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(2013/11/18)

EC市場で高まるビジネスチャンス


日本のBtoC EC市場規模の推移


国内スマートフォン・コマース市場規模予測(グラフ)

Yahoo! JAPANが、10月よりYahoo!ショッピング、ヤフオクへの出店料・ロイヤルティの無料化を発表し、「eコマース革命」と題した一大キャンペーンをスタートさせた。さらに今秋には「LINE」もEC事業への本格参入を発表するなど、EC市場の動向に大きな注目が集まっている。同市場に起きた“革命”は、エンタテインメント分野にどのようなビジネスチャンスを生むのか、各社の動向をレポートする。


■国内のEC化率は3.11%、12年では9.5兆円規模に成長

 経済産業省が発表した「「平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備」(電子商取引に関する市場調査)」によると、12年のEC市場規模(BtoC)は9.5兆円、小売市場全体のEC化率(総売上に対するEC売上の占める割合)は3.11%となっており、08年以降でみても、市場規模・EC化率ともに毎年約10%の成長を続けている。

 ただし、EC化率約3%という現状は、増加する取扱い商品数(Amazonだけでも5000種類を超える)や、Amazon、楽天などが推し進める国内の配送拠点の拡充、「翌日配送」などの物流インフラの整備など、サービスの充実化が急速に進んでいる状況を勘案すると、成長の余地は大きく残っているとも言える。


■Yahoo! JAPANの“革命”により出店内容もより自由に

 こうした状況のなか、大きな話題をさらったのがEC市場で国内3位に位置するYahoo! JAPANだ。

 10月7日にYahoo! ショッピング、ヤフオクへの出店料・ロイヤルティの無料化を発表、「eコマース革命」と題した一大キャンペーンをスタートさせた。発表からわずか1日で新規ストア出店希望数は通常の数百倍となる約1万件にも達した。音楽・映像関連では、ローソンHMV エンタテイメント(HMV)がYahoo!ショッピングへの出店を同月中に決めている。

 HMVでは、従来より共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を採用。一方で、Yahoo!ショッピングは「Tポイント」を採用しており、HMVのこれまでの戦略との齟齬も生まれそうな出店だが、この点について、同社広報では「出店料、ロイヤルティ無料という点に関しては出店のよいきっかけになったとは思っています。ただし、出店の最大の決め手となったのは、実はページ内でリンクを貼れるようになった点です。Tポイントをお持ちの場合はYahoo!内で、Pontaをお持ちの場合は当社ページへという案内がお客様にできるようになったことでお客様にとって選択の幅が広がり、良いサービスになると判断しました」と説明する。

 これまでは月額利用料やロイヤルティを支払う見返りとして、モール側の会員ビジネスを利用し、顧客を囲い込めるという利点があった。一方で購入ポイントや、出店ルールなどの縛りから、リアル店舗との連携が取りづらい状況もあった。Yahoo!JAPANの打ち出した「無料化」は、出店内容の「自由度」が格段に増した点こそが重要となる。例えば、リアル店舗でのキャンペーン時に、顧客とのタッチポイントを増やすべく、期間限定でモールへも出店する、さらに、モール内に自社サイトへのリンクを貼り、顧客の流入を図る、といった選択も可能となるだろう。

 つまり、今回の無料化の利点には、@出店コストの削減、Aリンクの設置が自由となり自社サイトへの導線を作ることができる、B契約期間がなく、キャンペーン的な出店が可能、また、こうした@〜Bの利点を活かした、C新規顧客へのアプローチが可能になった点が挙げられる。

 なお、Yahoo! JAPANの打ち出した無料化等に対して、Amazon、楽天といった競合企業では、当面は静観の構えといった様子。本特集のインタビューでは各社ともに「むしろeコマースに、ユーザーの目が向くようになり、歓迎すべき状況」ともコメントしている。Amazon、楽天ともに、これまでの方針を継続し、「出店者や、顧客に対するサービスの充実化」に今後も注力。例えば、出店者に向けたセミナーを頻繁に開催するなど、ECでの売上最大化に向けて、データやノウハウの提供を通じて、積極的に出店者を支援していくことで、モールの優位性をアピールする。

 Yahoo! JAPANは正確な年数こそ明らかにしないものの「201X年には取扱高で国内首位」を目標に掲げる。今後、Amazon、楽天、Yahoo!の競争が活発化することで、EC市場全体の底上げに繋がっていくことは間違いない。EC化率がさらに拡大していけば、これまでエンタテインメントコンテンツへの興味・関心の薄かったホワイト層・グレー層への接触機会もおのずと増すだろう。そこには新たなビジネスチャンスも詰まっている。


■スマートフォン向けECで変わる購買行動

 また、EC市場の拡大、国内EC化率の増加を図っていくうえで、注目されるのが、スマートフォン向けeコマースだろう。矢野経済研究所の発表では、13年の市場規模は1 兆3000億円を超え、さらに、15年には2.6兆円強まで成長すると予測している。また、楽天市場でも、「昨年12月は25%程度だったPC以外の端末からの購入が、今年の年末はおそらく4割、来年は5割に届く」(楽天執行役員 楽天市場事業編成部部長 河野奈保氏)とも予測している。すでに取扱高の約8割がスマートフォン経由というDeNAショッピングは、2013年度第1四半期決算では、前年比約20%の成長となっており、購買層では、20代女性がけん引しているという(矢野経済研究所が調査した「スマートフォン・コマースの利用経験」)。

 しかし、女性20〜29歳は、他の世代よりも突出して高い、約60%がECサイトで「物品系」の購入経験があるという結果も出ている。現状では、Yahoo!、DeNAなどでは、自社グループ内に音楽配信サービス(UULA、Groovy など)や、映像配信サービス(Gyao!)などを持っているものの、EC事業との連携はほとんど進んでいないという。今後、スマートフォン経由の利用が増加していった場合、デジタルコンテンツとの連携も売上拡大の鍵となっていきそうだ。ここでもエンタテインメントコンテンツの存在感は増していくだろう。

(ORIGINAL CONFIDENCE 13年11月18日号掲載)


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