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(2013/07/15)

『24』から10年、多様化で人気分散〜アメリカドラマ市場


「今、海外ドラマがすごいことになっている!」とメーカー連動プロモーションを実施した


海外ドラマでは初となる全国5大都市の街頭ビジョン&山手線ジャックも実施された

 大ヒット作が次々と最終回を迎え、苦戦が続くアメリカドラマ市場。メーカー連動企画がスタートするなど、コアファンを呼び戻すための積極的な施策が続く。

 一大センセーションを巻き起こした『24―TWENTYFOUR』が日本に紹介されてから約10年。幾つものアメリカドラマが日本でも紹介されてきたが、『LOST』、『HEROES』などの大ヒットシリーズが一昨年あたりから最終回を迎える一方で、新作のヒットも徐々に少なくなっている。

 実際、13年のDVD売上動向(12年12/31〜13年6/30)を見ると、アメリカドラマの売上上位作品では、『ゴシップガール<ファースト>セット1』(11年9月発売)や『FRINGE/フリンジ<ファースト・シーズン>セット1(12.10)』(12年10月発売※再発版)など、旧作が並んでいる。

「各メーカーがこぞってテレビドラマ作品を商品化したこともあり、圧倒的に作品数が増え、人気が分散しました。ただ、新作はどれもクオリティは高く、多様化した観客の好みに応じた作品が選りすぐられています。現在はより一層、内容やジャンルを際立たせる戦略が求められます」(ワーナー エンターテイメントジャパン 生駒行雄氏)

 また、ワーナー・ホーム・ビデオでは劇場映画並みのプロモーションも積極的に展開している。 「この6月には『FRINGE/フリンジ』の主演、アナ・トーヴに、ファイナル・シーズンの発売タイミングで来日プロモーションを実施したところ、“大作感”を伝えることができ、作品の認知度がさらに増しました。新規ファンを獲得する意味でも来日プロモーションは一つのカギとなります」(生駒氏)

 同社では毎年、約15シリーズの最新巻が発売され、今年は3作品を新作として送り出す。現在のアメリカでの傾向としては、ホラーやサスペンス、青春モノなど、これまで以上に作品ジャンルがはっきり分けられ、セグメントも明確化されている。そこで、SNSなども活用し、各ターゲットに向けた、細やかな情報発信がより一層求められている。


■海外テレビドラマの復活を期し山手線ジャックも実施

 一方、『24〜』で海外ドラマブームを築いた20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンは、より積極的に“海外テレビドラマの復活”をスローガンに掲げている。

「スマートフォンの普及などもあり、エンタテインメント全体の多様化が、急速に進んでいますが、決して海外ドラマユーザーのパイが減っているとは思いません。そこであえて“復活”と謳うことで、もう一度、アメリカドラマに注目していただけるようにしたいと考えました」(20世紀フォックス 佐藤まゆみ氏)

 その目玉が、バラク・オバマ大統領も熱中したという『HOMELAND/ホームランド』。テレビドラマ関連の各賞を総なめしたサスペンスだ。『24〜』に匹敵する規模で、全国5大都市の街頭ビジョン&山手線ジャックも実施。さらに、「同時多発試写」と題した試写イベントも全国で行い、「第1話をどれだけ多くの人に見てもらえるか」にこだわった。

「第1話が見られる無料アプリも開発し、アプリランキングにもランクインする人気を得ました。また、9月の第2シーズン発売に向けてBS放送、第1シーズンの地上波放映も検討しています」(20世紀フォックス 原田登久子氏)

 このほか、メーカー連動企画としては、本年4月より「海外ドラマを見よう!実行委員会」を発足。4月28日を「海外ドラマの日」として日本記念日協会に登録し、当日より「海外ドラマランキング」を開始した。5月26日には「東京国際ドラマフェスティバル」も開催。さらに、テレビ局とメーカーが連携し、アメリカドラマの共通ロゴを制作。今夏から各社の販促物等でロゴが使用されていくという。こうした連携も図り、まずは、離れてしまったアメリカドラマファンへ訴求していく。


■注目が高まる北欧発ドラマ作品

 “復活”を期して活発な展開が続くアメリカドラマ。そこに新風を起こしているのが、ここ数年で次々とリメイクされている北欧発ドラマだ。

 書籍ではヘニング・マンケルの「刑事クルト・ヴァランダー」シリーズや「ミレニアム」シリーズ3部作など、北欧のミステリー小説は数多く翻訳され、日本でもベストセラーとなっており、最近ではテレビドラマにもその波が及んでいる。

 デンマークで制作された『THE KILLING/キリング』は、11年4月にはアメリカでリメイク版『THE KILLING〜闇に眠る美少女』を、『MADMEN』や『ブレイキング・バッド』を成功させた放送局AMCが制作。エミー賞に6部門でノミネートされる成功を収めた。また、デンマークとスウェーデンの合作ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』もアメリカのケーブルTV局FXがリメイク版を制作中で、本年放送開始予定となっている。

 こうした動きは劇場映画にも見られ、12年2月に公開され、日本でも興行収入12.5億円を記録した映画『ドラゴン・タトゥーの女』も、スウェーデン映画をリメイクした作品だった。さらに、デンマーク初の女性首相の軌跡を描いた『コペンハーゲン首相の決断』も現在、アメリカ・HBOがリメイク版を制作している。

 なお、北欧発ドラマはCS専門チャンネルが近年、多数登場したことで日本国内での視聴も可能。『THE KILLING〜』、『THE BRIDGE〜』、『コペンハーゲン〜』の3シリーズは、いずれも「海外ドラマ専門チャンネル スカパー! ドラマTV」等で放映され、コアファンの間ではすでに話題を集めており、北欧発ドラマファン自体も増えている。DVD・BD化に関しては未発表ながら、リメイクされたアメリカ版の人気次第では、国内での発売の可能性もある。

 また、AXNミステリー・チャンネル等で放映されているスウェーデン、英国の合作ドラマ『刑事ヴァランダー』など、北欧発ドラマでは、原作モノも多い。書店と共同展開も可能となり、新規ファンへのタッチポイントを増やすこともできる。新風を巻き起こしている北欧発ドラマがアメリカドラマ“復活”の起爆剤となるか、期待は高まる。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年7月15日号掲載)


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