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(2016/06/13)

ドラマ『火花』で目指すグローバルな作品づくり

『火花』/「第153回芥川賞」を受賞した又吉直樹による小説『火花』は、漫才の世界に身を投じた青年たちを描くヒューマン・ドラマ。林遣都、波岡一喜、門脇麦らが出演し、廣木隆一氏が総監督を務める。6月3日よりNetflixのオリジナル作品として全世界190ヶ国に向けて、全10話が一挙に配信された
(C)2016 YDクリエイション

約60ヵ国の日本在住外国人約70名を招いた上映イベントが6月9日に都内で開催。日本独特の漫才文化や先輩・後輩の関係性に驚く人もおり、イベントに出席した英語字幕担当のチャド・マレーンは「日本の普通の風景が描かれていて、それが世界に伝わっていくのが面白いですね」とコメントした。イベントにはタレントの鈴木奈々も出席した


 吉本興業と電通による新会社・YDクリエイションが、大ヒット小説『火花』のオリジナルドラマを制作。6月3日から、動画配信の大手・Netflixで190ヶ国に向け、字幕付きで配信を開始する。同社のグローバルを意識した作品づくりについて、狙いを聞いた。


■気鋭のクリエイターが世界で活躍する場をつくる

 吉本興業と電通デジタル・ホールディングスは昨年10月、映像及びデジタル・コンテンツの企画やプロデュースを手がける合弁会社「株式会社YDクリエイション」を新設。又吉直樹の大ヒット小説『火花』のドラマ版を6月3日から、動画配信の大手・Netflix で190ヶ国に向け、全10話で一挙に配信する。話題作の映像化であること、またNetflix が日本でオリジナル作品をこの規模で配信するのが初ということもあり、注目を集めている。YDクリエイションの取締役であり、吉本興業で主にデジタルを中心としたコンテンツビジネスを担当する山地克明氏に、Netflixでの映像化の経緯を聞いた。

「ポイントは大きく3つ。まずは、クリエイターのやりたいことを重視する“クリエイターファースト”という考え方である点。次に、7000万人以上の会員を持つプラットフォームに瞬時にアピールできるという、グローバルなビジネスに挑戦できる点。そして、著作権を保有できるという点です。『火花』はSVODの権利のみをNetflixに渡しているので、例えばグッズなどの二次使用の権利は当社にあります。これらのポイントは、今までの映像の仕事と違う魅力を感じています」(山地氏/以下同)

『火花』は、漫才の世界に身を投じた青年たちを描く人間ドラマ。物語の冒頭から、登場人物の心情や、「ボケ、ツッコミ、すべる」といった日本の独特なお笑いの臨場感が丁寧に描かれている。

「視聴者に一気見してもらえるような作りを意識しています。1、2話目の冒頭15分が勝負であることや、一気見させるには1話40分という尺が重要であることなど、Netflix にはプラットフォームのテイストに合うようアドバイスをもらいました。原作の世界観を損なわないことを重視しているので、没頭するような感覚で楽しんでほしいです」

 とはいえ、Netflixが日本に上陸したのは昨年9月。プラットフォームそのものの認知拡大も課題だろう。プロモーションは基本的にNetflixが行うが、『火花』は原作がある作品ということもあり、吉本と共同でチームを組んだという。

「レアなケースだと思います。Netflixの本国の方々は、書店で「Netflixで配信開始」と書かれた帯が付いた書籍が並び、ポスターもたくさん貼られている、会見を開いたらスポーツ新聞が大きく取り上げてくれるなど、リアルなプロモーション展開に驚いていました。つまり、リアルな展開は吉本主導、ウェブとSNSの仕掛けはNetflix主導、といった具合です。ただし配信開始時がプロモーションのピークというわけではなく、長期的な視点で動きます」

「スタッフ、キャストともに、渾身の作品」というだけあって、沖縄国際映画祭期間中に3話目までが初上映された際は、観客から大きな拍手が湧き、関係者の反応も上々だった。

「YDクリエイションが1番に目指すのは、Netflix やHulu、Amazonといったグローバルな映像配信サービスと対面しながら、クリエイターが活躍する場をつくり、良質な作品を増やすということ。電通の方と一緒に、気鋭のクリエイターを発掘して、新しい表現にも挑戦します。またYD〜はファンディング機能も備えており、若手の実力をかたちにして、各事業者に提案していくことも目指します。コンテンツ製作の幅を広げていかないと、作品そのものも広がりませんから」

 まずはドラマ版『火花』が今後、どのような盛り上がりを見せていくのかが注目される。

(コンフィデンス 16年5月23日号掲載)


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