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(2014/02/24)

ファンキー加藤、「原点」からリスタートした理由


ファンキー加藤(78年12月18日生まれ。04年にFUNKY MONKEY BABYSを結成しリーダーを務める。13年6月の東京ドーム公演を最後に、同グループを解散。「ファンキー加藤」として、14年2月12日に、ソロデビューシングル「My VOICE」を発売した


13年11月17日に、ファンモン時代のデビュー時に初めてインストアライブを行った地元・八王子の京王八王子ショッピングセンターで、ソロ宣言後、初のインストアライブを開催した

昨年6月の東京ドーム公演をもって解散したFUNKY MONKEY BABAYSでリーダーを務めたファンキー加藤が2月12日に、満を持してソロデビューシングル「My VOICE」を発売。発売初週で3.8万枚を売り上げ、ファンモン時代を通じても初のシングルTOP3入りを果たした。好スタートの背景には「少しで早くファンに会いたい」との想いから実施した、「原点」とも言えるショッピングモールツアーがあった。


■「新しいことをやろう」という気持ちが大きすぎた

――2月12日にソロデビューシングル「My VOICE」が発売されました。解散後、すぐに制作活動に入ったのですか。
ファンキー加藤(以下、加藤) 解散を発表してから、ラストライブとなった昨年6月の東京ドーム公演までは、本当にすべてを出し切って、駆け抜けました。その後、しばらくお休みをいただいたのですが…、まったく地に足がつかない状態になって、頭で考えるというよりは、心が望んで、スタジオに籠るようになりました。

――先日公開されたドキュメンタリー映画(『ファンキー加藤/My VOICE〜ファンモンから新たな未来へ〜』)でも描かれていましたが、ソロで活動していくことに対して相当な迷いや葛藤があったようですね。
加藤 昨年の7月〜8月頃は、かなりナイーブになっていましたね。Twitterなどでも、自分の名前で検索して、投稿されている内容を見て、ファンの方の厳しい書き込みを読み、落ち込んだり……。その意見だって100ある意見のうちの1つかもしれない。でも、その1つが異常に気になるんですよね。それに対して過剰に反応してしまっている自分がいた。あの時期は、自分が前へ進むのではなく、ファンモンという大きな存在を過去に押しやることで、自分の立ち位置を作ろうとしていました。

――歌詞については、特に迷いが大きかったようですね。
加藤 新しいことをやろうという気持ちが大きすぎたのだと思います。ソロになり、何をどうしたら良いのか、わからないまま、むやみやたらに言葉を紡いでいたのですが、そんな歌詞ではディレクターにも、事務所のスタッフにも見透かされ、どこにも引っかからず……。それでいったん、白紙にして、本当に伝えたい人は誰なのか、伝えたいメッセージは何なのかと、自問自答を繰り返した結果、ファンの方々に届けたいんだ、と気づき、ファンに向けた手紙を書いたのです。それが「My VOICE」の原型になりました。これはFUNKY MONKEY BABYS のラストシングル「ありがとう」とも同じ心境でした。

――結局、ファンモンの時も、ソロになっても、想いは変わらない。
加藤 僕らの解散って、これまでに前例のないものですよね。なにせ、「メンバーの1人が住職になる」っていう理由ですから。特に音楽の方向性が変わったわけでもなく、仲違いしたわけでもない。そもそも僕はファンモンでやっていた音楽が大好きなわけですから、別に無理やりスタイルを変えなくても良いんじゃないかと、そう考えた時に、1つ乗り越えられた気がしましたね。ショッピングモールツアーのほかに思いつかなかったとはいえ、1人で表現することは、これまでとはまったく違うアプローチが必要だと思います。

――レコーディングや、ライブを構築していく過程では、そうした問題に、何度も直面したのではないでしょうか。
加藤 確かに、ボーカルに関しては、自分自身、あれほど違和感を覚えるとは思わなかった。当初は正直、自分1人の声に物足りなさを感じましたね。これは今後も試行錯誤していく部分かと思います。もちろんライブもそうですが、昨年秋から開始したショッピングモールツアーの中で、少しずつではありますが、確立できているという手応えはあります。

