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失恋ソングの女王の新作は夢を叶えたいと願う人への応援歌

(2017/07/01)



歌詞が心に響く、共感できる、と女性からの絶大な支持を集めるHYのボーカリスト・仲宗根泉。なにがそんなに心に刺さるのか。その理由の1つに、飽くなき“リアリティーの追求”が挙げられる。「経験していなくても、経験したような感情で書きたい」「想像だけでは書けない」と歌詞に対して貪欲なまでのこだわりを見せる彼女は、リアルな感情を得るための努力を決して惜しまない。RIZAPでのダイエット成功までの様子を綴った、本人出演のCMが話題を集めているが、そのCMソングにもなっている待望の新曲「DEBUと言われて」も、自らの体験を経てのリアルな感情から生まれたものだ。自身への応援歌として書かれた同曲だが、その心情は失恋ソング同様に心にじわりと沁みてくる。

仲宗根泉を、HYの仲宗根泉がいつも斜め後ろから眺めている

沖縄在住5人組バンドのHYのキーボード兼ボーカルの仲宗根泉。のびやかで包み込むような深みのある歌声、明るく大らかなキャラクターで人気を集める、グループの紅一点である。仲宗根のバラードは、恋に悩める女性の心にとにかく沁みる。「366 日」「NAO」…、リアルな恋心が胸に響く名失恋ソングの数々によって、別名「失恋ソングの女王」とも呼ばれている。

「私の失恋ソングは希望を感じさせないとよく言われます。だから、失恋直後のドン底気分にぴったり合う(笑)。でも、失恋して落ち込んだときってそうでしょう? たくさん泣いて、たくさん毒を吐き出した後じゃないと希望の光は見えてきませんから。だから、希望を感じさせる失恋ソングは他の人に任せて、私にしか書けない、光のない歌を書くように意識しています」
失恋のドン底気分にぴたりとハマる歌詞について尋ねると、自ら体験したリアルな“痛み”の感情を描くこと、と説明してくれた。
「恋人とケンカしたときの気持ちを後で思い出して書いても、それはそのときのリアルな感情じゃないから、ちょっと違うなって。だから、別れ話をして号泣している最中にも、思わずケータイを取り出してその瞬間の感情を書き留めてしまう。仲宗根泉を、HYの仲宗根泉がいつも斜め後ろから眺めているみたいな感じです。まるで映画のワンシーンを見るように。曲を書くときには、そうやって書き留めた言葉のなかから、あのときの“痛み”って引き出してきて使います」

 ファンの手紙を元に「366日」を書いた当時、付き合っている恋人がいた。好きなのに別れるという経験がなかったため、「想像では書けない」と、一時的に別れて実体験の痛みを歌詞に綴ったという逸話もある。その一直線な行動に驚くとともに、そこまでしなくても…と思ってしまうが、そこはクリエイターとしての譲れない部分なのだろう。そんな自分の発信する言葉に対する愚直なまでの真剣さ、誠実さが、リスナーの心を捉えて離さないのだ。

体型以外に心の持ち方も変わるとは思っていなかった

 昨秋、仲宗根は「悩める女子のための女子会」と銘打ったイベントを開催した。以前から、ファンの恋愛相談をよく受けていたが、インスタグラムを始めてからというもの、その機会はさらに増えた。相談内容は、恋に仕事に勉強、友達、家族…と多岐に及ぶ。それらに時間の許す限り答えていたが、全てには答えられない。そのジレンマから、「直接相談してもらう場を作ってみては」と、前代未聞のトークツアーが実現した。歌唱は一切なし、全国5ヶ所、昼夜2回の10公演、仲宗根はひたすら相談を受けて、それに答え続けた。
「本当に楽しかったけれど、頭は常にフル回転だから疲労感は相当なものでした。質問者に合った言い回しや言葉を選んだり、シビアな質問もけっこう多かったので、あまり重い雰囲気にならないように笑いを交えて返答するようにしたり。楽曲制作の際に言葉が出てくるように、ファンのみんなからのどんな質問にも答えられるように、常に意識していろんな経験を積んできた成果が表れたと思います。日々の自分の行いはすべてつながっているのだなと実感しましたね」

 また、昨年7月より仲宗根は沖縄ローカル番組内の企画として、RIZAPにも挑戦している。見事、ダイエットに成功した様子を収録したCMが2月後半よりオンエアされて話題になっている。これも彼女にとっては日々意識して積んでいる経験の1つなのだろう。そして、その実体験のなかから新曲「DEBUと言われて」が生まれた。
 自分を励ますための応援歌として書かれた同曲は、自身が出演するRIZAP CMソングとしてもオンエアされている。ダイエットを通して向き合った自分の心の葛藤や意識の変化をゴスペル調に歌い上げ、真面目ななかにも思わずくすっと笑ってしまう部分もあり、ユーモアのセンスも感じさせてくれる。まさに彼女にしか作れないダイエットソングであり、新たな表情を覗かせた作品に仕上がっている。
 
「お気に入りは後半の重ね録りした部分です。パートを振り分け、声音も変えて録っていったらどんどんソウルフルになっていって、いつの間にか魂の叫びのようになってしまって(笑)。どちらと言うとマイナス思考の私でしたが、プラスに物事を考えられるようになりました。まさか体型以外に心の持ち方も変わるとは思っていませんでした。ダイエットを通して自分と向き合う姿を描いているので、夢を追いかけている人、その夢に負けそうになっている人にも共感してもらえるのではないでしょうか」

ライブハウスはアーティスト性を問われる場所

 本作は3月1日に発売されたHYの12枚目のオリジナルアルバム『CHANCE』の初回限定盤の特典CDに収録されているほか、iTunes Store、レコチョクなどで配信されている。
そして、3月26日からは、全国19都市20公演を廻るライブハウスツアー『HY カメールツアー!! 2017』がスタートする。ライブハウスでしか味わえない独特の雰囲気、一体感が大好きだと、仲宗根は言葉を弾ませる。

「音楽とシンプルな演出しかないから、自分たちの実力を試す場所であり、アーティスト性を問われる場所でもあるので、今から楽しみです。大都市以外の地域もくまなく廻って私たちの歌を届けるのがHYの強みでもあると思っていますので、早く私たちの声をお届けしたいですね」

ソロ活動を行う際には、グループにいかに還元するかを常に考えているという。女子会ツアーや、RIZAP体験を経て、新たな引き出しを作った彼女は、きっとこのツアーでひと味違った表情を見せてくれるはずである。

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