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(2016/04/25)

エンタメ分野での活躍も期待 難聴者向け「ミライスピーカー」

スタイリッシュなデザインの「ミライスピーカー」は、エンタメ分野での活躍も期待できそうだ
難聴者だけでなく健聴者もより明瞭に聴くことができる「ミライスピーカー」。公共の場での利用のほか、難聴を理由にエンタテインメントから遠ざかってしまった人に再び楽しんでもらうこともできるだろう

<詳細仕様>
◎価格:オープン価格/サイズ:W140mm×H260mm×D260mm/重さ:約3.5kg(付属ACアダプターコード込)・4.0kg(梱包した状態)
◎駆動方式:曲面振動板スピーカー
◎入力感度: 500mVアンプ内蔵タイプスピーカー
◎再生周波数:100Hz〜15KHz
◎出力:82dB SPL
◎消費電力:100V 0.5A


“音を聴くこと”は、多くのエンタテインメントに関わるため、加齢や事故、病気などで聴こえづらくなってしまうと、それを理由に遠ざかるユーザーは少なくない。サウンドファンが開発した「ミライスピーカー」は、そのようなユーザーを再びエンタメの世界に呼び戻す可能性を秘めた商品である。


■蓄音機の仕組みを解析し、「ミライスピーカー」を開発

 テレビやラジオをはじめ、コンサート、演劇、イベントなど、エンタテインメントで用いられる“音”は、ほぼ100%に近い割合でスピーカーから鳴らされる。一方、誰もが年齢と共に音は聴こえづらくなり(加齢性難聴)、それが原因でエンタテインメントから遠ざかってしまう人は少なくない。こうした難聴者に向けて、ベンチャー企業のサウンドファンが、補聴器なしでも言葉を明瞭に聴き取れる新しいスピーカーを開発した。

「難聴の方の集まりで、たまたま蓄音機の音が流れた時、“通常のスピーカーでは聴こえないが、蓄音機の音はクリアに聴こえる”と言われたんです。そこで、蓄音機の仕組みを解析し、「ミライスピーカー」を開発しました」(サウンドファン 代表取締役 佐藤和則氏/以下同)

「ミライスピーカー」は、一般的なスピーカーと異なり、下敷きを曲げたような形状の曲面振動板から音を放射する仕組みで、遠くまで音が減衰せず、明瞭なまま耳元へ届けられる。さらに音質を向上させるために標準的なフルレンジスピーカーを搭載し、この両者をハイブリッド化した音で、特許を取得。現状、原理解明中とのことだが、効果は既にはっきりと出ているという。

「筑波技術大学と各種難聴者のご協力で試験を行い、加齢性に限らず、様々な難聴者の約80%が“よく聴こえる”という結果を得られました。実際に、軽度/中度難聴の方でも、補聴器を外したうえで、今よりテレビの音量を下げられるので、ご本人はもちろん、ご家族にも喜んでいただいています。さらに健聴者にとっても音が聴きやすくなりますし、遠くまで音が明瞭に届くので、1台のミライスピーカーだけで200〜300人規模のセミナーをカバーできることも実証済です」


■今後は音楽用モデルへの開発構想も視野に

 こうした試行錯誤と実験を経て、今年2月、第三者割当増資により総額1億7001万円の資金調達を行い、いよいよ量産を開始。加えて、4月1日施行の「障害者差別解消法」の影響もあり、現状では民間金融機関からの問い合わせが多く、りそな銀行東京中央支店や広島銀行などが導入した。また音楽分野では、タワーレコードが、渋谷、新宿店で導入を予定しているそうだ。

「小型化すれば、テレビやラジオに組み込めますし、大型化できれば、言葉が聴き取りやすい性能を活かしてボーカル専用PAスピーカーの開発も考えられます。またミュージシャンは難聴の方も多いと思いますので、ステージ用モニターとしても有効ですし、構造上ハウリングが起きづらい点も、ステージ向きです」

 ようやく量産が始まった段階であり、まずは個人向けのBtoC、公共施設、介護、教育、医療現場へのBtoBがビジネスの軸となるだろう。ただ佐藤氏は、学生時代に“箱バン”として活動し、現在も週に一度はドラムをプレイする音楽愛好家であり、できるだけ早く音楽用モデルの開発に着手したいという構想も持っている。将来的に小型・大型化が実現すれば、まさにエンタテインメント業界にうってつけの特性であり、その可能性の広がりに期待が高まっている。
(文/布施雄一郎)

(コンフィデンス 16年4月25日号掲載)


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