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(2014/02/17)

インドネシア企業と映画を共同製作した日活の狙い


全米配給に加えて、イギリス、フランス等10ヶ国の公開も決定した『KILLERS/キラーズ』(主演:北村一輝)(C)2013 NIKKATSU/Guerilla Merah Films

 日活が数年前から取り組んでいる海外展開が、アジアを起点とし、成果を上げ始めている。2月1日には、インドネシアとの共同製作映画『KILLERS/キラーズ』が公開された。同社では、08年に米Media Blastersから製作受託した『片腕マシンガール』が北米でDVD売上10万枚超のヒットとなったのを機に、11年に映像事業部門企画グループパッケージ企画チームの千葉善紀チーフプロデューサーが中心となり、SUSHI TYPHOON レーベルを発足。1作品、約5000万円の予算で、実写映画5本を製作した。

「何でもいいから北米でウケる映画を作ってほしいと米配給会社から言われ、井口昇監督らと好き放題に血がドバドバ出る映画を作ったら、思いのほか売れて(笑)。こういうものも売れるんだと手応えを得て、日活のレーベルとして始めました。しかし08年をピークに北米のDVD市場はオンラインに移行し始め、思うような結果は出せませんでした。ひとつの作品を、時間をかけて多メディアに展開するのが北米の製作およびセールスのスタイル。ハリウッドのヒット作でも、続編が完成するのに10年かかる作品はザラです。しかし、その間にマーケットは激変してしまう。もともと北米市場の日本映画のシェアは微々たるものでしたので、北米でDVDの売上実績を上げていくことに限界を感じ始めていました」(日活 千葉善紀氏/以下同)

 そんな時、運命的に出合ったのが、インドネシアとの共同製作企画『KILLERS /キラーズ』だった。

「3年前のカンヌ映画祭で旧知のセールス会社から『ザ・レイド』の予告編を見せられたんです。XYZという、映画作品の海外セールスを担当している会社で、『2分の予告編だけでインドネシアの映画を世界中に売った』と豪語し、しかも北米の権利を買ったのはメジャースタジオのソニー・ピクチャーズだと聞き、インドネシア映画界にはすごいヤツがいると衝撃を受けたのを覚えています。その後、モー・ブラザーズ監督作でインドネシアと共同製作することを前提に書かれた『KILLERS/キラーズ』の脚本が旧知のプロデューサーから届いた。さらに翌日、XYZからも同じ企画を打診するメールが来て、この巡り合わせはやるしかないだろうと。日本で5000万円のジャンル映画を作り、丸腰で北米に突撃するより、インドネシアと日本で1億円集め、新たな才能とともに攻めたほうが効果的なんじゃないか。リードされている韓国、中国映画に対抗するためにも、これしかないだろうと考えました。それに両国半々で撮影が行われる物語も、興味深いビジネスを予感させました」

 出資比率は、日本6割、インドネシア4割。自国での配給収入はそれぞれが取り、それ以外の国からの収益は出資比率で分配される。

「海外市場でビジネスになるのはやはり北米。XYZの拠点も北米ですが、主にアジアの面白い映画を発掘して世界に売り、そのリメイク権でもっと大きなビジネスをする。僕らの向かう方向も同じです。モー・ブラザーズもXYZもとても若く、さらに成長していくでしょう。そんな若くて優秀なパートナーと組んで一緒に大きくなっていきたい」

 アジアの才能豊かな若手クリエイター達によって生み出された勢い溢れるバイオレンスアクション『KILLERS/キラーズ』が、自ら市場を創出しようと挑む日活の挑戦に重なる。
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年2月17日号掲載)


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