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(2013/08/05)

『テッド』“R15指定”のアメリカ・コメディ、ヒットの戦略


大ヒットしたアメリカ・コメディ『テッド』
(C)2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED

今年1月18日に公開され、正月映画シーズン後の谷間の興行ながら、異例のロングランを記録。最終興行収入42億円のヒットとなった『テッド』。この熱量はパッケージ発売でも続いており、DVDは8月5日付DVDランキングで初動5.0万枚を売り上げ初登場首位を獲得。BD限定生産商品も同付BDランキングで初動3.1万枚を売り上げ総合2位、映画部門首位となった。ヒットの背景には徹底したキャラクター戦略とSNS戦略があった。


■能動的に“宣伝に参加したい”と思わせるプロモーションに

 命が宿ったテディベア・テッドと、大人になりきれない男との友情を描いたファンタジーコメディ『テッド』。12年6月に全米で公開され、初登場首位を獲得。日本では13年1月に公開され、R+15指定ながら興行収入42億円・観客動員数300万人を突破するヒットとなった。暴言や下ネタなど、きわどい表現も多く、アメリカ・カルチャーを基にしたコメディ作品は、日本では理解できないギャグも多く、日本国内の一般層へ、広く訴求していくのは難しいジャンルであるにも関わらず、10代後半〜20代前半の女性層を中心に、幅広い層の動員を獲得。洋画コメディでは異例のヒットとなった。同作のヒットの背景には、メインキャラクター「テッド」の可愛らしい見た目と、その発言・行動のギャップを劇場公開前から前面に打ち出したキャラクター戦略がある。加えて、お笑い芸人・有吉弘行がテッドの吹き替えを務めたことも話題に。字幕版とも違う有吉風“毒舌”セリフは好評を博し、劇場では字幕版と吹替版の両方を観るリピーターも散見された。

「予告編の解禁時から、女性層の反応はとても良かったですね。劇場公開時のアンケートでも7割が女性。それも若年女性の支持を得ることができました。その結果、同世代の男性層へと波及し、そこからさらに、普段は洋画を見ないようなライト層へと広がっていきました」(ジェネオン・ユニバーサル エンターテイメント シニア宣伝担当 映画・映像グループ 浦谷亮氏/以下同)

 キャラクター重視の戦略は、パッケージ発売時でも踏襲され、初回限定生産盤では、日本オリジナルのぬいぐるみを同梱。さらに、発売前には、日本独自で制作されたテッドの着ぐるみを使った「ナイトキャラバン」と称したゲリラ的PRを実施。東京と大阪で公募した居酒屋やスナックなどを回るキャンペーンを行い、そこでの“目撃情報”がSNSで効率的に拡散された。

「訪問先は公式Facebookで募集したのですが、5日間で300店の応募をいただきました。このイベントもそうですが、ポイントはSNS戦略ですね。キャラクターの認知は劇場公開時にかなり高めることができました。そこでライト層も含めて、お客さん自身が能動的に“テッドを見せたい”、さらには“宣伝に参加したい”と思ってもらえるプロモーション施策を心がけました」


■“ライブ感”を訴求しつつ作品のステータスも演出

 昨年、洋画興行は670億円と、前年の817億円から大きく後退(前年比82.1%)していた。ところが本年に入り、『レ・ミゼラブル』、『テッド』とヒット作が登場し、活気が戻りつつある。実は上記2作は、同じ東宝東和配給でもあった。一見、まったく内容の異なる作品ながら、いくつか共通項をみることもできる。

「『レ・ミゼラブル』は3時間強の大作であり、かつ王道のミュージカル。一方、『テッド』はアメリカ・コメディ作品。どちらも、コアなファン層は確実に存在しますが、ある種の素養が求められるジャンルであり、一般層まで届かせるのは難しい作品でもありました。ところが両作品ともに若年女性からの支持を得て、想像以上のヒットとなりました。そこには、ある種の「ステータス」があったように思います。宣伝では生歌によるライブ感や、『テッド』ならば、ぬいぐるみではありますが…共感を得るリアルな人間像を伝えました。それが作品への敷居を下げる一方で、“大人向けの作品を楽しむ”という、独特の満足感を感じてもらえたようにも思います。また、そうした質の高い満足感は、SNSによって、こちらの想像を超えた拡散を生むことになりました」

 こうして、SNSが大きな役割を担い、一見、不利に思えるジャンルからも立て続けにヒットが生まれた。『テッド』では、今後も店舗やイベント会場など、着ぐるみを使った露出が続く。2年後をめどに続編の制作も決定しており、息の長いヒットとなる可能性は高い。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年7月29日号掲載)


『テッド』DVDとBDの売上動向
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