インドのディレクターが登壇し、NHK BS1 で放送されたダイジェスト版の紹介や制作過程を語る場面が作られた。

 国際共同製作は制作ノウハウやコミュニケーションの違いなどベーシックな問題で意見が食い違う難しさも伴うが、プロジェクトの参加者が口を揃えて「世界配給の可能性を探るチャンスになる」と話していたのが印象に残った。また、17年に向けた新企画『未来をつかめ!子どもたち』の提案会議も行われるなど、新たな企画が走り出していた。


■独立系フィルムメーカーも参戦中国人監督コンビに注目

 メインのイベントは“ピッチング”と呼ぶ、放送や配信、上映を目指し制作資金の確保を目的とする公開企画プレゼンテーションだ。厳選された20本がこれに臨み、それらの企画者の顔ぶれはテレビ番組制作会社に所属するディレクターやプロデューサーに加えて、独立系フィルムメーカーやフリーランスの映像ジャーナリストも今年は多かった。これに対し、デシジョン・メーカーと呼ばれる制作費を調達できる放送局のプロデューサーや配信会社のキーマンも欧米、アジアを中心に各国から出揃った。

 映像マーケットの中で勢力を増す動画配信サイトから今年初めて参加が実現したことも話題のひとつだった。日本はHulu(HJホールディングス)およびNetflix(Netflix Japan)、海外は元BBCの番組制作委託統括者のニック・フレーザー氏が今年立ち上げたばかりの有料ストリーミング・Yaddoとディスカバリーチャンネル創始者が立ち上げたSVOD サービス・CuriosityStream、合わせて4社が参加した。

 彼らは、受刑者やタトゥー彫り師など地上波では扱いにくいが企画力のある作品の出口のひとつとして期待されている。ピッチングの結果、デシジョン・メーカーの投票により「Tokyo Docs」から総額500万円の開発支援金が授与される場面も作られている。

 ベストピッチはテレビ番組制作会社テムジン所属、松井至監督の聾者の親を持つ子を扱った『私だけ 聴こえる』が選ばれた。また中国の企画制作力の勢いを感じさせた中国人のドキュメンタリー監督コンビの『中国の忘れられた娘たち』はアジアベストピッチを受賞。中国の一人っ子政策が女性たちに及ぼした深い傷の実態を伝えた内容は、会場で注目を集めていた。

 今の世の中を映し出すコンテンツを支援する「Tokyo Docs」の役割はますます求められていきそうだ。
(文:長谷川朋子)

(コンフィデンス 16年12月12日号掲載)


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