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大人数グループ主流のなか異彩を放つ5組の新人女性ソロアーティスト

(2017/07/20)

「オリコン2017年上半期ランキング」のシングル、アルバム上位の顔ぶれを見ると、AKB48をはじめとするAKBグループ、SMAPや嵐、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEら、男女共に大人数グループが主流であることがわかる。ソロアーティストとなると、シングルではTOP50内に5組、アルバムでは4組という状況で、女性は宇多田ヒカルを筆頭に6組、男性は星野源を含めわずか3組だった。ソロアーティスト不遇の時代とも言えるなか、昨今の星野源の大ブレイクによって、ソロアーティストシーンは活気づくのではないかと言われている。最近1年間にメジャーデビューした新人アーティスト118組(※)の形態別比率見ると、もっとも多かったのが「女性ソロ」で構成比は約3割、次いで「ユニット」、「男性ソロ」と続く。因みに男女ソロを合わせると5割強となり、各メジャーレーベルともソロアーティストのブレイクに力を入れている様子が、この数からもうかがえる。



シンガー・ソングライター、女優、ラッパー、歌い手と個性豊かな顔ぶれ

 そこで、今回は構成比がもっとも多かった女性ソロアーティストを対象にしたアンケート調査を行い、その傾向を探った。アンケートで「独特な世界観」を持つ女性ソロアーティストとして名前が挙がったのは、センセーショナルな歌詞で注目を集めるシンガー・ソングライターのあいみょん、『君の名は。』でヒロインの声を演じて一躍注目を集めた女優の上白石萌音、10代の女性ラッパーのちゃんみな、ニコニコ動画の歌い手、96猫、そして“泣け歌シンガー・ソングライター”半崎美子の5組だった。果たして、リスナーは彼女たちのどんな部分を“独特”と感じているのだろうか。



 まずは、もっとも票を集めたあいみょん。15年3月に発表したタワーレコード限定シングル「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」「どうせ死ぬなら」など、センセーショナルなタイトルや過激な歌詞内容の楽曲で話題を集め、16年11月にシングル「生きていたんだよな」で、ワーナーミュージック内のレーベルunBORDEよりメジャーデビューした、兵庫県西宮市出身のシンガー・ソングライターだ。
独特に感じる第一の理由として「歌詞の世界観」を挙げる人が多く、その世界観に対して「個性的」「強烈」「新鮮」「共感」と評するコメントが並んだ。「個性的でいて強さや弱さ様々な面を感じられる」(10代/女性/東京)、「歌詞が過激だけど、なぜか共感できる」(20代/女性/神奈川)、「リアルな心の内を綴った歌詞が新鮮」(30代/女性/神奈川)、「声と歌詞が個性的」(30代/女性/東京)、「歌詞に強烈なインパクトを受けた」(40代/男性/茨城)。また、心の内を包み隠さずさらけ出す歌詞に対して、男女で捉えかたは少々異なり、男性は「面白い」と捉え、女性は「共感」を覚えている様子が興味深かった。
「同じような曲、同じような歌詞が多い中、「生きていたんだよな」は1回聴いただけでメロディーも歌詞も記憶に残った」(40代/男性/長野)というコメントに代表されるように、デビュー作は耳にした多くの人に鮮烈な印象を与えたようだが、その一方で、「攻撃的かと思ったら泣ける歌詞も書けて、飽きない」(20代/女性/埼玉)、「様々な雰囲気の曲を作り、歌いこなしている」(30代/女性/東京)、「色んな意味で深い曲が歌える数少ないアーティスト」(40代/男性/長野)など、ソングライターとしての引き出しの多さ、表現者としての振り幅の大きさに言及するコメントも散見され、多面性を持つあいみょん像を独特と捉えている様子もうかがえた。


あいみょん

 次いで、映画『舞妓はレディ』で主演を務め、その後も映画、舞台、声優などで幅広く活動する若手女優の上白石萌音。2011年に開催された『第7回東宝シンデレラオーディション』で審査員特別賞を受賞して芸能界入りを果たした彼女は、出演作でその歌唱力を惜しみなく披露してきたが、16年10月に名作映画の主題歌・挿入歌を集めたカバーミニアルバム『chouchou』で、ついに歌手デビューした。
 上白石萌音の「独特な世界観」を構築しているのは、「透明感」「ナチュラル」「清潔感」ある佇まいや歌声だ。「澄んだ歌声が印象的。歌も上手いので歌手としても活躍できそう」(20代/女性/千葉)、「優しくも儚く、心に刺さる歌声に感動」(30代/女性/福岡)、「今の時代、これほど声に透明度があるアーティストはいない。どの世代にも響く素敵な歌声」(40代/女性/埼玉)、「透明感と温かみをあわせ持つ」(50代/男性/東京)など、今どきのアーティストにはあまり見られないピュアな存在感がリスナーの目に新鮮に映っているようだ。

