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(2009/07/16)

平城京遷都1300年祭テーマソングを手がけた谷村新司の想い

平城京遷都から、来年で1300年。奈良では1年間、さまざまな記念行事が開催される。公式テーマソング「ムジカ」を発表した谷村新司に、奈良への想いを語ってもらった。

「奈良との縁を感じて」生まれた汎アジア的スケールの「ムジカ」

 奈良県を中心に、国家プロジェクトとして開催される「平城遷都1300年祭」。全体の集客予想1200万人以上、総事業費およそ100億円の特大スケールの祭典だ。7月8日にリリースされる「ムジカ」は、一連の行事の公式テーマソング。どこか懐かしさを覚えるメロディーは、聴く者を一度で虜にする。

「あまり知られていませんが、実は父の出身地が奈良県の宇陀市で…」と語る谷村。「僕は大阪育ちですが、5年ほど前に、およそ半世紀ぶりに父の故郷を旅する機会がありました。それ以来、心の中でずっと『奈良』を意識しているところがあって、テーマソングの話が来たときは、ああ、ご縁があるのかな」と、とてもうれしかったという。

 楽曲制作に先立って「イメージキーワード」を一般公募。入選作を取り入れて、谷村が楽曲に仕上げた。「苦労はまったくありませんでした。こういうのが来ればいいな、と思っていた言葉が全部入っていたので」

「“ムジカ”というのは、ラテン語で『音楽』を意味する言葉。当時の平城京は、世界各地から人々が集まる国際都市。世界中の楽器が毎日のように鳴り響き、歌や踊りが溢れていた都だったと思います。音楽は目に見えない、はかなく消えていくものだけれど、でも実は人間の細胞の中に深く入り込んでいく。そんなことをみんなに思い出してもらいたいと考えながら、この曲を書きました」(谷村)

「三都物語」には入れられない特別な場所、それが「奈良」

 そんな谷村の思いを後押ししたのが、最近共演する機会の多い、千住明による冒険的なアレンジだ。韓国の打楽器、リズムを取り入れて、独特の心地よいビートが生まれている。

「モンゴルの馬頭琴や、ヤトグという琴。中国の二胡。韓国のチャングーにインドネシアのチェンチェン。アジアの楽器をうまくフィーチャーして戴いて、さらにイメージが膨らみました。音が時や国境を越えて行き来する様子を表現することができたと思います。アジアの人々が聴いたら、みんな自分の国の歌だと思うんじゃないかな」(谷村)

 92年に「三都物語」をリリースした時に、奈良の人々から「どうしてウチが入ってないんだ」とずいぶん叱られた、と語る谷村。そのころから「奈良は特別なんですよ」と答えていたが、今回の『ムジカ』で、ようやくその「特別さ」を証明できたという。

 2010年春からは、奈良でさまざまな記念行事が始まる。ステージで「ムジカ」や、「奈良の子どもたちが覚えてくれるといいな」という、カップリング曲の「童歌 ナラうた」を披露する機会も出てくることだろう。

「望まれる場所があれば、できるだけ出かけて、伝えられることを伝えていきたいと思います。ただ、人の思いは、仕掛けてもしょうがないもの。人間は、「そうだな」と思わなければ動かない。たくさんの人の気持ちが揃って、そういうふうになったらいいなと思います」(谷村)

 7月には、2冊目の小説集『階』(角川書店)も出版される。「6つの話を書きましたが、その最終章の舞台になっているのが奈良。狙ったわけではなく、自然とそうなっていました。音についての話で、「ムジカ」とつながっているんです」(谷村)

(取材・文/大久保太郎)

谷村新司

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ムジカジャケ写

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「ムジカ」
(IOCD-20292)
1260円(税込)
7月8日発売


(ORICON BiZ7月13日号より抜粋)

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