――そのショッピングモールツアーですが、東京ドーム公演を成功させたという自負もあるでしょうし、なかなか実行に踏み切れるものではないようにも思います。
加藤 確かにスタッフからは、「東京ドームまでやったアーティストが地方のショッピングモールでフリーライブ?」と、不安視する声もありました。でも、ファンモンとしてデビューした当初、06年から09年頃まで全国各地を回ったことで学べたことは本当に大きかった。なにより良い想い出として残っています。あの楽しかった日々が原点であり、そこからリスタートしたかった。

――ソロ宣言からショッピングモールツアーの開始も早かったです。昨年、11月17日には地元八王子からスタートしました。
加藤 とにかく早くファンの方々に会いたかった。ライブハウスやホールでのツアーも、もちろん考えましたが、それには曲が足りない。早くファンの方々に会うにはどうしたら良いのか、そう考えると、ショッピングモールツアーしか思いつかなかったんです。


■若い人だけでなく 家族にも自分の歌を届けたい

――モールツアーはシングルの発売で、ひとまずの節目を迎えました。

加藤 やっぱり、ここからスタートできたことは本当に良かったと感じています。もともと、ファンモンが06年にショッピングモールでフリーライブを始めた時も、アイドルグループや、シンガー・ソングライター系のアーティストではやっていましたが、僕らのようなHIP HOPグループではまったく前例がなかった。通常ならお洒落なクラブでパフォーマンスするのがステータスで、多少シーンからハミ出したとしてもライブハウスくらいなのに、それを一気に飛び越えてショッピングモールですから。実際、笑われたこともあります。良くお世話になっていたこともありますが、“イオン系HIP HOP”と自分達でも言っていましたし(笑)。でも、僕らがデビューした年って、同じようなHIP HOPグループが本当に多かった。同期だけでも10組はいたと思います。

――その中で、目立っていくために辿り着いたのがショッピングモールでのフリーライブだった?
加藤 それもありますが、僕はクラブに来ているような若いファン層だけではなく、家族で聴いてもらえる音楽を届けたいという気持ちが強かった。そのためにどうすれば良いのか、考えれば考えるほど、ショッピングモールという結論に至った。モールの会場では、ステージの前方にCDを購入してくださった方がいて、その周辺を、たまたま買い物に来て、ライブに居合わせた方々がいる。そこにはライブハウスには決していらっしゃられない親子の姿もあります。子供を肩車して観ている方や、両手に買い物袋を持ったお父さんの姿もあります。その姿から「ヒーロー」という楽曲もできました。

――とはいえ、買い物に来た家族連れを立ち止まらせるのは、とても難しいと思います。
加藤 もちろん、難しいですね。そもそも僕らに興味がない人たちが大半なわけですから。DJケミカルが踊り始めたのもショッピングモールでした。コスプレや着ぐるみでケミカルに踊ってもらい、足を止めた人に向かって、僕とモン吉が歌を畳みかける。それがやがてファンモンのスタイルになっていきました。今も、ファンキー加藤としてライブスタイルを確立している最中ですが、とても勉強になっています。ショッピングモールは多くのファンと出会える場でもあり、学べる場でもありますね。

――今でもHIP HOP系のモールツアーは、ほとんど見かけません。
加藤 踊るDJとHIP HOPグループのモールライブについては、僕らとしても先駆者としての自負はありますね。仮に今後、踊るDJが出てきたら、それはファンモンのマネだと僕は言いますよ。二番煎じなので止めてもらえますかって(笑)。

――すでに、9月19日、20日に東京・日本武道館公演が控えており、さらに、俳優業にチャレンジすることも発表されています。
加藤 少なくとも、全国のショッピングモールを回ることで、本来の自分の姿に戻ることができた。ファンモンの復活を望む声も、ファンキー加藤は応援できないという声も、今では「こんなにもファンモンを愛してくれていたのか」と 思えるようになりました。僕が前に進めば進むほど、ファンモンが過去になっていく。それが耐えらないというファンの方々の気持ちも理解できます。複雑な思いを抱えて僕のソロ活動を観ているファンの方々がいる。その想いに応えることはできないかもしれないけれど、「そんな想いを抱えている君の存在を僕は知っているよ」と伝えたい。こんな風に、ファンの皆さんとの、心の温度差を埋めることも、ショッピングモールツアーを通じてできたと思っています。俳優については、お声がかかれば、もちろん頑張りますが、今はまったく白紙です。武道館についても、今まさに作り上げていく過程ではありますが、不安だらけだった昨年の夏が嘘のように、今は希望に溢れています。是非、楽しみにしていてください。
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年2月24日号掲載)


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