 上白石萌音と同率だったのが“練馬のビヨンセ”の愛称を持つ10代女性ラッパーのちゃんみな。父親が日本人、母親が韓国人の韓国生まれで、日本語、韓国語、英語を話すトリリンガル女性ラッパーだ。『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』に出場し、ラップスキルと、持ち前のキャラクターによって注目を集め、TVのバラエティー番組に多数出演して話題となった。今年3月8日に1stアルバム『未成年』でメジャーデビューした。
 10代女性ラッパーという希少性、そして派手なビジュアルや堂々とした態度から、「派手」「強烈」「新鮮」「カリスマ」など、独特なキャラクターに関するコメントが目立った。「今までにいないタイプ」(10代/女性/岩手)、「見た目もキャラも強烈」(20代/女性/東京)、「唯一無二の存在感」(30代/男性/東京)。とはいえ、その存在感だけでなく、ラップのスキルの高さやメッセージもリスナーに十分に伝わっており、特に10代、20代の女性から「かっこいい」「面白い」と高い支持を得ている。


ちゃんみな

5組の共通点は「今どき感」のなさ

 動画共有サービス「ニコニコ動画」の"歌ってみた"でも活躍する歌い手の96猫は4位にランクイン。活動を始めたのは10年以上前で、高い認知を得ていたが、昨年6月についにアルバム『Crimson Stain』でメジャーデビューした。女性の声から少年の声までさまざまな声色を使い分けて楽曲を表現するスタイルは際立っている。「歌声がいろいろ変わって楽しい」(10代/女性/大阪)、「男性なのか女性なのか悩む」(20代/女性/千葉)、「他の人にはなかなか歌えない楽曲が多い」(20代/女性/福岡)など、“両声類”と評される「神秘的」「不思議」な歌声に対して独特と感じているリスナーが多かった。

 5位は歌唱するたび観客を泣かせる「泣かせ歌」を歌う半崎美子。約17年のインディーでの活動を経て、今年4月にアルバム『うた弁』でメジャーデビューした遅咲きのシンガー・ソングライターだ。「泣ける」楽曲というイメージが浸透しているが、それだけではなく、「温かい。懐の深い普遍的な母性愛」(40代/女性/長崎)、「中高年の気持ちを代弁するメッセージソングが新しい」(50代/女性/富山)、「一見普通に感じるが目線が違う」(50代/男性/静岡)など、身近に感じる出来事の捉え方、切り取り方が独特であるという評価を受けている。また、そういった楽曲を柔らかな声質で歌い、「上手いだけではなく聴いていて癒される」(50代/女性/熊本)と、中高年層にじわじわと魅力が浸透しているようだ。

 上記5組の世界観はそれぞれ異なるが、共通している点がある。それは、「今どき感がない」ということ。上記5組に対するリスナーの評価コメントに頻出していた言葉だ。時代や流行に流されないスタイルに、リスナーは独自性を感じ強く惹かれている様子も見てとれた。

 さて、今回のアンケートで1位となったあいみょんだが、8月2日にはラブソング「君はロックを聴かない」をリリースする。デビュー作「生きていたんだよな」で鮮烈なデビューを飾った彼女は、今年5月の2ndシングル「愛を伝えたいだとか」では、女々しい男性目線の恋愛感を綴り、今作では、青春時代の不器用な片思いを切なくも力強いメロディーにのせてストレートに歌い上げている。前述したアンケートのコメントにもあったように、アーティストとしての奥行きの深さを感じさせるあいみょんの今後の展開に注目したい。

サードシングル「君はロックを聴かない」【OFFICIAL MUSIC VIDEO】はコチラ

【調査概要】
調査対象:全国10〜50代男女
サンプル数:650人
調査期間:2017年6月26日〜7月4日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

※エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』掲載の「2016年下半期新人パーフェクトリスト」(2016年9/26号)、「2017年上半期〜」(2017年3/27号)のアーティスト数をカウント
※※半崎美子「崎」の字は「たつさき」

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