ヒットがみえるエンタメマーケット情報サイト

  • ORICON BiZ onlineのご案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

特集記事一覧 > ヒット分析

(2016/10/03)

俳優の可能性広げるショートドラマの魅力

木下ほうかが演じる「イヤミ課長」は、子どもや中高生女子にも人気を集めている/『痛快TV スカッとジャパン』(CX系・毎週月曜 19:57〜)MC:内村光良(ウッチャンナンチャン)
『痛快TV スカッとジャパン』主な人気キャラクター


 視聴者投稿を元にしたショートドラマから、実力派俳優による人気キャラクターやシリーズが続々登場している『痛快TV スカッとジャパン』(CX系)。最近ではLINEスタンプやコミカライズ化などIP展開にも発展している。人気の秘密は、クオリティを重視した制作陣、俳優陣の制作力にあった。


■クオリティの高い作品制作のため1本あたりの尺にも工夫

『痛快TV スカッとジャパン』は、視聴者からの投稿を元に構成された7〜8分程度のショートドラマを、スタジオゲストとともに鑑賞する形式のバラエティ。ドラマには著名な俳優陣が出演し、名物キャラクターによるシリーズ化や、それを経てのLINEスタンプ化、さらには人気シリーズのコミカライズといった展開でも注目されている。

「投稿は番組スタートから5万6000通を超えました。制作は、投稿をセレクトする会議を週1回行い、そこからシナリオを構成しています。投稿を選ぶ時点で役者さんを想定する場合もありますね。撮影は基本的に1本を1日で。全体の尺は7分から8分に設定していますが、これは、連続ドラマがクオリティを保ったまま1日で撮影できる限界というのが、通常7、8分といわれているところからです。撮影が1日で済むということは、役者さんのスケジュールも交渉しやすくなる。多様な方に出演いただけているのは、このことが理由の1つかと」(企画・演出 木月洋介氏/以下同)

 キャスティングは、キャスティングプロデューサーの壁谷悌之氏(泉放送制作)と相談のうえ進めている。とはいえ、番組開始当初、出演交渉は難航することが多かったという。

「オンエアが始まるまでは、「だって再現映像なんでしょ」と、イメージ先行で敬遠されてしまうこともありました。だからこそ、木下ほうかさんや最初の段階から快諾してくださった方々には感謝しかありません。再現ドラマとの最大の違いは、再現していないこと。投稿内容を忠実に再現することより、いかに登場人物に存在感を持たせるか、魅力的にデフォルメするかに注力しています。憎たらしい悪役であればあるほど、シナリオを超える演技力が必要になってきますが、「こんな奴いないだろう」というリアリティギリギリの線を守りながらも攻められるかどうかがポイントで、それを表現できる役者さんが本当に貴重なんです」

 新人俳優の起用については、こだわりはあるのだろうか。

「ドラマや舞台での演技だけでは、我々が期待する役柄を演じてくれるかどうか、その方の演技力すべてを判断することはできません。ですから、まずは来ていただいて演技をしてもらいます。戸塚純貴さんの場合も、最初は脇を演じてもらい、その存在感から「こんなキャラクターはどうだろう」と主役を続けてお願いするようになりました。その人にしか出せない存在感にはこだわりますね」

 番組は役者サイドからも注目され、笹野高史のように老婆役を嬉々として演じてもらえるなどのケースも増えている。

「嫌なやつが登場してイラッとし、それが何らかの方法でやり込められてスカッとする。そういう非常にシンプルな構造なので、キャラクターでドラマのバリエーションを広げていく方向が合っているのでしょう。笹野さんの場合は、やっつける側の定番キャラの1つ。単なる予定調和ばかりでは飽きてしまうので、悪役キャラが実は良い人で、という展開や、まったく軸の異なる「胸キュンスカッと」という枠を作るなど工夫は続けています。番組のフレーム自体を支えてくれる司会の内村光良さんの力も大きいですね」

 複数のショートドラマで構成されていること自体、あるいは固定されたキャラクターでシリーズ化すること自体、視聴者にとっての観やすさへの配慮。観てもらうことへの真摯な努力に支えられているからこそ、俳優のネクストブレイクにも繋がる人気を、番組は維持し続けているのだろう。
(文/及川望)

(コンフィデンス 16年10月10日号掲載)


■関連記事
> “名バイプレーヤー”木下ほうかが重宝される理由(15年10月26日号)
> コメディのふりをした哲学ドラマ『家売るオンナ』(16年8月1日号)


→ ほかの記事を読む
→ サイトTOPに戻る

Go to Page Top


週刊『コンフィデンス』とは

@音楽・映像・書籍のランキング&マーケット動向
Aエンタテインメント市場の調査・分析
B人気作のヒット分析
C業界キーマンのインタビュー

などが網羅できる定期購読誌です。


コンフィデンス 雑誌購読のお申し込み

 

Go to Page Top