ヒットがみえるエンタメマーケット情報サイト

  • ORICON BiZ onlineのご案内
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

ニュース一覧 > NEWS

(2009/07/17)

ヨーロッパ映画は「洋画の危機」を救えるか?
映画ファンの期待を集める独伊の注目作

 アメリカ映画の超大作が思ったほどの成績をあげられない状況が続くなか、「洋画の危機」が深刻さの度合いを深めている。メジャーは言うに及ばず、独自に作品を購入するインディペンデント系の洋画配給会社にとってもまさに死活問題。ミニシアター系作品の見直しを含めて、洋画のニーズを掘り起こすための新たなアプローチが早急に求められている。

 そこで注目したいのはヨーロッパ映画だ。どちらかと言えば、派手な特撮満載で若年層向けのアメリカ映画に対して、地味な印象だが、じっくりと腰を据えた作品がヨーロッパ各国から輩出している。

 その好例が第81回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、『おくりびと』と競い合ったドイツ作品『バーダー・マインホフ 理想の果てに』である。1967年から10年間、世界を揺るがした過激派集団<バーダー・マインホフ>グループ、後のドイツ赤軍の誕生から衰退までをリアリスティックに再現し、センセーションを巻き起こした問題作だ。

 ドイツ国内ではドイツ赤軍を題材にすることは一種、タブー視されていたというが、『ヒトラー 最期の12日間』を送り出したプロデューサー、ベルント・アイヒンガーが自ら脚本を書き上げて製作。『ブルックリン最終出口』のウリ・エデルが監督になり、集団の中心メンバーたちの軌跡を瑞々しくとらえた。若さゆえの理想主義と正義感から過激な行動に走り、次第に暴力がエスカレートする過程が、仮借ない語り口で浮き彫りにされる。ジャニス・ジョプリンやボブ・ディランなど、当時のヒット曲を散りばめながら綴る刺激的な現代史。本国で記録的なヒットとなったのも頷ける仕上がりだ。

 ドイツばかりではない。イタリアからも際立った作品が登場する。イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞10部門を独占した『湖のほとりで』である。

 イタリアの美しい湖の村で起きた少女殺人事件の捜査を描いたミステリーなのだが、映画の主眼は関係する人々の、心の奥の感情を描くことに終始する。これが初監督となるアンドレア・モライヨーリの繊細な演出と映像センスによって余韻が深く心に残る。

 これらの他にも、イタリアの名匠エルマンノ・オルミの『ポー川のひかり』が8月1日に公開(岩波ホール)。注目作が埋もれているヨーロッパ各国の映画からはまだまだ目が離せない。


バーダーマインホフ

『バーダー・マインホフ 理想の果てに』
公開:7月25日よりシネマライズほか全国順次ロードショー
配給:ムービーアイ
(C)2008 CONSTANTIN FILM PRO
DUKTION GMBH NOUVELLES E´DITIONS DE FILMS S.A. G.T. FILM PRODUCTION S.R.O.


湖のほとり

『湖のほとりで』
公開:7月18日より銀座テアトルシネマ他にて全国順次公開
配給:アルシネテラン
(C)2007 INDIGO FILMS

(ORICON BiZ7月13日号より抜粋)

Go to Page Top


週刊『コンフィデンス』とは

@音楽・映像・書籍のランキング&マーケット動向
Aエンタテインメント市場の調査・分析
B人気作のヒット分析
C業界キーマンのインタビュー

などが網羅できる定期購読誌です。


コンフィデンス 雑誌購読のお申し込み

 

Go to Page Top