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(2013/10/07)

奥田民生、ミックス前データを収録しCDに付加価値


奥田民生はCDパッケージの付加価値として、常識に囚われず意欲的な試みを続けている


全パートのミックス前のデータのほか、機材解説やレコーディング映像なども収録された奥田民生のシングル「風は西から」9月11日発売(KS)

 9月11日にリリースされた奥田民生のシングル「風は西から」の完全生産限定盤には、特典として収録されたCD-ROMに奥田が演奏した全パートのミックス前のデータが収録された。CD付加価値の次の一手に踏み込んだ事例を紹介する。


■機材解説、レコーディング映像も

 広島出身の奥田が、地元が誇る企業・マツダの企業広告「Be a driver.」オフィシャルソングとして書き下ろした「風は西から」では、すべての楽器を奥田自身が演奏しているが、完全生産限定盤に同梱されるCD−ROMに、その楽器トラック、ボーカルトラックをミックス前のマルチトラックデータとして収録。同じく限定盤のDVDに収められたレコーディングドキュメンタリー映像、機材解説を掲載したブックレットとともに、奥田による各パートの演奏やアレンジを分析したり、ユーザーが自由にミックスしたりできるというものだ。

 これまでにも、10年のアルバム『OTRL』(レコーディングの過程をステージで見せる同年のツアー「ひとりカンタビレ」で録音された音源を中心に、スタジオでミックスし直し、収録した作品)のリリース、ライブ音源を即日CD化して、会場販売するという企画(東京公演のみ)を行ったライブ公演「okuda tamio tour2011-2012〜おとしのレイら〜」など、常識に囚われない、意欲的な試みを続けてきた奥田だが、今回のマルチトラックデータについても、ファンを中心に反響を集めている。

「デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」のマルチトラックデータがiTunesで販売されていて、これは良いアイデアだなと思いました。奥田も僕らスタッフも良質な音楽を届けているという自負があり、実際、レコーディングの過程における歌そのものや楽器の音も素晴らしいので、それを、よりわかりやすいかたちで聴いてもらうのはすごく良いことだと考えました。彼はレコーディングの際も、データ上でピッチを直すということを一切やらないんですが、その生のボーカルトラックが聴けるなんて、ファンにとってはたまらないと思いますから」(ソニー・ミュージックアーティスツ 代表取締役会長・原田公一氏/以下同)

 さらにマルチトラックデータCD−ROMの使い方を、同じSMAのアーティスト、UCARY& THE VALENTINEが初心者向けに説明したチュートリアル動画も「風は西から」特設サイトで公開。データをPCに取り込み、UCARYが自らのコーラスを足した上でミックスしたりと、楽しみ方を実演し、奥田自身も登場して「わりと簡単なので、いろいろやってみてほしい」とコメントしている。また、リリースに伴い、専門誌『サウンド&レコーディング・マガジン』で機材、録音などに関する詳細なインタビュー記事も掲載されるなど、奥田ファンだけでなく、レコーディング、ミックスなどに興味を持つような層にまで訴求できる企画となっている。

「今はCDの市場が思わしくなく、反対にライブエンタテインメントが好調で、音楽ビジネスの主戦場はむしろ後者なんて言われたりもしますが、ライブをするためにも、やはりまずは質の高い楽曲が必要です。作っている音に揺るぎない自信があれば、どんなメディアでリリースしてもいいだろうし、様々なチャレンジをしていくべきだろうと思います。ずっと聴き続けられ、残っていく曲を作ることが、今後はさらに大事になっていくでしょうね」

 優れた楽曲をさらに深く理解してもらうことを明確に意図したこの企画は、音楽ビジネスの根幹となる部分を再認識させるものとすら言えるかもしれない。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年10月7日号掲載)


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