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(2013/12/23)

「カゲロウプロジェクト」関連ヒットに見るボカロPの未来


作詞家/作曲家/小説家/マルチクリエイターとして活動するじん(自然の敵P)


「カゲロウプロジェクト」の主な動きと売上実績(表)

 07年8月にボーカロイドソフト「初音ミク」が発売されてから6年半。いわゆる“ボカロP”としての人気をきっかけに、メジャーフィールドで活躍するクリエイターが多数生まれてきた。そして、最近目立っているのが、アーティストとしてだけでなく、作詞家/作曲家/小説家/マルチクリエイターとして活動するじん(自然の敵P)(以下、じん)のように、マルチに才能を発揮するクリエイターだ。ニコニコ動画に投稿した動画を起点として、文章やライブなど、あらゆる場所で作品の世界観を増幅させることで、楽曲の背景やストーリーを、より立体的に伝えている。

 じんは、11年よりニコニコ動画にボーカロイド曲の投稿をスタートし、それらの楽曲群をベースに「カゲロウプロジェクト」として様々な展開を行ってきた。発売されたCD、自ら執筆する小説、そしてコミックは、軒並み好セールスを記録。13年5月に発売された2ndアルバム『メカクシティレコーズ』では、初登場1位を獲得(累積売上12.9万枚)。その活躍は、ニコ動発の“次世代クリエイター”の存在を一躍知らしめた。

 こうした新たな世代のマルチクリエイターは、特に20代のユーザーが多いニコニコ動画において、ティーンから圧倒的な支持を受けているのが特徴だ。また、ソニー・ミュージックダイレクトの田中康博氏は本誌13年6月24日号で「コミック誌の連載を読んだ方が小説や音楽のファンになるという流れも生んでいる」と話していたが、ニコニコ動画のコミュニティに留まらないファンも生まれている。

 ノベライズを発売しているKADOKAWA KCG文庫編集部『カゲロウデイズ』担当の屋代健氏によると、「少女小説ではないにもかかわらず、女子小中学生の読者がとても多いのが特徴。母親世代の女性も多く購入されていて、親子で作品が共有されているようですね」という。小説、コミック最新刊の購買データでは「女性13〜18才」、「女性30〜49才」が高い数値となっており、それを裏付ける結果といえる。

 では、何がここまでティーンを夢中にさせているのだろうか。そのひとつが、「言葉」と「ストーリー」だ。ハイテンポなロックチューンに合わせ、小説を読んでいるかのように歌詞が次々と展開していく楽曲は、“中毒性”があると評されている。屋代氏は、その魅力について「ニコ動に投稿された動画が原作ではありますが、小説の描写には意図的な楽曲との差異があります。小説だけでなく、コミックもそのような作りになっていて、物語の創作力が旺盛なところに才能を感じます。ファンはそこを比較して設定や謎について友達と語り合って楽しんでいるようです」と語る。今後、アニメーション制作・シャフト、監督・新房昭之氏という布陣でアニメ化も決定しており、さらにセールスを伸ばしていきそうだ。

 「カゲロウプロジェクト」の他にも、ボカロ曲発のマルチ展開が同時多発的に起きているなかで、じん(自然の敵P)のブレイクは、ネット発マルチクリエイターの新たな道を提示した。すでに新プロジェクトが進行中であることも示唆しており、引き続き今後の動きに注目していきたい。

※累積データはすべて、13年12/16付
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年12月23日号掲載)


■関連記事
> じん、ブレイクの背景にあるセルフプロデュース力(13年6月24日号)
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