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(2014/04/28)

『アナ雪』楽曲を分析、日本人が好む3つのポイント


「レット・イット・ゴー」が大ブレイク、『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』(14年3月12日発売/WDJ)

 『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』が大ヒットしている。とくにイディナ・メンゼルが歌う劇中歌「レット・イット・ゴー」はもとより、日本語版で、松たか子とMay J.が歌う「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」もブレイク中だ。そこで、2月28日に様々なヒット曲の“売れる理由”を紐解くコラムをまとめた書籍『カメダ式J-POP評論 ヒットの理由』を刊行した音楽プロデューサーの亀田誠治氏に、なぜ「レット・イット・ゴー」が日本で大ブレイクしているのか。その秘密を分析してもらった。


■1つ目のポイント「マイナー調で始まるピアノイントロ」

 「このマイナー調のイントロが、日本人の好む「侘び・寂び」の演出にぴったりとハマります。メジャー(長調)のメロディーは、ポジティブで明るいイメージに限定されますが、マイナー(短調)のメロディーは、悲しみ、孤独、情念、情熱などのせつなさを演出できます。つまり、感情の振れ幅を表現することができるのです」(亀田氏)

 たとえば、映画『タイタニック』のテーマ、セリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」なども同じ。マイナーのメロディーは、1曲を通してドラマティックな展開を作ることができるのだという。


■2つ目のポイント「予想がつかないサウンドの展開」

 「アレンジは日米共通で、ミュージカル風のやや大げさなメロディーにオーケストラ楽器が次々に重なってくるサウンドは、街で耳にするポップチャートの音楽の中では珍しいと思います。J-POPとも洋楽とも違った雰囲気を持っていて、予想がつかない展開にワクワクするのは、音楽も映画も同じなんですね」(亀田氏)

 さらに亀田氏いわく、「ミュージカル映画向けに作られた楽曲ということが、どの時代の曲と並べても埋もれない個性を与えています」という。


■3つ目のポイント「サビの“あ”と“ま”の音の広がり」

 「日本語版の訳詞にもヒットのポイントがあります。まずは、サビの入り口の1フレーズの秘密。試しにサビのメロディーを歌ってみると、いつもより自分の声がよく通り、響くことに驚くでしょう。「じつは「あ」と「ま」のところで、ア行の母音が、声に広がりと力強さを与えているのです」

 聴く人には優しい印象を与えることができ、歌う人には力強い響きを体感できるのが、ありのままという言葉なのだという。松たか子の透明感のあるまっすぐな歌声がパワフルに感じ、数々のカバー曲で魅せるMay J.のR&Bベースのしなやかな歌声がダイナミックに聴こえるのも、このサビに使われている言葉の響きに秘密があるのだ。

 「レット・イット・ゴー」が日本でもブレイクした背景には、こうした日本人の心をくすぐるポイントも盛り込まれている。

 『アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック』は4/28付アルバムチャートで、6週連続TOP10入りしており、サントラアルバムによる連続TOP10入り記録を、98年の『タイタニック』(13週)以来となる「6週」としている。5月3日にはいよいよ、松たか子バージョンが収録された『アナと雪の女王 サウンド・トラック―デラックス・エディション―』が発売されるため、ますます盛り上がりが期待できそうだ。
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年4月28日号掲載)


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