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(2016/12/05)

動画配信サービス“オリジナルドラマ”、作り手のこだわり

『福家堂本舗 -KYOTO LOVE STORY-』を手がけた関川友理氏(The iconプロデューサー)
『福家堂本舗 -KYOTO LOVE STORY-』(全12話/Amazonプライム・ビデオにて毎週水曜更新) (C)遊知やよみ・集英社/The icon


 京都の老舗和菓子店を舞台にした人気コミックをAmazonがドラマ化した『福家堂本舗 ‐KYOTO LOVE STORY‐』。女性をターゲットにした胸キュンの王道ラブコメは、すでにSNSでも話題を集めており、反応は上々だ。そこで、プロデュースを務める関川友理氏に、本作にかけた思いや制作にあたってのこだわりなどを聞いた。


■本物を映すことにこだわり、何度も観てもらうような工夫を

 遊知やよみ作の漫画をドラマ化した『福家堂本舗 ‐KYOTO LOVE STORY‐』は、京都の老舗和菓子屋の三姉妹それぞれの恋愛、家族、夢を丁寧に描く王道のラブコメディ。Amazonプライム・ビデオのオリジナル作品であり、今年6月に配信され同プラットフォームでもレビュー評価の高い『はぴまり 〜Happy Marriage!? 〜』の制作にあたったThe iconが手がけている。自身が中心となって連続ドラマを動かすのは今回が初めてという関川友理プロデューサーは、高校時代に出合って以来の原作ファンだったという。

 「いつかどこかで映像化したいとずっと思っていました。でもド直球のラブストーリーやラブコメドラマ は、ニーズ自体はずっとあると思うのですが、今のドラマ界ではなかなか企画が通りにくいのです。そんな 中、たまたまAmazonさんが自分と同世代くらいの女性をターゲットにした恋愛ドラマを求めていると聞き、 ぜひ、と手を挙げたかたちです」(関川氏/以下同)

 実際に手がけてみて、地上波ドラマとの違いはあったのだろうか。

 「ドラマの作り方そのものに、大きな差はありません。ただし、視聴者がいわゆる“ながら観”のお客様ではなく、しっかりとわざわざ時間を割いて作品を観ようと思っているということは意識します。途中で退屈させないように、1話約30分の構成はしっかり考えていますし、視聴中に10秒戻すといった操作も簡単なの で、何度観ても楽しめるような工夫を所々に仕込んでいます」

 それは数話越しの伏線といった手法から、音楽を厚めに付ける、ロングショットを多用しないなどのテク ニックにまで及ぶ。だが、最大のこだわりは本物を映すことだという。

 「舞台が京都ということもあり、日本の伝統美をきちんと映像で見せていくことにはとくに気を配っています。オリジナルの着物を用意することはもちろん、書家の石飛博光先生にお店の暖簾の文字を書いていただいたり、京都の老舗和菓子屋「末富」の山口富藏さんに京菓子の監修をお願いしたり、メイドイン京都のアクセサリーや小物類も含め、一度観ただけでは気付かないような細部にまで、かなりこだわりました。京都の風景そのものが持つ美しさもそうですし、女子が反応するポイントをちょっとずつ入れることが大事なんです」


■地上波ドラマと異なる宣伝法

 キャスティングは正攻法だった。長めのプロットと脚本を持参しオファーしたキャストと、オーディションで選ばれたキャストがバランスよく配置されている。

 「この方に演じてもらいたい、と思った方にダメもとで当たってみた結果、ヒロインの早見あかりさんや相手役の市原隼人さんはじめ、才能のあるたくさんの役者さんが参加してくださいました。オーディションも、役にふさわしいかどうかという純粋な視点で新人の女の子を抜てきしました。普段から、舞台も映画もドラマも積極的にチェックしていて、本気で探せばどこにでも才能を持つ子はいると思っていますから」

 地上波ドラマとは、宣伝の考え方そのものが違うことも実感した。

 「配信開始が最大の宣伝タイミングではなく、むしろSNSなどを活用して配信後の宣伝を厚くする感覚です。また、局や番販の宣伝担当者が手伝ってくれるわけではないので、自分たちで直接、コラボやタイアップを交渉しました。これもいい経験になりましたね」
 まだまだ勉強中、と笑う関川氏。だが、勉強して改めて気付いたという京都カルチャーの面白さを脚本に どんどん投入していく大胆さも併せ持つ。繊細な配慮とこだわりが拡大する恋愛ドラマの新たな地平に期待 したい。
(文:及川望)

(コンフィデンス 16年12月12日号掲載)


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